カタツムリノ ウタ/新美南吉=子どもも大人も何かを感じて。

狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

カタツムリノ ウタ-新美南吉-イメージ

今回は『カタツムリノ ウタ/新美南吉』です。

文字数500字ほどの童話。
狐人的読書時間は約1分。

王様は石の壁にカタツムリを見つけて、カタツムリの歌を思い出そうとして、思い出せずにイライラして、カタツムリを潰そうとするが…。小さな命の大切さ、母との思い出の切なさ。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

(今回は全文です)

『カタツムリノ ウタ/新美南吉』

アル アサ 王サマハ、石ノ カベニ 一ピキノ カタツムリヲ ミツケマシタ。カタツムリガ ツノヲ フツテルノヲ ミテ ヰルト、王サマハ、子ドモノ ジブン、何ダカ、カタツムリノ ウタヲ ヨク ウタツタ コトヲ オモヒダシマシタ。

「デンデン 蟲々 ツノ 出セヤ ダツタカナア」ト、イロイロ カンガヘタガ、チツトモ ソノ ウタハ オモヒダセマセンデシタ。

「オ前タチ、デンデンムシノ ウタ シラナイカ」ト、オソバノ モノニ キイテモ、

「シリマセン」ト イツテ クビヲ カシゲテ ヰマス。王サマハ、

「デンデン ムシムシ」ト クチノ 中デ イヒナガラ、ニハヲ グルリト マハツテ キマシタ。ソレデモ、オモヒダセナイノデ、トウトウ オコツテ、カタツムリヲ ツブシテ シマハウト シタ トキ、フツト オウサマノ ココロニ、

「デンデン ムシムシ ツノ フレヨ、夜アケニ、ヌストガ ヤツテ クル」ト イフ ウタガ、ウカビマシタ。ソレト 一シヨニ、ソノ ウタヲ、ヨク ウタツテ 下サツタ、ヤサシイ オ母サンノ コトモ オモヒダシマシタ。

ソコデ 王サマハ、カタツムリヲ ツブサナイデ、青イ ハノ 上ニ ソツト ノセテ ヤリマシタ。

狐人的読書感想

王様が石の壁にカタツムリを見つけて、「カタツムリの歌」を思い出そうとしますが、思い出せません。イライラして、ついカタツムリを潰してしまおう、などと考えてしまいますが、しかし、そのときふと、「カタツムリの歌」を歌ってくれたやさしいお母さんのことを思い出して――カタツムリにやさしくしてあげられたという、心温まるお話でした。

この短い物語は、子どもに「小さな命を大事にしよう!」ということを親が教えるのに、適しているような気がしました。

子どもの頃って、遊びで虫の命を奪ってしまったりすることがありますが、ただ「命を大切にしなさい!」と怒られても、「どうして命を大切にしなければならないのか?」、小さな子どもにはなかなか理解しがたいようにも思えるんですよね。

お母さんが歌ってくれた歌や、あるいはこういった物語を読み聞かせしてくれたことを、ふと思い出して、「小さな虫にもお母さんがいるだろうか、この虫の命を奪ってしまったら、虫のお母さんが悲しむかもしれない……」といったふうに子どもが考えられるようになれれば、すばらしいなと感じます。

一方で、大人が読んでも思わされるところのある、物語ではないでしょうか?

ちょっとしたことでイライラして、何かに八つ当たりしたくなることって、大人になってもあるような気がするんですよね。機嫌が悪くて他人に冷たい態度をとってしまい、あとで自己嫌悪に陥ってしまう……、みたいな? いつも平常心でいたいものですが、それがなかなかに難しいな、と日々感じていたりします。

想像を膨らませてみると「ひょっとして、王様のお母さんはすでに亡くなられているのでは……」ということも思いました。

この短い物語を読んで、やさしいお母さんのことを思い出して、切なくなる方もなかにはいらっしゃるかもしれません。

子どもも大人も何かを感じられる、とてもいい作品だと思いました。

読書感想まとめ

子どもも大人も何かを感じられる、とてもよい作品です。

狐人的読書メモ

・話は変わるが、カタツムリは創作のモチーフとして、とても興味深い生き物だと思う。生態など詳しく調べてみたいと思う。

・1950年(昭和25年)5月、『がちょうの たんじょうび』(羽田書店)にて初出。小さな命の大切さ、母との思い出の切なさなど、大人が読んでも子どもが読んでも、何かを思える作品である。

以上、『カタツムリノ ウタ/新美南吉』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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