小説読書感想『コレラの時代の愛』初恋を貫く51年9か月と4日!

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「Google コンソール」というツールがあって、検索アナリティクスという、自分のサイトがどういった検索ワードで検索表示されたかがわかる機能があるのですが、たまに、なんで!?と思わされるキーワードがあるのです。

本日は『失いたくない 彼女』

失いたくなくとも叶わぬ恋はあるものなのです!

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。
(「『狐人』の由来」と「初めまして」のご挨拶はこちら⇒狐人日記 その1 「皆もすなるブログといふものを…」&「『狐人』の由来」

しかし男は女を待ち続けた。

その期間、
なんと、
51年9か月と4日……

というわけで!(どんなわけ?)

今回の小説読書感想は、
G・ガルシア=マルケスさんの
『コレラの時代の愛』
について書いてみたいと思うのです。

G・ガルシア=マルケスさんは、
コロンビアの作家さんです。

代表作といえばやはり、
『百年の孤独』

現実と幻想の間にある、
高い壁を打ち壊した文体。

一年半の間、
部屋にこもりきり、
タイプライターを叩き続け、
着想から20年を経て、
1967年に完成させた作品。

スペイン語圏の国々で、
瞬く間に話題となり、
各国で翻訳されるや、
たちまち世界的なベストセラーになりました。

じつはまだ未読なのですが、
近々ぜひ読みたいと、
思っている小説なのです。

1982年、
ノーベル文学賞を受賞!

『コレラの時代の愛』『百年の孤独』
はともに2002年、
ノルウェー・ブック・クラブの
「世界傑作文学100」に選ばれています。

ではそろそろ、
『コレラの時代の愛』
のあらすじを。

この物語は、
ふたりの男女、
それぞれの愛を描いている。

ひとりは、
不慮の事故によって夫を亡くしたばかりの女。

72歳のフェルミーナ・ダーサ。

もうひとりは、
彼女への初恋を胸に抱き続け、
独身を貫き通してきた男。

76歳のフロレンティーノ・アリーサ。

夫の葬儀が営まれた夜、
男は女の前に現れ、
変わらぬ愛を告白する。

女は男の不躾な態度に、
怒りをつのらせ、
拒絶するも……

時は遡る。

フロレンティーノ・アリーサは17歳、
当時は貧しい郵便局員だった。

ある日配達に行った裕福な商人宅で、
13歳のフェルミーナ・ダーサに一目ぼれしてしまう。

彼女を一目見ようと、
近所の公園に足しげく通い、
想いを綴った手紙を渡すも、
はじめは一顧だにしないフェルミーナ・ダーサだったが。

彼のアプローチに、
初心な少女は次第に心を惹かれ、
やがてふたりは恋し合うように。

しかしそれを知った彼女の父親は、
娘を名家に嫁がせたい。

ふたりの仲を引き裂くため、
娘を無理矢理引っ張って、
1年半の旅に出かける。

ようやく旅から戻ったフェルミーナ・ダーサは、
フロレンティーノ・アリーサを一目見ると、
以前の恋が去ってしまったことに気づき、
フベナル・ウルビーノ博士に見初められ、
彼との結婚を決めてしまう。

失意の底に叩き落されたフロレンティーノ・アリーサだったが、
この恋を成就させるため、
どれだけ時が過ぎようとも、
彼女を待ち続けることを決意する。

一度は惹かれ合ったふたりが、
それぞれに歩む別々の人生。

その果てに辿り着いた愛の結末。

僕がこの小説で、
一番印象に残ったのは、
現実的なフェルミーナ・ダーサと、
幻想的なフロレンティーノ・アリーサの対比。

フェルミーナ・ダーサを、
簡単に言い表すなら、
お高くとまったお嬢様。

自分の成長とともに、
少女時代の恋心がじつは幻のようなものだったことを知り、
結局は富も名声も兼ね備えた、
より魅力的に思える男性を夫に選んでしまう。

一方のフロレンティーノ・アリーサは、
恋する人を明確に失ったにも関わらず、
いずれ恋が成就する日を信じ、
51年9か月と4日という永い時をひたすらに待ち続ける。

女性はリアリスト、
男性はロマンチスト、
とよく言われますが、
まさにこれを象徴しているようなふたりのキャラクター。

しかし、
フロレンティーノ・アリーサの在り様は、
ロマンチストの一言で済ますにはあまりに非現実的に思える。

一見すると、
『コレラの時代の愛』は、
ひとりの男性が50年以上、
ひとりの女性を愛し続ける、
荒唐無稽なありえない物語に思えるかもしれません。

ですが!

このありえない恋物語を、
あたかも現実にありうる物語として描き切っている、
G・ガルシア=マルケスさんの手法は見事というしかありません。

独立から40~50年が経ち、
没落する上流階級や新興成金の内部事情をつぶさに描き、

時の流れとともに、
文明の利器・電話、電信が普及していく様子、

当時の医学、
とくにタイトルにもあるコレラへの措置、

などなど、

その時代のその場所を細部まで丁寧に描くことで、
この小説を現実的な物語に昇華している。

その手法、
二度目になりますが、
見事というしかありません!

以下は解説からの引用になりますが、
小説を書くことを志す者として、
とても学ばされました。

永遠の愛というのは存在すると言った後、彼はこう続けている。

こういうストーリーは、現実というのはどの程度までたわめ、ゆがめることができるのか、本当らしく見える限界というのはどのあたりにあるのかといったことを知ることができるので、わたしは大好きなんだ。本当らしさの限界というのは、われわれが考えているよりも広がりのあるものなんだ。ただ、そういう限界があることはわきまえておかないといけない。

G・ガルシア=マルケス著, 木村榮一訳(2006)『コレラの時代の愛』新潮社,p519 .

小説家になろう・エブリスタ・カクヨム・アルファポリスなど、
ネット小説投稿サイトで小説を書く仲間たちにも、
ぜひ読んでほしい小説!

とくに恋愛小説を書かれる方には、
参考になる部分が多いのでは、
と思う次第なのです。

もちろん、
小説を読む小説仲間たちにもおすすめ!

よかったらぜひ、
ご一読あれ!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それでは今日はこの辺で。

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