金の毛が3本生えた鬼/グリム童話=愛されキャラってどんな人?

狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

金の毛が3本生えた鬼-グリム童話-イメージ

今回は『金の毛が3本生えた鬼/グリム童話』です。

文字数5600字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約18分。

幸運の子が、親切な人々の助力を得て、心の悪い王様の魔の手から生き抜く話。幸運とはくじ運の良さじゃない。人徳だ。見返りを求めないやさしさが愛されキャラを生むのだ。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

昔、一人の貧しい女が男の子を産んだ。男の子には羊膜(幸運のしるし)がついていたので、十四歳になると王様の娘を妻にするとの予言がされた。

そのことを伝え聞いた王様は、貧しい者の子に娘をやれるかと激怒した。すぐにその両親のもとへ行くと、子供を引き取って育てたいと嘘をついた。金銭の支払いもあり、貧しい両親は子供の幸運を信じ、これを承諾した。

王様は子供を箱に入れて川へ投げた。

しかし箱は沈むことなく川を流れ、やがて水車に引っかかり、粉屋の夫婦に拾われて、大切に育てられた。

子供が十四歳になったとき、王様がたまたま水車小屋を訪れる。ふと目にした若者について粉屋の夫婦に聞くと……自分が川に捨てたあの子供に違いない。

王様はお妃様宛の手紙を書き、それを若者に運んでもらえるよう頼む。若者は手紙を持って出発する。その手紙には「この手紙を持ってきた若者を亡き者にせよ」との命令が書かれていた。

夜、若者は道に迷って大きな森に入る。森には小屋があり、中には老婆がいた。老婆は「ここは泥棒の家だ」と若者に警告するが、疲れていた若者はかまわずそこで眠ってしまう。

泥棒たちが帰り、若者を見て怒る。留守番の老婆から話を聞き、若者が持つ手紙を見ると……王様の恐ろしい命令が書かれている。泥棒たちは若者を哀れに思い、手紙を書きかえて若者に持たせてやる。「この手紙を持ってきた若者を姫と結婚させるように」

手紙を読んだお妃様は、若者とお姫様を結婚させた。若者とお姫様は幸せに暮らした。やがて宮殿に帰ってきた王様はそのこと知って驚く。

怒り狂った王様は無理難題を若者に押しつける。「姫と結婚する者は、鬼の頭から三本の髪の毛を取ってこなくてはならない」

旅に出た若者は、大きな町の門番に問われる。「ワインが湧き出していた市場の泉が涸れてしまった。どうしたらいいだろう?」。若者は帰りに答えを持ってくると約束する。

また別の町では「金のりんごのなる木にりんごが実らなくなってしまった。どうしたらいいだろう?」。若者は帰りに答えを持ってくると約束する。

また広い川の渡し守にはこう尋ねられる。「渡し守から解放されるにはどうしたらいいのだろう?」。若者は帰りに答えを持ってくると約束する。

川を渡してもらった若者は、ついに地獄の入り口に辿り着く。そこでやさしい鬼のおばあさんに出会い、事情を話すと、恐ろしい鬼から髪の毛を取る手伝いをしてくれるという。おばあさんは若者をアリに変えて、自分の服の折り目に隠した。

夜、鬼が帰ってきた。鬼は夕食を食べて、おばあさんの膝の上に頭を乗せて眠る。おばあさんは三回、鬼の頭から金の髪の毛を抜き、鬼が怒って起きるたび、夢を見て寝ぼけていたのだととぼける。その夢とは、若者が旅の途中で人々から問われた質問だった。鬼はおばあさんから夢の話を聞き、その夢の謎解きをする。

翌日の朝、鬼がまた出かけてしまうと、おばあさんは若者を元の人間の姿に戻して、鬼の三本の髪の毛を渡す。若者はお礼を言って地獄を去る。

川の渡し守に川を渡してもらうと、若者は鬼から聞いた質問の答えを教える。「つぎに誰かが川を渡してもらいにきたら、その棹をその人の手に渡せばいいよ」

金のりんごの町では「木の根をかじっているネズミを除けば、またりんごが実るよ」

ワインの泉の町では「泉の中の石の下にいるヒキガエルを除けば、またワインが湧いて出るよ」

若者は二つの町でお礼の金とロバを二頭ずつもらい宮殿へ帰る。王様は鬼の三本の髪の毛を見て、ついに若者のことを認め、金を積んだ四頭のロバを見て、どこで手に入れたのかを尋ねる。

若者は王様に言う。「川に渡し守がいますから、川を渡してもらってください。向こう岸にたくさんの砂金がありますよ」

王様はさっそく渡し守のところへ向かう。そして向こう岸に渡ると、渡し守に棹を押しつけられてしまう。王様は、若者にした数々の仕打ちの罰として、以後渡し守をしなければならなくなった。

狐人的読書感想

幸運の子の冒険譚といった感じですかね。

いろいろな場所で出会ういろいろな人からの助けや助言で困難を乗り越えていくあたり、なんだかゲームのロールプレイング的で楽しかったです。

さて、幸運といえば何をイメージするでしょうか?

僕は宝くじが当たったりするような、くじ運の良さ、みたいなものを真っ先にイメージしてしまうのですが、いい人たちに出会い、その人たちから助けてもらえるというのも、たしかに得がたい幸運だと思わされます。

こういうのも人徳とかいうんですかね?

なぜか、周りの人が助けてくれる、助けてあげたくなっちゃう人って、現実にもたしかにいるような気がします。

なんだか頼りないというか、見ていられないというか、そういう人(愛されキャラ?)の醸し出している雰囲気が幸運、というか、一つの才能のように感じられることがあって、羨ましく思っちゃうんですよね。

人を助けたり、助けてもらったりするというのは、単純なことのようでいて、じつはとても難しいことなのではないでしょうか?

とくに他人との人間関係の場合には、損得感情が強く働いてしまうような気がしています。

ここでこの人にどんな対応をしたら、どんな損をするだろうか、あとでどんな得があるだろうか、周りの人たちにどんなふうに思われるだろうか……みたいな、そんなことを考えてしまうのは僕だけ?

この童話で幸運の子を助けてくれる人たち――粉屋の夫婦、森の老婆と泥棒、地獄の鬼のおばあさんは、本当に親切や哀れみの気持ちから幸運の子を助けてくれているように思われ、実際に見返りを得たりはしていないです。

人間の本当のやさしさとは、こうした見返りを求めないやさしさだと考えるのですが、真実それを行うのは本当に難しく感じてしまいます。

実際、子どもの道徳教育でも、「いいことをすればいいことが返ってくるよ」なんて、教えられたりしますもんね。

彼らのように見返りを求めずにやさしくできる人間になりたいと願いますが、僕には絶対無理だろうなって気にもなります。

しかし、見返りを求めずにやさしくできる人間こそが、愛されキャラなのだとしたら、僕は僕が羨む愛されキャラにも、絶対になれないことになってしまい、では愛されキャラになるためにも、見返りを求めずにやさしくできる人間にならなければならないのですが、そんな損得感情を考えている時点で、いやいやもう絶対無理でしょ、って感じですよね……。

せいぜい悪い心の王様にだけはならないようにしたいと願うしかない、今回の読書感想でした。

読書感想まとめ

愛されキャラってどんな人?

狐人的読書メモ

・幸運の子は愛されキャラであると同時に主人公体質でもあると思う。主人公体質と呼べそうな人も、現実世界にたしかにいるように思える。カリスマっていうのか……そういうものの不思議を漠然と思う。

・『金の毛が3本生えた鬼/グリム童話』の概要

KHM 29。RPG的な童話。愛されキャラと見返りを求めないやさしさについて考察。とはいえ、世の中そんなに甘くないと考えてしまう、ひねくれものの自分もいたり。

以上、『金の毛が3本生えた鬼/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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