とっこべとら子/宮沢賢治=狐のせいにしないでください。

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

とっこべとら子-宮沢賢治-イメージ

今回は『とっこべとら子/宮沢賢治』です。

文字数4000字ほどの童話。
狐人的読書時間は約11分。

狐に化かされた。狐に憑かれた。って言いますけど。酔っ払っていたんじゃないですか? 人が人をだましたんじゃないですか? 病気なんじゃないですか? 狸のせいじゃないんですか?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

とっこべとら子、第一話

ある晩、金貸しで欲深の六平じいさんが酔っ払って川岸を通ると立派な侍に会った。侍は金を預かってほしいと言って、土手の陰から千両箱を十箱持ち出した。万一旅の途中で果てたなら、それらはみなそちに遣わす。六平じいさんは苦労して十の千両箱を家まで持って帰ったが、戸を開けて出てきた六平じいさんの娘は言った。「あれ、父さん、そんな砂利しょってどうしたの?」

とっこべとら子、第二話

平右衛門は村会議員になり、そのお祝いが行われていた。そのお祝いに招かれた百姓の一人に意地悪な小吉がいた。小吉は祝いの席が一向おもしろくなくて座を立った。門のところで見た疫病除けの「源の大将」が自分を睨んだような気がして気に食わず、それを路のまん中に立てなおして帰っていった。祝いがお開きとなり、おみやげを持った客たちが路に出ると……そこに白狐の姿が。客たちは怖れおののき、平右衛門は薙刀を持って白狐を一刀両断した。しかし白狐は「源の大将」を身代わりにしてすでにどこかへ逃げていた。客たちはみんな帰る元気をなくして、平右衛門のところに泊まることになった。夜中になって、とっこべとら子とその部下が庭にやってきて、放り出されたおみやげを持ち去っていく音がした。

――しかしこれらの話はたぶんうそでしょうと著者は語る(第一話は酔っ払いの与太話、第二話は人が人をだました話ではないか?)。

狐人的読書感想

『とっこべとら子』は、全国的に流布している「おとら狐」と、盛岡地方の伝承である「斗米とら子」(「斗米」は地名)の伝承を結びつけて書かれた作品だそうです。

普通に「人に悪さをするいたずら狐」の話として読んでしまいましたが、「人の責任を狐のせいにすることを非難している」作品とも読めるのだとか。

たしかに言われてみれば、第一話は欲深な六平じいさんが酔っ払って体験した話であって信ぴょう性は低そうですし、第二話は意地悪な小吉のいたずらをやっぱり酔っ払った人々が狐に化かされたのだと主張しているだけなんですよね。

なかなか奥の深い(?)お話で、おもしろかったです。

「おとら狐」というのははじめて聞く妖怪の名前でした。主に愛知県に伝わる妖怪らしく、なんでも「おとら」という娘に取り憑いたことからのネーミングなのだそう。

おとら狐に取り憑かれると、左目から眼脂(めやに)を流し、左足を病むといわれているそうですが、これは長篠の戦いで鉄砲の流れ弾に当たったからだと言い伝えられています。

ちなみに赤飯と油揚げが好き、らしいです。

妖狐の起源は中国の説話や小説のようですが、調べてみるといろいろな狐の妖怪がいて興味深いです(ちなみに中国の妖狐は鶏卵が好き、らしいです)。

しかし何か悪いことがあるたびに狐のせいにされたのでは、狐もたまったもんじゃありませんよね。「狸のせいじゃないんですか?」って言いたくなりますよね(?)

たしかな証拠もなく狐(誰か)のせいにしてはいけない、と思った今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

狐のせいにしないでください。

狐人的読書メモ

・フランスには「キツネはニワトリと結婚してはいけない」ということわざがあるらしい。日本でいうところの「犬猿の仲」みたいな。フランスでは狐と鶏の仲があまりよろしくないように見えるらしい。さらにニワトリはフランスのシンボルになっている国鳥なのだとか。ちなみに日本の国鳥はキジ。

・『とっこべとら子/宮沢賢治』の概要

生前未発表作。大正10年から11年頃に執筆されたと考えられる。なんでも狐(他人)のせいにしてはいけない話?

以上、『とっこべとら子/宮沢賢治』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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