コンにちは。狐人 七十四夏木です。
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【140字の小説クイズ!元ネタのタイトルな~んだ?】
のまとめ。
その23。
文学作品の印象的な部分をピックアップ。
これで元ネタがわかれば凄い、という趣。
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元ネタの読書感想に飛びます!
441
王様は城の壁にカタツムリがいるのを見つける。ふと、デンデンムシの歌を思い出すが、つのだせやりだせ……そのあとがどうしても思い出せない。イライラして、目障りなカタツムリを潰してしまおうとしたとき、母の優しい歌声がよみがえってきて……王様はカタツムリをそっと青い葉の上にのせてやった。
442
俺は電気総長。つまり電気の大将だ。近頃は電気を知らずに使っている者が多すぎる。こないだ「電気を消してこい」と部下に言ったら、電灯を「ふっふっ」と吹いて消そうとしてるんだ。……ん?お前はこの部下を笑うかね。では、お前は電気について何を知ってるんだ?勢力不滅の法則は?熱力学第二則は?
443
黒い頭のミイラの夢を見たという話。夢占いで「ミイラの夢」は「誰かに過去の秘密を暴露され、嫌な思いをするかもしれない」という予知夢だというが、その出来事は自分の成長に必要な試練であり、結果的にはプラスになるので、ミイラの夢を見たからといって悲観的になる必要は……って、これ何の話?
444
大イノシシが暴れていた。王様がおふれを出した。『国を荒らす大イノシシを退治した者を姫の婿にする』。兄弟はさっそく森へ向かった。大イノシシを退治したのは弟だった。しかし、姫と結婚したのは兄だった。数年後、小さな骨の欠片で作られた笛が歌う。「兄に殴られ埋められた。兄は姫と結婚した」
445
「西洋の女性は本当に美しくございます」
「日本の女性も美しい。とくにあなたは」
「私もパリの舞踏会へ行ってみたい」
「舞踏会はどこでも同じことです」
――文明開化の頃、舞踏会を訪れた少女とフランス人将校の淡い恋物語。華やかな場面が見え、軽やかな音楽が聞こえる、芥川中期を代表する名品。
446
僕は終戦後間もなくケストネルの「ファビアン」という小説を読んだ。「ファビアン」は第一次大戦後の混乱と頽廃と無気力と不安の中に蠢いている独逸の一青年を横紙破りの新しいスタイルで描いたもので、戦後の日本の文学の一つの行き方を、僕はこの小説に見たと思った。
〇〇のままの文学/織田作之助
447
『私は妹を見ていると、十里四方もつづく満開の桜の森林があって、そのまんなかに私だけたった一人置きすてられてしまったような寂しさを感じます。私は花びらに埋もれ、花びらを吹く風に追われて、困りながら歩いているのです。』
――坂口安吾『桜の森の満開の下』のプロトタイプ、かもしれない作品。
448
二十八歳、ブスな私は、結婚してくれた夫に感謝してしまう。夫は私をとても気遣ってくれる。夫は三十五歳、二度目の結婚で、学歴もなくて、親兄弟もいなくて、財産もなくて――お互い、劣等感からくる気遣いは、なんだか寂しく感じられる。自然に気遣える夫婦になるには、何年くらいかかるんだろう。
449
「がちょうさん、お誕生日だね」
「お誕生会しなきゃだね」
「誰を呼ぼうか?」
「あひるさん、モルさん、うさぎさん…」
「…いたちさんはどうする?」
「いたちさんかぁ…」
「あのくせがねぇ…」
「悪いひとじゃないんだけどね」
「アレ、我慢してくれるかな?」
「でも我慢は身体によくないし…」
450
「貴様は前科者だ!」
「うそつけ! おらは正直者だ!」
「貴様の斧のあとが足さきに残ってる!」
「足さき?その切り株のことか?」
「そうだ!」
「おらは山主にちゃんと酒を買ってる!」
「そんなら俺にはなぜ酒を買わんか!」
「買ういわれがない!」
「いやたくさんある!買え!」
「ない!」
451
………けがらわしい地球の陰影が
自分の顔にうつるとて…………
それを大勢の人間から見られるとて…………
…………身ぶるいして嫌がっている。
………しかし………
逃れられぬ暗い運命は…………
刻々に彼女に迫って来る。
大空のただ中に…………
……はじまった……
――彼女は誰? 何が始まった?
452
幸運の子が親切な人々の助力を得て、心の悪い王様の魔の手から生き抜く話がある。真の幸運とは、宝くじで一等が当たることではないかもしれない。なぜか、周りの人が助けてくれる、助けてあげたくなる…そのようなことではなかろうか。幸運とは人徳だ。見返りを求めないやさしさが人を幸運にするのだ。
453
姉妹は同じ人を好きになってしまった。姉は妹の幸せを思い、身を引いた。しかし、人を好きになった想いは、簡単には捨てらない。そんな姉の曖昧な態度が妹を苦しめる。――ハーレム系のラノベ、アニメ、ゲームが流行ってる?複数の人を愛し、複数の人に愛され、それを許容する時代が近づいている?
454
視力がいい人間は読書家だ。森鴎外、志賀直哉、芥川龍之介、横光利一、川端康成、小林秀雄――頭脳優秀な作家たちは、みんなメガネをかけていない。しかし、目がいいからといって頭脳優秀だとも才能豊富だとも限らないし、人より優れた読書家というわけでもない。ただ僕も目だけはいい(自惚れ)
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「プライドがなく、人間社会に屈服・隷属し、ご主人様のご機嫌とりばかりして嫌いだ!」って言うんだけど、そんなこときっとみじんも考えていなくって、ただひたすらになついてくる犬が、やっぱりかわいいんだろうなぁ、っていう話。「作家は編集者や読者に媚びるな!」って話かもしれないけど……。
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「同じような形をしてても、笛はいい音を鳴らすのに、かなづちは何の役にも立たない」と笛吹きは言った。
「同じような形をしてても、かなづちはなんでも作ることができるのに、笛はピロピロ鳴るだけじゃないか」と職人は言った。
笛吹きはかなづちで笛を砕き、工場ばかりの町へまっすぐ歩いて行った。
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だまされたくない、だからだまさない?詐欺にあいたくない、だから詐欺はしない?食べられたくない、だから食べない?他の生き物を食べるなら、他の生き物に食べられる覚悟を持つべきかもしれないけれど、だけどやっぱり食べられたくない。人間は食べるためなら何をしてもいいのか?って話。
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私はついに南堂伯爵未亡人のスキャンダルを掴んだ。伯爵未亡人は、町で見かけた美少年を次々自宅へ引き入れて、秘密の享楽を楽しんでいた。弁舌と文章に優れ、社会福祉事業にも力を入れ――今話題の人のスキャンダルは、さぞ世間の耳目を楽しませるだろう。私はこのネタを伯爵未亡人に五千万で売った。
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災害時、まさか自分が……と逃げ遅れてしまうのは正常性バイアス。他の人が逃げないから自分も逃げないのは同調バイアス。人を助けようとして一緒に巻き込まれてしまうのは他愛行動。これは「災害時、人間心理の相乗効果が被害を拡大してしまう」ことについて描かれているグリム童話……かもしれない。
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金花は南京に住む敬虔なキリスト教徒で、娼婦だった。悪性の梅毒にかかり、仲間から「客に移せば治る」と教えられるが、そんなことできない。ある晩、金花はキリストに出会い、朝目覚めると病はすっかり癒えていた。が、その晩、金を払わず逃げたキリスト似の男は発狂し、梅毒は完治する病ではない……
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