コンにちは。狐人 七十四夏木です。
Twitterに投稿している
【140字の小説クイズ!元ネタのタイトルな~んだ?】
のまとめ。
その11。
文学作品の印象的な部分をピックアップ。
これで元ネタがわかれば凄い、という趣。
Twitterで配信中。
回答は、
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元ネタの読書感想に飛びます!
201-A
松尾芭蕉さんのあの有名な俳句を思い浮かべてもらえれば、今回の小説のタイトルは自ずとわかるかと思います。「秋深し――」と勘違いされている方もいらっしゃるかもしれませんが。まさに勘違いしていましたが。2008年に八嶋智人さん、佐藤江梨子さん出演の映画も公開されています。
201-B
私は療養先の温泉宿で、ある夫婦の間に挟まれ、振り回されるはめになります。夫婦はそれぞれ私に互いの不満を言うのですが、結局は直接の口論になってしまうのです。私は「案外お互い熱心に愛し合っているからこそ、不満もたくさんあるのかな」と思います。不満も出なくなったら、本当におしまい?
201-C
ろくろ首の正体をご存知でしょうか? 昔、苦界に落とされた女子は、雇い主の強欲のために満足な栄養が摂れませんでした。そこで彼女たちは、行燈に用いられる植物性の油を舐めるしか、栄養の摂りようがなかったのです。痩せた蒼白い首筋は、揺らめく火に照らされて、長いろくろ首に見えたのだとか。
201-D
『自分の恋人や、夫についての感想をひとに求める女ほど、私にとってきらいなものはまたと無いのである』、『……近頃の女はなぜこんな風に、なにかと言えば教養だとか、筆跡だとか、知性だとか、月並みな符号を使って人を批評したがるのかと、うんざりした』――男性の方は共感できる部分ですか?
202
……ある牛飼いが物語る話を、ぼくは聞いてしまった。ぼくはお父さんが白象を利用して、苦しめて、お金を稼ぐのなんていやだった。だから白象の手紙を仲間たちのところに届けてやった。でもこんなことになるなんて……、ぼくのせいでお父さんは……。
「おや『童』、川へはいっちゃいけないったら」
203
私はある好奇心ゆえ、友人が執刀するその手術に立ち会った。まず麻酔を。そこで夫人が口を開く。曰く、寝言で秘密を呟きたくない、麻酔なしで手術してほしい。その秘密は夫にも言えないのだという。
「痛みますか」
「いいえ、あなただから。でもあなたは私を知らないでしょう?」
「忘れません」
204
・「従順で完璧な妻を演じられる女性」と「自分の個性をはっきり主張できる女性」とでは、どちらが悪妻でどちらが良妻ですか?
・浮気する魅力ある女性は悪妻か?良妻か?
・浮気は認められて然るべきか?
――元ネタの作品内には『男女関係のすべてにおいて型はない』と書かれていました。
205
当初は爆弾を具現化する異能だと思われたが、じつは爆弾は手作りで(手作りて……)、その爆弾が爆発したときの自身へのダメージを完全無効化する異能だった。「なぜなら○○は美しき紡錘形だから」(何か深い意味が?)。爆薬の成分が検知されないゆえ裏では高値で取引されているらしい。
206
…う、寝てたのか?なんだ真っ暗じゃないか。あいつが泊まりにきてて、だいぶ飲んだような…あれ?手が縛られて…足は…おい、う、うそだろ!?足の感覚がない。え?え?いやこれは――
「おい!いないのか?足がない!お、おれの足が!」
――友達のいたずらで、足はしびれていただけだった。
207
彼はタンスの向こうへ落ちた。
だけどチクタクと働いていた。
「馬鹿だな。
誰も見ていないのに何で働いてんだ?」
「人の見ない時でも働くから、
いつ見られても役に立つのさ。
人の見ない時だけ、人が見ている時だけ
働く者はどちらも泥棒だよ」
鼠は恥かしくなってコソコソと逃げた。
208
身にまとう黒いコートを黒獣に変えて操作する異能。形態は必ずしも定まっておらず、影のように変形する。あらゆるものを引き裂き喰らう。対象には空間さえ含まれる。『顎』、『叢』、『天魔纏鎧』など固定形態があり、組み合わせによりいくつかのパターン攻撃が可能である。攻守にバランスのよい異能。
209
走ることにかけては日本一有名といっても過言ではない彼。「じつは走っていなかった」ことが、とある中学生の自由研究により明らかとなっている。小説から彼の移動した距離と時間を推定して計算すると、往路時速は3.9kmだったという。これはウォーキングの最適速度――『走れ○○○』!
210-A
先生、どうか、私の気持ちを受け取ってください。先生のためなら私どうなってもいい。私を教えてください。私を連れてって、つかってください。先生のためなら私、どんなことでもするから。――先生! 、、、好きになってもいいですか?(注.元ネタの童話はそういうお話ではありません、……たぶん)
210-B
マリヴロン先生は「声楽よりも鳥の飛んでいくあとにできる軌跡(人々の日常生活)のほうがよほど尊い」というようなことをおっしゃるのですが、それは芸術や娯楽の限界を示しているのでしょうか。「三度の飯より○○が好き」とはよく言われますが、実際にはごはんを食べないわけにはいきませんものね。
210-C
少女がマリヴロン先生を尊敬するように、あなたにも尊敬できる人がいますか? この世界には「自分の尊敬に値する人はいない」と思っていませんか? それは世界に、人に、あるいはその人のかかわるものごとに、無関心だから。あなた自身が尊敬に値する人ではないからなのでは? ――という自戒。
211-A
・漢字二字、ひらがな三字
・ハリセンボン、愛
・群馬県高崎市北西部中央の旧町域名
・○○山、○○湖など観光地として有名
・上は頭文字Dの秋名山、秋名湖の原型
・金剛型戦艦3番艦
・物語の語り部はとてもお疲れのご様子
・「大丈夫ですか? 横光先生」
・「はい、○○は大丈夫です!」
211-B
なぜ横光先生が疲れていたのかといえば、九ヶ月間続けてきた連載小説を脱稿したばかりで、しかもその小説では新たな挑戦をしたからで、それは純文学とエンターテインメント小説の融合でした。何が芸術で何が娯楽か、といった線引きは難しいものがありますよね。このマンガはもはや芸術だ! みたいな?
211-C
家族サービスに疲れた様子のお父さんが、こんなことをぽつりと言った。「あの流れている水はみんな違うんだろうけれど、いつ見ても同じように流れているね。奇妙なものだなあ」。「お父さん、大丈夫?」。「ああ、榛名は大丈夫?」。「はい、榛名は大丈夫です!」。――お父さん、いつもお疲れ様です。
211-D
榛名富士、榛名湖の静謐で美しい情景が描かれている小説です。湖面を渡る雲を眺め、新鮮な山の空気を吸うと、もはや天国にでもいる心地がします。芝生の上に見えるキャンプ、淡紅色のおいらん草の一群、湖面に広がる雨の波紋、湖の向こうに見えるのは氷屋。――現在でも灯籠流しはあるのでしょうか?
212-A
「私はあなたに天国の十三の扉の鍵を
預けました。十三番目の扉だけは
開けないように言いました」
「はい」
「開けましたね?」
「いいえ」
「開けましたね?」
「いいえ」
「開けましたね?」
「いいえ」
マリーエンキントは
絶対に不正を認めなかった。
まるで政治家のように。
212-B
貧しい木こりは子供の食べ物さえ手に入れられない状況だった。聖母マリア様は「あなたの子供を私のところへつかわしなさい」と言った。あなたがもし親だったら、子供の養育の不可能を悟ったとき、我が子を他人の手に委ねますか? あなたがもし子供だったら、親と離れても不自由ない生活を選びますか?
212-C
この童話の教訓は「罪を認め、悔い改める者は許される」。しかし現実社会においては、罪を認めて悔いたとしても、罰が許されることはありえず、罪を隠し、シラを切り通したほうが、その者の受ける罰は軽くなる、あるいはまったく罰を受けることなくすむ、ような気がしています。
212-D
聖母マリア様といえば処女懐胎ですが、男性を形成する人間のY染色体の数は、三億年前と比較して著しく減少している、という話をご存知でしょうか? ミツバチなどの一部生物は、メスのみで子孫を残すことが可能で、その場合生まれてくる子供はすべてメスなのだとか。未来の人類社会とは女性だけの社会?
213-A
哀れな男は自分が幸福だと思った。主人の与える労働はいかにも苛烈だが、呼吸まで禁じられたわけではない、ありがたい。主人のために足の指を三本失ったが、足をすべて失わなくて幸いだ、感謝しよう。病気になったが、もっとひどい病気はある、よかった。考え方ひとつで、人はいつでも幸福になれる?
213-B
哀れな男は島で最も卑しい召使い、富める長老は彼を酷使していた。あるときからこの二人が同じ夢を見るようになる。夢の中で二人の立場は逆転していた。夢はやがて現実にも影響を与えた。哀れな男は夢の美食で元気になり、富める長老は夢の労働で衰えていった。――これがプラシーボ効果?
213-C
この小説で描かれているパラオの神様に対する考え方がおもしろかったです。いわく、善い神様はお供えをしなくても祟らないからお供えをしない、悪い神様はお供えをしないと祟るからお供えをする、のだとか。椰子蟹神・カタツツ。カタッツは地球の神様とピッコロ大魔王の親の名前だそうです。
213-D
これはパラオのオルワンガル島の伝承を書いた小説です。大きなオルワンガル島民は小さなンヘヤンガル島民をいつもいじめていました。ンヘヤンガル島の長老の祈りを聞き届けた神様は、オルワンガル島に七つの波を送ります。オルワンガル島は1860年頃に洪水で沈んだとされる伝説の島です。
214-A
この小説は、少年時代の鹿狩りの思い出話ですが、じつは一人の人間が心に隠した悲しみの物語です。悲しみって、誰かと分かち合って半分になるものですか? 結局、無駄に相手を悲しませたり、鬱陶しく思われたりするだけじゃないですか? あなたは悲しみを隠せますか? 隠しますか? 隠しませんか?
214-B
鹿狩りにやってきました。うららかな小春日和、お昼は山のお弁当。僕はこう思いました。このときほどうまくお弁当を食べたことはなかった。海、山、川。お弁当、カップラーメン、BBQ。大自然はどんなものでもおいしく感じさせてくれます。空腹と大自然は最高のスパイスですね。
214-C
おじさんの昼寝中、たまたま鹿が現れます。おじさんを起こすと逃げられてしまうと思い、十二歳の僕はおじさんの鉄砲で鹿を撃ちます。おじさんはそれをとても喜びました。――怒らないんですね、ここに違和感を覚えたのですが、これは現代と当時の子供に対する危機管理意識の差? 過保護もよくない?
214-D
鹿狩りは残酷か? 狩りを楽しむのは動物の遺伝子にプログラムされた生存本能の一つだとしても? 本能を抑制し理性的に生きてこその人間か? 本能を捨てることは感情を捨てることにつながらないか? 人間も動物であるべきか? 人間は動物をやめるべきか? 人間性とはなんなのだろうか?
215-A
復讐は自分の身を滅ぼすだけ、という考え方がありますが、復讐は自分の身だけを滅ぼす、となってしまったのが本作の主人公。悲劇を喜劇的に描いて、ブラックユーモアを感じさせるミステリー小説です。とはいえ、考えさせられます。いったい誰が誰に、正当な復讐を、耐えてくれと言えるでしょうか?
215-B
この小説は『二銭銅貨』『一枚の切符』に続く、著者第三作目となる作品です。前二作が大変好評だったので、意気揚々と本作を投稿したのですが、原稿を受け取った編集長の評価はよろしくなくて、すっかり自信を失くした著者は、しばらく小説を書きませんでした。恐ろしき弱メンタルだったみたいですね。
215-C
もともとこの作品は、『赤い部屋』の前半の一部として書いていたものを、独立した一つの短編小説として仕上げたのだそうです。「自分は直接手を下さずに、ちょっとした知恵と偶然によって行われる犯罪」を「プロバビリティーの犯罪」というのだとか。おもしろい、恐ろしきミステリー手法ですね。
215-D
いろいろな意味で恐ろしき錯誤はありますよね。人間だから間違えることはあります。家族、学校、職場――ちょっとした誤解から気まずくなったままの人いませんか? すなおに間違いを認め、謝ることは大人になるほど難しくなる――みたいな、恐ろしき錯誤は意外と身近に潜んでいるように思いました。
216-A
初心な少女もいずれは図々しい母になる。男はそれに何を思う? 女の中に無垢な少女性を、いつまでも追い求めてしまうのが、男の哀しい性質なんですかね。だから若い女に走ったりするんですかね。そのあたり、どう思われますかね、シマリスくん?
「あばばばば」
216-B
不測の事態に慌てて、
ひどく焦ったときに、
思わず口をついて出てくる言葉。
用例.
「そ、そんな、急に言われても困るし、
あばばばば……、どうしよう」
……使ったことある人、いますか?
217-A
カラスの世界に転生した僕は大空を自由に舞う。自分で空を飛べるというのはなんとすばらしいことだろう。ここではカラスは神鳥として敬われている。湖を行く舟の上を飛べば舟子が羊の肉片を投げてくれる。働かなくても食うには困らない。美しいパートナーの青竹は常に僕を愛し、僕と一緒にいてくれる。
217-B
私は女神、転生は神の試験でした。獣になって幸福を感じる人間を、神は最も嫌います。人間は一生、人間の世界で苦しまなければなりません。そこからは誰も逃れることはできないのです。ただ努力するしかありません。もっと現実を大切に、愛し、悲しみなさい。神はそうした人間の姿を一番愛するのです。
218-A
桜の最後の葉がなくなり、欅が風にかさかさ身を震わせるたび、隠された風景が現れる。肺結核のため、洗面のたびに吐く痰は、まるで金魚の仔のようだ。路上の小さな石粒は、どんなに小さなものでも一つ一つが影を持っている。それはエジプトのピラミッドのような、コロッサールな悲しみを浮かべている。
218-B
どうしてお医者さんは「今の一年は後の十年だ」などと言うのでしょう? 何か自分が、十年で到達すべき理想でも持っているかのように。うしろめたい気持ちになります。いろんなものに生きる意志を奪われるのです。奪われては取り返し、また奪われては取り返す、その繰り返しです。
218-C
黄色く染まった芝や銀杏。郵便局の扉が開閉するたび、まき散らされる朝の新鮮な空気。遊ぶ童子や童女の姿は、自分が子供の頃の情景を思い出させ、思わず微笑みがこぼれる。希望を持てない者が、どうして追憶を慈しむことができる? しかし自分の部屋の窓のうちには、ドッペルゲンガーの気配がある。
218-D
何をしに自分は来たのだ。風が枯葉をさらってしまった頃、クリスマスや歳末の売り出しで賑わう街に来ていた。金と健康を持っている人は、みんな誰かと一緒で、みんな誰かを待っている。何をしに自分は来たのだ。
218-E
友達が訪ねてくれた。他の友達の噂や学校の話などをしてくれた。ふと、その友達が、病気の自分の茶碗で茶を飲んでいることが気になった。気分が重くなってきた。いやならいやだとはっきり言ってくれ。言ってしまった。しばらく誰も来なかったかい? ああ、来なかったよ。なぜか、その会話が快かった。
218-F
遠い地平へ落ちていく太陽の姿。消えてゆく冬の日に、もう耐えることができなくなった。ああ、大きな落日が見たい。眺めのいい場所を探してさまよう。浮雲がつぎからつぎへと燃えていった。こんなに美しいときが、なぜこんなに短いのだろう? 燃えた雲は灰となり、心は再び明るくなることはなかった。
219
「金を出せ」
「ただ金を出すのはいやだ。
その拳銃を売ってくれ(にやり)」
「……よしいいだろう(にやり)」
「ははは、さあ形勢逆転だ」
「ははは、そのピストルはおもちゃさ」
――格闘していた泥棒とケチンボは警察に捕まった。金は偽札で、拳銃は本物だった。二人共牢屋に入れられた。
220-A
恋愛とは、純粋なものではない。そこには複雑で不純な歪みがあるが、若いうちは恋愛を純粋なものと思いやすい。相手を、あるいは自分を理想化して、現実とのギャップにイライラするが、その正体がつかめず、ただただ自分と相手を深く傷つけてしまう。四十二歳の著者が、三十歳の頃の狂気の恋愛を語る。
220-B
恋人が「あなたは天才だからあきらめるな」と、まだ売れない小説家だった著者に言った。それはむなしく聞こえた。他者から直接、真の評価を得るというのは難しい。こちらが評価を求めた時点で、相手はこちらが言ってほしい言葉を理解している。そこに打算や気遣い、衝突を避けようとする心理が働く。
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