文放古/芥川龍之介=その不満はちゃんと努力してから言ってますか?

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

文放古-芥川龍之介-イメージ

今回は『文放古ふみほご/芥川龍之介』です。

文字数5000字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約13分。

意識高い系の社会批判は、自身の努力と比して説得力がない? しかし努力がいつも結果に結びつくとは限らず、逆もまたしかり。結局結果を出した者の言うことだけが説得力を持つということ?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

わたしがたまたま拾った書き損じの紙、それはある女性が女友達に宛てて書いた手紙で、つぎのような一行があった。

『芥川龍之介と来た日には大莫迦おおばかだわ』

怒り心頭に発したわたしがその内容を確かめてみると、そこには彼女の社会に対する不平不満が綴られていた。

結婚しないわけにはいかないがつまらない男とは結婚したくない。しかし世の中にはつまらない男しかいない。一生独身のまま生きていくにしても自活の手段がない。学校では自活に縁のない勉強しか教えてくれなかった。芥川の短編『六の宮の姫君』は、ひとりで生きるために自活の道を探そうともしなかった姫君を批判しているが、これは作者の不見識だ。自活に縁のない教育を受けたあたしたちはどのくらい熱烈に意志したにしろ、実行する手段はない。あたしはその短編を読んだときほど芥川龍之介を軽蔑したことはない。

わたしはもちろん彼女を軽蔑した。彼女は不平不満を言うばかりで、それでも自活のための努力をしているようには見られない。不平不満を言う暇があったら少しでも自活のための努力をすべきであるが、しかしまた彼女に対して何かしら同情を感じるのも事実である。彼女は不平を重ねながら結局はつまらない男と結婚し、そののちは一般的な妻に変わるだろう。わたしがその文放古ふみほごを放り込んだ机の引き出しの奥には、私自身の夢も、いくつかの本や手紙と一緒に色を黄ばませている。

狐人的読書感想

『六の宮の姫君』について触れられていたので、前に書いた読書感想を読み返してみましたが、当時の僕も六の宮の姫君には同情的な見方をしていたみたいです。

むかしの女性の社会進出はいまよりも難しかったという点を同情的に見たわけですが、しかし芥川龍之介さんの言うとおり、それでも自活への努力をしなければ非難されても仕方がないのかもしれませんね。

努力してもダメで、もうどうしようもなくて社会に不平不満を言うのなら説得力も多少はあるのかもしれませんが、なんの努力もしないで不平不満を言うだけでは説得力ないなあ……、みたいな。

しかし社会に対する不平不満ってどうしても言ってしまうんですよね。それは税金を払っているからかもしれないし、政治家がおかしなことばかり言ったりやったりしているからかもしれません。

いずれにせよ、不平不満に説得力を持たせるには、自分自身夢を持って努力しなければならないのだけど、それができていると自信を持って言えないところが、やっぱり身につまされる感じがしました。

自分では努力しているつもりであっても、結果が伴わないこともしばしばだし、そうなってくると自分は本当に努力しているのだろうか、と疑問に思えてきたりします。

そうすると文放古の女性のように「学校が自活に役に立たない勉強ばかり教えるから悪いんだ!」みたいなことも言ってみたくなりますが、やはり自分の言うことに説得力を持たすことができない気がしてしまいます。

こういうのって最近では「意識高い系」とか言われちゃったりするんですかね?

昔のようなお見合いじゃなくて自由に相手を選べるようになった現代でも、親が子供に代わってお見合いする「代理婚活」なんか流行ったりしてますしね。

時代が進んでも人の悩みはなかなか変わらないんだなあと思った、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

その不満はちゃんと努力してから言ってますか?

狐人的読書メモ

・「文放古」の意味が分からなかったが、どうやら「文『反故』」のことで、手紙の書き損じを表した言葉のようだ。

・『文放古/芥川龍之介』の概要

1924年(大正13年)『婦人公論』にて初出。当時の女性の社会進出についての不満、それに対し、努力をしているのかという著者の批判(自己批判)などが描かれている。『六の宮の姫君』について触れられているため、この作品を論じる際にも取り上げられる作品とのこと。

以上、『文放古/芥川龍之介』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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