コンにちは。狐人 七十四夏木です。
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【140字の小説クイズ!元ネタのタイトルな~んだ?】
のまとめ。
その8。
文学作品の印象的な部分をピックアップ。
これで元ネタがわかれば凄い、という趣。
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元ネタの読書感想に飛びます!
141
この世には文字の霊が存在している。その証拠をご覧に入れよう。一つの文字を、たとえば「あ」という文字を、長くじっと見つめてほしい。そのうちに異変が起きるはずだ。その文字がバラバラになって、意味のない一つ一つの線の交錯としかわからなくなってくるだろう。これぞ文字の霊の仕業に相違ない。
142
美しさは罪ね。私が7歳のときだった。お母様は私の肺と肝臓を塩茹でにして食べたの。猪のものとも知らず。おぞましい。おぞましいといえば王子様。あの〇リ〇ンネ〇ロフィ〇ア。背中を蹴った召使もムカつく。でも我慢。だってこれで復讐できる。さ、お母様、真っ赤に焼けた鉄の靴をお履きなさいな。
143
彼女の肌はブラシで洗うとすぐ穴が開いてしまう。鼻にはセメントが詰められている。タンクのパイプは動脈硬化症気味。よぼよぼの老女なのに若い屈強な男が大好き。今日も彼らを上に乗せて大海原をいく。ある日、彼女は痛風にかかる。男たちは全員ミイラになってしまった。彼女はいまもどこかの海を――
元ネタのタイトルな~んだ?
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144
私たち3人は工場でヤケ酒を飲んでいたのだが朝になってみると屋敷が亡くなっていてどうやら危険な薬品を水と間違って飲んでしまったらしいのだが一緒に飲んでいた同僚の軽部が疑われていてだけど軽部よりも私のほうが屋敷を怨んでいたのではないだろうか私にはわからないのだが薬品のせいで頭がおかし
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145
どなたもお入りください。遠慮なんていりません。太った方、お若い方大歓迎。当軒は注文が多いですがご承知ください。帽子とコートと靴を脱いでください。財布、ケータイ、その他貴金属や貴重品はこちらへ。その壺のクリームを顔や手足に塗ってください。その香水を……あれ、気づいちゃったかにゃ?
146-A
日光浴は、肺結核の私の血行を促進して、楽な気分にしてくれるのですが、私は太陽を憎んでいるのだといいます。日が沈めば、また病気の苦痛が私を襲うからです。早く楽になりたい。それは延命治療の副作用の苦痛にも、通じている気がしました。「がんばって」など、励ましの言葉は、ときに拷問となる?
146-B
夏の蠅はうっとうしいほど元気だけれど、冬の蠅は元気ない。普段うっとうしいのに元気ない。それはちょっとだけ寂しいことのようにも思いました。(蜘蛛が)小さな天女! という描写がなんかいい。運命と才能の小説。「梶井基次郎の最高傑作」との呼び声も高い、近代日本文学の名作です。
147-A
……カリカリカリカリ。
うまい絵が描けない。
「この鉛筆が悪いんだ!」
カリカリカリカリポキッ。
「この鉛筆が悪いんだ!」
ボキッ!!!
「……ペンタブ買うか」
『あなたの心をもっといいのに
とりかえなくちゃね』
――折られた鉛筆はそう言った。
147-B
鉛筆のシンじゃないと、読み取り機が読み取らない可能性があるので、マークシートの試験ではシャーペンの使用が禁止されるそうです。だけどこれ、現代技術ならばすでに解消できるのではなかろうか……、などとうがった見方をしてしまい、こういうのほかにもあるよなあ、とか思ってしまうのは僕だけ?
147-C
ただ、ほかにも鉛筆のなくならないであろう理由があって、それは絵を描くときにはやっぱり鉛筆が描きやすい、という意見がけっこうあるのだとか。絵を描かれる人は共感できますか? 最近はパソコン・ペンタブ・ペイントソフトの3種の神器なんてものももてはやされているようですが……。
148-A
サヨナラの挨拶をしてないわ、私もサヨナラの挨拶をして、胸を突き刺してほしかったのに……、好きなものはのろうか、その命を奪うしかないのよ……、夜長姫は笑って目を閉じた。――純粋な、あまりにも純粋な残酷性というものは、人を魅了してやまない。こんなふうに思ったことのあるあなたは立派なヤ
148-B
オレは一心不乱に夜長姫を見つめた。なぜならそれは師匠がオレに、常にいい聞かせていたことだったから。師匠はそのまた師匠にそういわれ、そのまた師匠のそのまた師匠のまたまた昔の大昔の大親の師匠の代から順ぐりにそういわれてきた。『珍しい人や物に出会ったときは目を放すな』――芸術家のための教訓。
148-C
耳男は「馬にそっくりだわ」と夜長姫に笑われて、頭に血がさかまいた。侍女たちも声をたてて笑った。耳男は人々に耳のことを言われたときほど逆上し、混乱することはなかった。血が上体にあがり、たちまち汗がしたたった。――誰にでもコンプレックスのひとつやふたつあるものです……、ですよね?
149
お金ばかりではなく、楽しさややりがいを見出すこと。失職の恐れが人から正常な判断力を奪うということ。そして古い商売に固執してはならないということ。YouTuberをどう思う? おじいさんのランプにまつわる昔話にはたくさんの教えが含まれています。童話ですが仕事をする大人におすすめです。
150
ご褒美に貴方の小指をください、私は女が一生に一度と思う事をしたのだから。お澄はゲス次郎の…、いえ、雪次郎の軽率な嘘を信じてすべてをうしなった、ただ一瞬の恋のために。いくら浮かれても、軽率な言動で、女性の純情を踏みにじってはダメ。まあ、ちゃんと小指を差し出した点だけは評価しますが。
151
あなたの心に浮かぶ秋はどんな秋ですか? 秋という字の下に心をつけて、愁と読ませるのは、誰がそうしたのでしょう、よく考えたものです。秋の夜明けの美しさ、その寂しさは街灯に集まる秋の暈、部屋に金木犀の香りはすでになく、黄色い花びらが床に落ちる、そんなもの悲しい秋ですか? …え? 食欲の秋?
152
タイトルが長いです。読んで、『ホロタイのタネリ』とでもしたいような、ジブリっぽさを感じたのは僕だけ? ホロタイはアイヌ語で「大いなる森」の意味です。タネリが男の子か女の子か気になりました。一人称が「おいら」の女子いる? 仕事をダメにしたタネリへのお母さんの温かさが印象に残りました。
153
秋。長く床に伏している妻は、洗濯がしたいと夫に言います。あなたにもっと恩を返してから逝きたい。冬。妻の「檻の中の理論」が夫を苦しめます。なぜいつもそばにいてくれないの、ほかの女と遊びたいのでしょう。妻は見えなくなるだけ……、永遠の別れを覚悟した夫婦のもとに、春は馬車に乗って……。
154
猫と鼠が一緒に暮らしはじめた。二匹は冬の備蓄のためにおいしい油を隠した。そして冬が来る前に猫がその油を全部食べてしまった。鼠は当然ながら怒った。猫は鼠を呑み込んだ。所詮この世は弱肉強食、強い者に逆らった者は必ず破滅する、長い者には巻かれろ! ……世の中こんなものですね、って(汗)
155
あなたは巡査です。恋人がいます。すぐにでも結婚したいと思っています。だけど恋人の保護者がそれを絶対に許しません。頼みに行くたび嫌味を言われ嫌がらせをされました。憎くて憎くてたまりません。いまあなたの目の前でその人が溺れています。あなたならどうする? 職務に忠実な八田巡査の生き様。
元ネタのタイトルな~んだ?
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156-A
非常な秀才でしたが、移り気のために生涯まとまった仕事を残せず、気に入らない者は寄せつけず、最期まで世と人を罵り続けて逝った伯父さんを描いた小説です。実際の著者の伯父さんがモデルになったといわれています。昭和のカミナリおやじや偏屈な頑固爺といった人たちは、最近見られなくなりました。
156-B
たとえば、お母さんがお父さんのいやなところを挙げ連ねて、「あなたはお父さんそっくりね」と言われ続けて、それでお父さんに近親憎悪の感情を抱くようになった、というような経験はありますか? 近親憎悪の感情は、振り返ってみれば幼稚だったな、と思えることも多いようです。大人になる小説です。
157-A
河霧の中に消えた豊吉は何を思った? これは帰郷小説です。みなさんは夢を持っていますか? 文学においては「立身出世の思想」と「故郷回帰の幻想」とは切っても切れぬ関係にあります。人は夢を持って生き、夢破れても生きねばなりません。夢破れても慰めてくれる故郷が、あなたにはありますか?
157-B
河霧の中に消えた豊吉は何を思った? 夢破れて帰郷した豊吉に、家族も故郷の人たちもとても親切でやさしかった。誰も味方のいない都会で失敗したのは、自分ばかりのせいではなかったかもしれない。豊吉はしみじみ思いましたが、はたしてそうでしょうか? 叶わなかった夢の責任は、誰もとってくれません。
157-C
河霧の中に豊吉が消えたのは、みんなの協力で新しい道が開けた、その矢先でした。夢破れたダメージというのは途方もないものです。周囲の人の同情が心を傷つけ、やさしさは心に苦しいのです。ほっ、としたときに襲う虚無感と絶望。夢破れても前向きに生きる、覚悟と心の強さを読書で養いませんか?
158-A
リスペクトする人(マンガ家、アニメ・映画監督、俳優・女優、アイドル・モデル、歌手等)が逮捕された。偶然手にした重要な証拠、この一枚の切符があれば、尊敬する人の無罪を証明できるかもしれない、となったとき、あなたならどうする? 打算も含めてお答えください。ニヤリ( ̄ー ̄)ノ└□-□┘
158-B
一般的に江戸川乱歩の処女作は『二銭銅貨』ということになっていますが、じつはこの小説もほぼ同時期に書かれて一緒に投稿されています。あまりに出来が良かったので、海外ミステリーを翻訳したものではないか、と疑われてしまい、その確認のため雑誌掲載が遅れてしまった江戸川乱歩もう一つの処女作。
159-A
『親友交歓』では「こいつ本当に親友か?」と疑ってしまいましたが、この小説では本当の親友慶四郎君が登場して戦争体験を語ります。それは負傷兵の療養先、伊豆の伊東温泉でのこと、気になる女の子ツネちゃんにまつわる話なのですが、妻子がいるのに他の女の子が気になっちゃうなんて駄目ですね……。
159-B
むしゃくしゃして衝動的に、ツネちゃんの膝を射的の空気銃で撃ってしまった。幸いケガは大したことなかったけれど、駆けつけてきたツネちゃんのお父さんの、憎々しげな目が忘れられない。何があっても普段そんなことは絶対にしない、戦争の空気に酔っていたんだ。戦争は、君、たしかに悪いものだ。
160
人間は堕落する。人間だから堕落する。人間は脆く、愚かで、弱いからこそ心の拠り所を求める。それでいい。ただしそれは誰かに与えられるものであってはならない。自分自身で見出したものでなければならない。生きよ、堕ちよ、正しく堕落せよ。――いまがんばりすぎているあなたに読んでほしい。
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