コンにちは。狐人 七十四夏木です。
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【140字の小説クイズ!元ネタのタイトルな~んだ?】
のまとめ。
その31。
文学作品の印象的な部分をピックアップ。
これで元ネタがわかれば凄い、という趣。
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601
お家に歸つてから君子さんはチユーリツプの球根を庭のゆすら梅のかげに埋めました。そして春になつて花が咲いたらノリ子さんにあげようときめました。ノリ子さんはご病氣が癒らないらしく、一週間たつても二週間たつても學校へ來ませんでした。
602
ある晩、金貸しで欲深の六平じいさんが酔っ払って川岸を通ると、立派な侍に会った。「金を預かってほしい、千両箱が十箱ある、万一旅の途中で拙者が果てたら、それらはみなそちに遣わす」。六平じいさんは苦労して千両箱を家まで持って帰った。「あれ、父さん、そんな砂利しょってどうしたの?」
603
彼は昨日酒に酔い、電信柱を西洋婦人と間違えて、キスしようと熱烈に食いついてしまったらしい。歯が二本折れていた。その話を聞いて、著者は酒が一滴も飲めないにもかかわらず、酒が飲みたくなったという。いまだかつて電信柱に食いつきたくなるほど嬉しい目にはあったことがないから……。
604
第三の王子は姫と結婚し、王位を継いだ。その後、彼はあの森でキツネと再会した。キツネは今一度「私の首をはねてください」と懇願した。彼はついにキツネの願いを聞き入れ、その首をはねた。するとキツネにかかっていた魔法が解けた。キツネは姫の兄だった。魔法で獣に変えられていたのだった。
605
みんなで通りすがりの人の悪口を楽しんでいた。仲間のひとりが妙な恰好の男を見つけて能勢に聞いた。「おい、あいつはどうだい」。能勢は「あいつはロンドン乞食さ」と言った。みんなふきだした。私は能勢の顔を見られなかった。その妙な恰好の男が能勢の父親であることを、私だけは知っていたからだ。
606
飲み屋のおかみが桜桃を出してくれる。子供たちにはぜいたくなものを食べさせない。だから桜桃など見たこともないかもしれない。子供より親が大事、と思いたい。子供よりも、その親のほうが弱いのだ。父は桜桃を極めてまずそうに食べて種を吐き、心の中で虚勢みたいに呟く。子供よりも親が大事。
607
井戸に落ちた日本人少佐。それを助けた心優しき中国人少年。二人は束の間心通わせ、別れ、十年後再会する。が、二人が喜びを分かち合うことはなかった。二人の間には戦争と、それにより生じた民族差別、階級差別が厳然として存在していた。人と人とは手をとりあえるはずなのに。
608
一度絶えた伝統工芸を復活させるのは大変だ。紫紺染を復活させたくともやり方がわかる職人さんがもはやいない。詳しく書かれた本もない。古い文献によれば山男がそれを知ってるらしい。じゃ、山男、召喚しよっか。……ああ、それね、たしか黒いしめった土を使うんだよ。
609
別に変った生活もしませんが、私達は日の出前に起床し、日が暮れて床に就き、明るいうちはせっせと働いて日を送っています。又餓じい時はお腹を一パイにするだけ御飯を食べます。それでは私はここにおっても仕事がありません。そんな生活をする人達はいつも健全で医者の厄介になる事がありませんから。
610
荷馬車は仲よしの犬をひきつぶしてしまった。雀は馬方に復讐した。荷台のワインの樽の栓をつついて抜いて全部こぼした。三頭の馬の目をくり抜いてやった。馬方は斧で雀を始末しようとして、自分の馬を打ってしまった。「ああ、なんて不幸だ」「まだだ。お前の家も不幸にしてやる!」雀の復讐はつづく……
611
僕は三人の夫と一人の妻を共有している。こないだ、妻が商人の手代と浮気をして、僕らは二人の鼻をそぎ落とすことにしたが、妻を憐れに思い、結局手代の鼻だけそぎ落した。妻はその後、貞淑に四人の夫を愛している。僕らはこれから、従兄妹同志結婚した不倫の男女の晒し者を見に出かけるところだ。
612
朝めざめて、きょう一日を、充分に生きる事、それだけを私はこのごろ心掛けて居ります。私は、嘘を言わなくなりました。虚栄や打算で無い勉強が、少しずつ出来るようになりました。明日をたのんで、その場をごまかして置くような事も今は、なくなりました。一日一日だけが、とても大切になりました。
613
「ぼくどこへいくんだかわからないから、蝶々さんもおかえりよ」
と風船玉は言いました。
「いいえわたしはついていきます」
と白い蝶々は言いました。
「ついてきちゃだめだ。ぼくはどこへいくのかわかんないよ」
と風船玉は言いました。
けれど、白い蝶々はついていきました。
614
耕平はそれに砂糖を入れようと提案した。ぶどう水に砂糖を入れるとそれはぶどう酒(密造酒)になり、税務署に見つかれば罰金が科されてしまう。それでも耕平はぶどう水に砂糖を入れて、ビール瓶二十本のぶどう酒を作った。ところが六日後、ぶどう酒の瓶は発酵して全部割れてしまったのだった。
615
ある新聞社が経営難で、酒豪ぞろいの編集部は酒が飲めないので仕事をする元気が出ない。そこで実業テニス界で一流のあるビール会社に試合を申し込む。ビール会社は新聞に載ればいい広告になるという算段だった。編集部員たちはさんざんビールを飲んで帰り、翌日の新聞に記事が出たかは定かではない。
616
「あなた! すごいこと思いついたの! 家のドアをいつも背中に背負って大事に持ち運ぶの! これでいつでも泥棒から家を守れるわ!」
「やれやれ、なんて賢い奥さんだ……」
617
大切な人の命を奪った敵が、その後ものうのうと暮らしていくのかと思うと、悔しくて悔しくてたまらない。しかし敵打ちの思いは自分の人生を損なっていく。伝吉は、敵打ちすべきか、せざるべきか?
618
その部厚の本を枕元に投げ出し、うとうと眠りましたら、夢を見ました。それが、ちっとも、何にも、ぜんぜん、その作品と関係の無い夢でした。あとで聞いたら、その人が、その作品の完成のために十年間かかったと云うことでした。
619
月からきたねこ、
屋根にいる。
屋根からしっぽをおったてる。
月からきたとり、
うろにいる。
うろからそちこちどなってる。
月から来た人、
柵にいる。
柵からナイフをぬいている。
620
歩哨はそれを見て震撼した。北緯二十五度、東経六。そこに一夜にして現れた巨大建造物。その正体は……? 働かないものは悪なのか? しかし働かないものが長く社会を存続させる矛盾。2:6:2の法則とは? いやいや、あれはただのきのこというものだよ……。
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