小説読書感想『あし 新美南吉』ブログで読もう!馬の感性に「しびれる」

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コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。
(「『狐人』の由来」と「初めまして」のご挨拶はこちら⇒狐人日記 その1 「皆もすなるブログといふものを…」&「『狐人』の由来」

本日は『あし 新美南吉』です。新美 南吉さん……です。新美――、南吉さん……。

恥ずかしながら、今回『あし』を読み、このブログ記事を書こうと思い立つまで、そのお名前を知りませんでした。正確には、新美 南吉さんのお名前を認識できていなかったということになりますが。

新美 南吉さんといえば、有名な児童文学作家さん。

恐らく、新美 南吉さんの代表作は『ごん狐』だよ、と聞けば、誰もが聞いたことある、てかその話知ってる!、という感じなのではないでしょうか。

かく言う僕もそうでした。

そう、『ごん狐』は小学校国語教科書の教材として定番ですよね。

児童文学といえば童話ですが、同じ童話作家ということで、新美 南吉さんは宮沢 賢治さんと対比されることも多いようです。

宮沢 賢治さんは客体化した人間を特有の宗教観や宇宙観でもってシニカルに描く。

対して。

新美 南吉さんは主観・情緒的に生活の中から題材を捉えて飾り気ない作品を描く。

「シニカル」と「素朴」といえば確かに対照的な感じがします。

『北の賢治、南の南吉』

とか言われているそうで、なんかカッコいいですね!

そんな『ごん狐』を書いた新美 南吉さんの『あし』について、今回は書いてみたいと思います。

それでは、『あし』のあらすじをば……、というか読んでもらった方が早いのですが、一応概要を。

二匹の馬が窓辺で昼寝をしている。すると涼しい風が吹いてきて一匹が目を覚ます。足がしびれているのに気づく。つまり足の感覚がない。『たいへんだ、あとあしをいっぽん、だれかにぬすまれてしまった。』馬の運命や如何に!?

ブログタイトルにもあるように、「ブログで読もう!」というわけなので、ぜひ実際に読んでみてください。1分で読めます!ではどうぞ。

あし 新美南吉

二ひきの馬が、まどのところでぐうるぐうるとひるねをしていました。
すると、すずしい風がでてきたので、一ぴきがくしゃめをしてめをさましました。
ところが、あとあしがいっぽんしびれていたので、よろよろとよろけてしまいました。
「おやおや。」
そのあしに力をいれようとしても、さっぱりはいりません。
そこでともだちの馬をゆりおこしました。
「たいへんだ、あとあしをいっぽん、だれかにぬすまれてしまった。」
「だって、ちゃんとついてるじゃないか。」
「いやこれはちがう。だれかのあしだ。」
「どうして。」
「ぼくの思うままに歩かないもの。ちょっとこのあしをけとばしてくれ。」
そこで、ともだちの馬は、ひづめでそのあしをぽォんとけとばしました。
「やっぱりこれはぼくのじゃない、いたくないもの。ぼくのあしならいたいはずだ。よし、はやく、ぬすまれたあしをみつけてこよう。」
そこで、その馬はよろよろと歩いてゆきました。
「やァ、椅子《いす》がある。椅子がぼくのあしをぬすんだのかもしれない。よし、けとばしてやろう、ぼくのあしならいたいはずだ。」
馬はかたあしで、椅子のあしをけとばしました。
椅子は、いたいとも、なんともいわないで、こわれてしまいました。
馬は、テーブルのあしや、ベッドのあしを、ぽんぽんけってまわりました。けれど、どれもいたいといわなくて、こわれてしまいました。
いくらさがしてもぬすまれたあしはありません。
「ひょっとしたら、あいつがとったのかもしれない。」
と馬は思いました。
そこで、馬はともだちの馬のところへかえってきました。そして、すきをみて、ともだちのあとあしをぽォんとけとばしました。
するとともだちは、
「いたいッ。」
とさけんでとびあがりました。
「そォらみろ、それがぼくのあしだ。きみだろう、ぬすんだのは。」
「このとんまめが。」
ともだちの馬は力いっぱいけかえしました。
しびれがもうなおっていたので、その馬も、
「いたいッ。」
と、とびあがりました。
そして、やっとのことで、じぶんのあしはぬすまれたのではなく、しびれていたのだとわかりました。

いかがでしたでしょうか。

寝惚けてたんですかねえ。どこか憎めない、愛され系おバカキャラのお馬さんのお話。真っ直ぐにすくすくと育ってほしいものです。しかしながら、可愛いおバカさんと呆れ果てて物も言えないおバカさんの境界って、存外線引きが難しいと感じるのは僕だけなのでしょうか。『あし』を書いた新美 南吉さんは、この「愛される可愛いおバカさん」というものをよく心得ていらっしゃったようで、さすがです。

ブログタイトルにもあるように、新美 南吉さんの『あし』を読んでの僕の感想を一言で言うならば、『馬の感性に「しびれる」』ということなのです。

「馬の感性」とは、すなわち「小さな子供の感性」と言い換えることができるでしょう。「真っ白な子供の感性」とでも言った方が伝わりやすいでしょうか? 関西圏の人であれば、「まっさらな子供の感性」と――以下略。

つまり、大人からすれば、足が「しびれる」こと、この感覚は何の変哲もないごくごく当たり前のものですよね。しかし、足が「しびれる」経験のない、まだ小さな子供にとってはどうでしょう?

足が「しびれる」というのはまさに未知との遭遇、驚天動地の出来事です。

きっと不思議に思いますよね。それとも怖くなってしまうでしょうか。泣いてしまっても、それこそ不思議はないように思います。しびれて足の感覚がなくなってしまい、足がなくなったように感じてしまうわけですから。

そうなってくると、この馬、足を盗まれてしまったと勘違いをして、その犯人を見つけ出そうと躍起になっているのですから、どんだけアクティブなんだよ、って話です。エキセントリックと言ってもいいかもしれません。将来が楽しみなようであり、不安になってしまうような……。

そんなふうに思いを巡らせながら読んでみると、幼い子供を持つ親の気持ちを、ちょっとだけ疑似体験できたような気分にもなります。あるいは、実際に幼い子を持つ親の方が、自分の子供に読み聞かせてあげて、その反応を見てみたりしてもおもしろいかもしれません。

やんちゃな子、怖がりな子、頭脳は大人(?)な子……、この子はいったいどんなふうにこの物語を感じ取り、将来どんなふうに成長するのかな、みたいに想像してみれば、また違った意味で、大人も味わい深く『あし』という作品を楽しめそうです。

このように、新美 南吉さんの『あし』は小さな子供の目線で描かれています。

馬は未体験の出来事について、自分なりに考えを巡らせ、一生懸命対処しようと行動を起こしています。まさに小さな子供そのものですね。こうした小さな子供(馬)の初々しい姿を見た大人は、自分にとっては当たり前の感覚が、子供にとっては当たり前ではない事実に気づき、そんな子供の予測不能な突拍子もない行動を見て、驚いたり、また楽しませてもらったりするわけです。

お母さんやお父さんが、小さな子供に『あし』を読み聞かせているところなんかを想像すると、なんだかほのぼのした気持ちになります。

新美 南吉さんの作品は、そうしたほのぼのした気持ちになれるものが多いのも特徴の一つだそうです。ぜひ別の作品(狐人としてはとくに『ごん狐』は外せません!)も読んでみて、また小説読書感想を書いてみたいと思います。

そんなこんなで、以上、『あし 新美南吉』の小説読書感想でした。

そして今回のオチ。

かく言う僕は、初めてこの物語を読んでみて、(バカだなあ、馬、馬だけに馬鹿だなあ、あははは……)とか台無しなことを思ってしまいました。馬鹿は僕だったわけなのでした。

さて。

ここ数日恒例となっている『文豪ストレイドッグス』に、無理矢理絡めて話をする(文字数を稼ぐ)試みですが、残念ながら新美 南吉さんは『文豪ストレイドッグス』には登場していないようですね。

今後登場する可能性はあるのでしょうか? 新美 南吉さんの出身地は愛知県半田市だそうで、そこには「新美南吉記念館」があり、記念館があればそれはもう文豪でしょ! って話なのですが。

登場するなら、どんなイケメンとして描かれるのか、気になるところですね。

というか、今だ未読なのにここまで話題として取り上げてしまって、本当の『文豪ストレイドッグス』好きの方に怒られないだろうか、と怯え始めた今日この頃の僕なのですが……。

とか言いつつ、この話をするために、たった今調べていたら『文豪とアルケミスト』なるゲームを発見してしまいました。今、空前の文豪ブームなのでしょうか?

――そしてこの『文豪とアルケミスト』にいた! 新美 南吉さん! 白髪の狐耳フードを被った可愛らしい感じの美少年ですね。狐のリュックを背負っているところといい、『ごん狐』がモチーフになっているのでしょう(「種族:狐人」を自称する身としては同族意識を持たずにはいられない)。『文豪ストレイドッグス』の夢野久作さん(⇒小説読書感想『懐中時計 夢野久作』1分で読…てかこのブログで読める!)と同じような、ショタ狙いのキャラなのでしょうか?

『文豪とアルケミスト』か……新たなネタ発見(ニヤリ)。ぜひプレイしてみたいです(その前に『文豪ストレイドッグス』を読もうよ、という話なのですが)。

ママパパもはまる! 子供の読み聞かせ用オーディオブック


新美南吉さんがいつか登場するかもしれない『文豪ストレイドッグス』はこちら。


最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それでは今日はこの辺で。

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