コンにちは。狐人 七十四夏木です。
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【140字の小説クイズ!元ネタのタイトルな~んだ?】
のまとめ。
その18。
文学作品の印象的な部分をピックアップ。
これで元ネタがわかれば凄い、という趣。
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回答は、
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元ネタの読書感想に飛びます!
341-A
父が急に亡くなった。大学を出たばかりの私が父の工場を受け継ぐしかなかった。生まれて初めての実地作業の指示。若い、新米の主人に対する職工達の目は冷たい。突然、クレーンに釣られた溶鉱炉が、私の背後から迫り――私はなんとかそれをかわした。くっくっく……工場全体の嘲笑が聞こえた気がした。
341-B
私はパイロット。皆止めたが、そのT11に乗る。そのT11に乗ると空中で搭乗者だけ行方不明になるという。上等だ。二千五百の高度。静かなプロペラ。好調子なスパーク。青空。太陽。層雲の海。最高のフライトだ!…ん?前方に飛行物…T11!?まずい!……くそっ!パラシュートが開かない!……
341-C
未来の人類はアンドロイドに支配される。iPhoneも凄い?いや、スマホじゃなくて、ロボットのほう。彼らはアイドルや俳優みたいなイケメン、美女ばかり。まさにスマホみたいに、一人に数台のアンドロイド時代がくる。人間は人間を愛さなくなる。そしていつかアンドロイドだけの世界がやってくる。
341-D
私は精神病院の檻の中にいる。「ここから出せ」私は叫ぶ。「ダメだ。お前は私の大切な研究材料だ。完全に発狂させて、その経過報告を学位論文に書くんだ」檻の外にいる、病院の医務局で勉強している、かつての私が言う。私は檻の間から私に一撃喰らわせる。「ハッハッハッ…ざまあみろ…アハアハアハア
341-E
警察の要請を受け、私は沈没したオーラス丸を探している。潜水服を着た私に七本の海藻が語りかけてくる。オーラス丸は沈んでいない。積んでいた金貨ごと水夫長と乗組員たちに奪われたのだ。その際、船長夫婦とその一人娘、船長に忠実だった水夫が四人、海に沈められた。私は――首謀者の水夫長だった。
341-F
世界は涯の涯まで硝子でできている。私はスケートの秘術で奴から逃げている。振り返った彼方のビル、血に染まる一室。奴が追ってくる。名探偵。が、もう追いつけるはずがない。私は後ろ向きに滑りながら挑発する。と、足元の地面が消える。私は無限の虚空に真っ逆さま。名探偵の顔。笑ってやがった……
342
ゴルゴタの丘へひかれていくキリストが、家の前で立ち止まると、彼はキリストを罵り、打擲を加える。キリストは「私は行く。おまえは私の戻るまで待て」と彼を呪う。以来、彼は不死者となり、審判の日が訪れるまで、いまも世界のどこかを、彷徨っている。それは『魔法使いの嫁』の世界かもしれない。
343
泉鏡花が中国の怪異譚を、紐解いてるみたいなんだけど、絵の中に入れる怪異が登場するんだ。絵の中に入りたいって、思ったことない?いやいや、別に絵画だけじゃなくてさ、漫画やアニメやゲームだって、絵でしょ?あ~あ、現実なんて…漫画やアニメの世界に行きたいなーって、よく思っちゃうんだよね。
344
江戸川乱歩のこの小説には、とある宗教団体が登場するんだけど……え?教団X?1Q84?いや、江戸川乱歩って言ってるじゃん!まあいいや。で、その宗教団体の支協会の主任がやり手でさ、信者や寄附金を集めるのがうまいの。宗教にも商才が要るって話なんだけど……あれ?これ何の話してるんだっけ?
345
昨日は戦争で、今日は家も家族もなくなってて、明日は行方不明の家族と再会できる――昨日今日が絶望でも、明日に希望を見る小説なんだわ、これは。正直者が馬鹿を見る世の中だ、っていうじゃん、でもさ、やっぱ正直者には幸せになってもらいてーじゃん――そう思える小説なんだわ、これは。
346
ご近所トラブルの小説なんだわ、これは。大庭家はご主人が会社員で、老母と妻とその妹、七つの娘と女中の六人家族。隣の家は物置同然で、働かない植木屋の夫と妻の二人暮らし。植木屋の妻は度々大庭家の物をくすねてて、それがバレて首を吊る。パートナー選びは慎重にねっていう小説なんだわ、これは。
347
私の友達が遺伝性の発狂病でさ、精神病院に入院してたんだけど、母親がまったく見舞いにこないんだわ。で、私が友達の家に行くと、「ふん、気狂いのくせに…」だって。だけど友達が退院して、ちゃんと働きだすと、母親は物静かな様子で、仏みたいな笑顔で、私に感謝するんだわ。それってどういうこと?
348
デイアボロス、ベリアル、ベルゼブル、悪鬼の首、この世の君、この世の神、訴うるもの、試むる者、悪しき者、虚偽の父、亡す者、敵、大なる竜、古き蛇――かつては十二枚の翼を持つ大天使長。いまはミスターとか、青焔魔とか……まあ、いろいろ。気安く引っ張られたりもする。人々は我を誰と言うか?
349-A
存在しないと私が思ったとき、私は存在しないのだ。早く数学の問題を解きなさい?数学の問題は公式がなければ解くことはできない。公式は本当に存在しているのか?いいから早く解きなさい?先生、そう言うあなたは本当に存在しているのか?存在しないと私が思ったとき…すみません、わかりません…。
349-B
牛が人間よりも頭がいいと思ったとき、牛は人間よりも非常に頭がいい!信じればボラだってオットセイになる!自分で掴んだ信仰!それは爆弾のように強い!自分を強く信じるんだ!具現化しろ!いまそこにあるはずの、家に忘れてきた宿題のノート!……はい、先生、宿題忘れました……ごめんなさい。
350
私はクン。ひとを小馬鹿にした「エヘン、エヘン」をするのが玉に瑕の賢い先生だ。いま、私は「エヘン、エヘン」を必死に我慢している。もし、奴らに「エヘン、エヘン」を聞かれてしまったら――猫大将が帰ってきて「先生に何か習ったか」と子供らに聞いた。「ねずみを獲ることです」と子供らは答えた。
351
エサ食べて、お腹いっぱい、ウトウト、人間たくさん見にきて、食べ物くれる奴とくれない奴いて、糞して、ここ出て歩きたいと思っても、脱走したら罰、エサもらえなくなるからあきらめて、どっかの牝馬の声に興奮して、夜のごちそう食べて、草原を自由に駆ける夢を、また明日がくるまで、神馬は見てる。
352
結婚してあげてもいいわよ、ただし! 一つだけ、条件がある。もしあたしがあんたよりも先に亡くなったら、あんた、あたしと一緒に生き埋めになりなさい、それがいやならもうそんなこと言…え? わかった? ばっかじゃないの!? あたしの病気、もう長くないんだから、そんなこと言わないでよ……
353
「徳の高いお坊さんのお経は、梵天様や菩薩様も聴きに来るので、私のような位の低い道祖神は聴きに行けません。しかし、あなたはお肉を食べて、結婚していて、私も安心して聴きに来ることができます。ありがたや」「ええ、どなたもどうぞ聴きに来てください。ただし、お布施はいただきますよ」「!?」
354
ミミミの話って知ってる?え?ミ、ミミちゃん?かわいくなっちゃったよ!誰だよ、ミミちゃんって!てか、どのミミちゃんだよ(笑)巳巳巳の話。そう蛇、ちょっと不気味な感じになってきた?この小説によるとさ、巳巳巳巳、巳の年月の揃った若い女の生き胆を食うと、どんな病気も治るらしい。他にも――
355
うるせーよ!わかってるよ!だけど病気なんだよ!病んでんだよ!どーせ甘えてるだけだって言うんだろ!誰も俺のつらさなんかわかってくれねーんだよ!わかってんだよ!俺だってちゃんとしてーよ!でも、寝てるうちに泥棒しちまうなんて…誰も信じてくれねーよ…恥ずかしくって、親にだって言えねーよ…
356
あの日、大人も子供も皆、きょとんとした眼をしてた。これからどうしたら…とか考えてたわけじゃない。絶望とか放心とかでもない。それはいつの時代も、ふいに覆いかぶさってくる、得体の知れない異様な感覚。人間というものが生きている限り、何の理由も原因もなく持たねばならない憂愁の感覚なんだ。
357
私は一度も母を愛したことがない。「あの女」を憎み通してきた。私にとって母は「あの女」でしかない。だけど私が母になったとき、もし娘がそんなふうに、私のことを思うようになったら……体が震えた。私は母を愛するべきだった。それがどんなにひどい母でも。愛する努力を怠るべきではなかったんだ。
358
かつて私は神童だった。私が神童だとわかると、大人達は私に期待し、友達はよそよそしくなり、からかわれたりした。私は才能を捨ててしまいたかった。普通の子に戻って、普通の学校に行って、普通の大人になって――だけどいま、その才能が欲しくて欲しくてたまらない、誰も私に見向きもしてくれない。
359
「お買い上げありがとうございます!その靴は僕が初めて作った靴です!この靴用クリームとブラシをあげます!その靴を大事にしてください!」「……わかったよ」「あと、これ、柔らかい布も!毎日みがいて、大事にはいてください!」「私が買ったのだから、この靴をどんなふうにはこうと私の勝手だ!」
360
ツェねずみがさ、親切にしてくれたイタチとか、柱とかに、自分勝手な理屈を押しつけて、「まどうてください、まどうてください」って補填を求めるんだけど、クレーマーだよな。俺もさ、緊急メンテとかあると、「補填はよ、補填はよ」って、言っちゃうんだよなあ…、ちょっと反省したよ。
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