舞踏会/芥川龍之介=「女人禁制騒動」&「国際恋愛もいいよね!」

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

舞踏会-芥川龍之介-イメージ

今回は『舞踏会/芥川龍之介』です。

文字数5500字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約19分。

文明開化の頃、舞踏会を訪れた少女と、フランス人将校の淡い恋物語。華やかな場面が見え、軽やかな音楽が聞こえる、芥川中期を代表する名品。失われていくものと変えていくべきもの……

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

1886年(明治19年)11月3日の夜、当時17歳の明子は生まれて初めて、父と一緒に鹿鳴館の舞踏会を訪れる。舞踏室までの階段は大輪の菊の花で飾られていて、行き過ぎる男性はみな、初々しい薔薇色の舞踏服を着た少女に目を奪われる。

明子はこの舞踏会で、あるフランス人将校に踊りを申し込まれる。ワルツの後、二人はアイスクリームで熱い体を冷ましながら、会話をする。

「西洋の女性は本当にお美しくございます」
「日本の女性も美しいです。とくにあなたは――」
「私もパリの舞踏会へ行ってみたいですわ」
「舞踏会はどこでも同じことです」

彼の瞳の底に皮肉な微笑の波が動く。

星月夜の露台に出ると花火が上がる。

「お国のことを思っていらっしゃるの?」
「私は花火のことを考えていたのです。我々のヴィのような花火のことを」

半ば甘えるように尋ねる明子に、彼は優しく教えるような調子で言うのだった――。

1918年(大正7年)の秋、いまや老夫人となった明子は、鎌倉の別荘へ赴く列車の中で、乗り合わせた青年小説家が菊の花束を持っているのを見て、思い出話を語る。

「ではその方が、あの『お菊さん』を書いたフランス人作家の、ピエール・ロティだったんですね!」
「いえ、ジュリアン・ヴィオとおっしゃる方よ」

興奮気味に尋ねる青年小説家に、彼の筆名を知らない夫人は、不思議そうに答えるのだった。

狐人的読書感想

単純な感想になってしまいますが、すごく雰囲気のいい小説だと感じて、とてもいいと思いました。「芥川龍之介の中期を代表する名品」として、評価も高いようですね。

ちょうど文明開化の頃が描かれているようで、タイトルの『舞踏会』にも代表される新しい西洋文化が入ってくることで、失われていく古い何かを寂しく思うような印象を受けます。

フランス人将校が西欧化する日本文化を寂しく見ていたのだろうか?――などと考えてみると、当に西欧化し切ってしまった現代でも、なんだか思わされるところがあるんですよね。

最近は、「大相撲の女人禁制騒動」が賑やかに取りざたされていたりしますが、古い文化や伝統を変えていくというのは、本当に難しいという気がします。

古いというか歴史があるというか、あるいは習慣化しているものごとって、なんだか変えたくないような心理が働いてしまいますよね。

たとえば仕事や勉強のやり方であったり、普段生活の中で使っている日用品であったり――慣れ親しんだものだからこそ、変えたほうが良くなるだろうとはわかっていても、変えられなかったりするんですよね。

だけどたいていの場合、変えてみて「完全に悪くなった」と思えることって少ないような気がします。悪くなったところもあるにはあるけれど、全体としてはやっぱり良くなっているといえることのほうが多いように思います。

古いものにも新しいものにも、良い所と悪い所があって、どちらのほうがより多くの人に受け入れられるのか、というところが、この問題では重要なのかもしれません。

大相撲の女人禁制騒動も、相撲を日本という国の限られた人の中だけでやっていくのであれば、別に変わらなくたっていいのかもしれませんが、世界中の人々にひとつのスポーツとして楽しんでもらいたいのであれば、変えるべきところは変えなければならないのだと感じます。

この小説の中でも、ロティは西欧化しつつある日本を、あるいは懐疑的に捉えているのかもしれませんが、日本が西洋の文化を取り入れようとしたことで、ロティは日本を訪れることができ、明子と出会えたと考えるのならば、新しいものを取り入れて変わっていくことは悪いばかりではないのだと思えます。

国際恋愛もいいよね!――みたいな?(違う?)

……う~ん、作品の主題とはちょっと離れた感想になっているかもしれませんが、そんなことを思った、今回の読書でした。

読書感想まとめ

「女人禁制騒動」&「国際恋愛もいいよね!」

狐人的読書メモ

・フランス人の海軍将校またはフランス人作家のロティが紳士的でいいね、とか思ったのだけど、実際には日本人と日本を蔑視していたという話もあり、なんだかちょっとがっかりしてしまった。

・『舞踏会/芥川龍之介』の概要

1920年(大正9年)1月、『新潮』にて初出。フランス人海軍将校と日本人女性の淡い恋の物語で、作中のフランス人海軍将校また作家のピエール・ロティ著『秋の日本』の中の一章「江戸の舞踏会」をモチーフとしている。まさに「舞踏会」の華やかな場面が見え、軽やかな音楽が聞こえてくるような名品。『夜来の花』収録時にオチの部分が改稿されている。狐人的には改稿後のほうがよいと思える。

以上、『舞踏会/芥川龍之介』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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