コンにちは。狐人 七十四夏木です。
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【140字の小説クイズ!元ネタのタイトルな~んだ?】
のまとめ。
その15。
文学作品の印象的な部分をピックアップ。
これで元ネタがわかれば凄い、という趣。
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元ネタの読書感想に飛びます!
281-A
牛ひきをしているお酒好きの和太郎さんが、仕事帰りにベロベロに酔っぱらってしまうと、牛は和太郎さんの乗った荷車を引いて、ちゃんと家に帰ってくれる。ある日、和太郎さんは牛にお礼がしたくて、お酒をあげた。ベロベロの和太郎さんと牛は、どこかへ消えて……帰ってくると荷車には赤ちゃんが……
281-B
和太郎さんには美しくて働き者のお嫁さんがいた。お嫁さんはいつも壁を向いて食事をしていた。和太郎さんがわけを聞くと、お義母さんの潰れた片目を見ると気持ち悪くなって、ご飯が食べられないのだという。和太郎さんはお母さんのためにお嫁さんと別れた。さて、和太郎さんの行動は正しかったのか?
281-C
人間はほかの人間からお世話になるとお礼をする。けど、牛や馬からお世話になったときには、あまりしない。お礼をしなくても、牛や馬は、べつだん文句をいわないからだ。しかし、これは不公平な、いけないやり方である、と和太郎さんは思った。みんなはどう思った?
282-A
若さまいけません、あんなものとお話になっては。……さっきはすみません。お気になさらないで。よかった、あなたに怒られたら、生きている意味がありませんから。そんなことありませんわ。いいえ、シグナレスさん、僕はあなたほど大事なものは世界中探したってありません、どうか僕を愛してください。
282-B
シグナレスさん、なぜお返事をくださらないのですか? ああ、もうおしまいだ。まるでくらやみだ。雷が落ちてきて、僕のからだを砕け! 噴火が起こって、僕を空の遠くへふきとばしてしまえ!
ああ、シグナルさん。神様、シグナルさんに雷を落とすときは、一緒に私にも落としてください。
282-C
シグナレスさん、あなたは何を祈っておられたのですか、さあ、おっしゃってください。私、もうずっと前から、あなたのことばかり考えていましたわ。結婚してくれますか? でも私はこんなにつまらない……。わかっていますよ、僕にはそのつまらないところが尊いのです。私、あなたと結婚します。
283-A
吉田は、同僚よりも給料が低いことが我慢ならない。それすなわち、他人よりもいい境遇にありたいと願う心、自分に非のないところを認めてもらわないと気が済まない心から生じているのだと思った。心は擬態して生きるべきか。周辺環境に応じて色を変えるカメレオンのように。
283-B
「女教師というものは、男と女の良いところを併せ持っているのだと自惚れているが、実際には男と女の悪いところを兼ね備えた怪物だ」と主人公は感じる。人が自分よりも幸せそうな他人に抱く感情。羨望、嫉妬、不安、矜持……心は擬態して生きるべきか。周辺環境に応じて色を変えるカメレオンのように。
284
初孫ができて、祖父母も大喜び。幸せそうな家族の様子がうかがえる小説。祖父母にとって孫はかわいいものだと思いますが、いつも孫ばかり預けられて、時間的・体力的・金銭的に――ちょっと迷惑に感じてしまうこともあるのだそうです。孫ブルーというそうですが、負担かけたりかけられたり、してない?
285
『全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙な事であっても、それが真実となる』。明智小五郎の消去法推理が印象に残った小説です。消去法って、現実には選択式のテストくらいしか活用の場面がない気がします。そういえば、パンダは他の動物が食べない笹や竹を消去法で選んだらしいです。
元ネタのタイトルな~んだ?
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286-A
姫君の生き方を、現代風にいうならば、「就活もしない、婚活もしない、家にひきこもってネトゲばかりやってたら、両親が他界し、ついにはホームレスとなり、孤独……」といった感じでしょうか。貴族の女性の生き方が限られていた時代、先天的に生きる意志薄弱な姫の悲劇について……(Bへつづく)
286-B
「あれは極楽も地獄も知らない、ふがいない女の魂」という法師の言葉に痛烈な批判を感じますが、おそらく先天性と思われる姫君の性質は、誰かに批判されるべきものなのか、ちょっと疑問に思いました。生への執着、欲がないという性質は、生物としては致命的な欠陥だとは思うのですが……。
287
黄村先生のドタバタコメディ!シリーズ3部作の第1作。テーマは「大山椒魚」。さばくと山椒の香りがしたことが名前の由来だそうですが、特別天然記念物なので、今はさばいちゃダメ。1830年頃、ドイツで大山椒魚の化石が発見され、これがノアの大洪水で遭難した人の化石だ、と大騒ぎになったそう。
288
先天的音楽機能不全。これは俗に何と言うでしょう? 音楽のみならず、運動や方向など「あることに関して感覚が鈍い人」という意味で使われることもあります。答えが元ネタの小説のタイトルです。ところでいまは、イケボやカワボなら、先天的音楽機能不全はチャムポとなりえる時代?(……違う?)
289
魂の恋を求める男のお話。結局肉体を求めていますが。GHQの検閲に引っかかるほどに。とはいえ、「恋をしに行く」って、なんかいい響き。現代には、恋愛に消極的な「草食系」とか、恋愛に興味がない「絶食系」とかいう言葉もありますが。独りの時間もいいけれど、恋をしに行こう!――みたいな。
290-A
盗人の頭目は、花のき村で初めて人の優しさに触れる。人の痛みを知らなければ、人に優しくすることはできない。だけど痛い思いはしたくない。人に優しくされれば、人に優しくしたいという気持ちが、自然と湧き起こってくる。だけど優しさに慣れ、忘れてしまうことがある。優しい気持ちを想う読書。
290-B
「おかしら!」
「えいくそッ、びっくりした。
おかしらなどと呼ぶんじゃねえ、
魚の頭のように聞こえるじゃねえか。
ただかしらといえ!」
「へい! おかしら!」
(……こいつら、ぜってー、
おれのことなめてんだろ)
――彼らは天然でした。
291
勤と人妻のお民は二階の部屋でふたりきり。勤の母とお民の子は下で眠っている。ふたりはだんだんいい雰囲気に…。「夫と子供のことなんて…」「君を帰さない」――そのとき、階下から子供の泣き声が。「イタチがあたちをにらんで、怖かったの」。――あなたの中にも恐いイタチがいるかもしれませんよ?
292-A
十吉の生まれは普通に不幸なものでした。あるいはその不幸な生い立ちが彼の放浪グセ――のちの苦しい人生をもたらしたのかもしれません。しかし十吉は、自分の生まれを不幸だとは思っても、嘆くことはしませんでした。むしろ笑いのネタにしていました。不幸を笑え!いい出会いを大切に!人生双六やで!
292-B
不幸な生い立ちが自分の人生を歪めてしまったのだと思う。だけど自分がいまのような人間になったのは、環境や境遇のせいではなかったような気もしてくる。自分という人間は、どんな環境や境遇の中に育っても、結局いまの自分にしかなれなかったのではないか。不幸を嘆かず笑いに変えて良い出会いを!
293
「熊」の起こした列車テロを、帆布の上着の青年が制圧して、言った。「『熊』よ、お前達のしたことはもっともなことだ。だけど、俺達だって生きるためには毛皮を着なけりゃならない。それはお前たちが魚を獲るのと一緒だ。これからはやりすぎないよう言い聞かせるから、今回だけは許してやってくれ」
294
李陵は自分の忠節を踏みにじった祖国を捨て、敵国の将として帰順した。同じく祖国に見捨てられた蘇武は、それでも敵国に膝を折ることはなかった。司馬遷は男として一番残酷な刑を受け、もはや「史記」の編纂に執念を燃やすしかなかった。現実的に、信念に、執念に生きた三者三様の男の生き様を読め!
295
「牛肉とじゃがいも」といえば何を思い浮かべますか?カレーライス?「meat and potatoes」なので肉じゃがでしょうか?この小説では「現実と理想」を表しています。哲学的内容。「恋愛談」に「ラブだん」とルビがふられているのが印象的。いつの時代も、牛肉とじゃがいも、ラブだん。
296
井原はある強盗殺人事件の罪を着せられ、その後の人生を廃人同然に送った。20年後、友人の木村がすべてを仕組んでいたことを告白するが、彼のすばらしい機智を憎むよりも、讃美しないではいられなかった。「一番恐れるのはこの怒りがやがて風化してしまわないかということだ」って、こういうこと?
297-A
この小説は芥川龍之介さんの処女作だそうです。「香箱をつくる」という言葉が印象に残りました。香箱座り。猫の座法(座法って…)のひとつ、前足を胸の内側に折り曲げて座る猫の座り方をいいます。香箱座りしている猫は、非常にリラックスしている状態で、飼い主さんを信頼している証なのだとか。
297-B
この小説は、「隔絶され廃れていく江戸文化」について書かれているそうですが、老年の、老いへの不安やむなしさを感じます。ところで、「デジタルクローン」って、知ってますか? グーグルが不老不死研究のため、15億ドル投入して設立した「カリコ」の研究は、いまどうなってるんでしょうね?
298
僕は静子夫人の絵を見ようともせずに「たくさんです。たいていわかってます」とすげない返事をしてしまう。静子夫人は自分の才能に苦悩し、自ら命を絶ってしまう。その後、僕が見た静子夫人の水仙の絵は見事なものだった。僕は一人の天才を滅ぼしてしまったのか……。世間に認められる才能とは何か?
299-A
夢野久作の晩年の小説には、国粋主義・反共主義色の強いものが多く、この作品もそのうちの一つ。二人の虚無主義者が描かれている作品でもある。お金持ちの女坑主は全てを持つがゆえに虚無を感じ、テロリストの青年はその信じる思想ゆえに虚無を感じ――どんな人間も等しく虚無を持ち得るのか……。
299-B
『恋愛なんて……恋愛なんて……ハハハ。恋愛なんて何でもないじゃないですか。ほんの一時の欲望じゃないですか。永遠の愛なんてものは男と女とが都合によって……お互いに許し合いましょうね……といった口約束みたいなもんじゃないですか。お金のかからない遊蕩じゃないですか』――とある虚無主義者
300-A
あなたは遊びを汚いと思ってる。だから私を汚がったり、憎んでる。あなたは自分だけが綺麗に、高くなりたいのよ。あなたは卑怯よ。なぜ汚くないと考えるようにしないの? 私は汚くて、遊びが好きで、よくない女だけれど、よくなりたいと願ってる。なぜあなたは、私をよくしようとはしてくれないの?
300-B
(女は変われないだろう、遊びをやめられないだろう、女はいつでもいい子になりたがる、しょせんは戦争の間だけの愛情だったのだ)野村は意地悪く考える自分をどうすることもできない。戦争は終わったのか……野村は女の肢体をむさぼり眺めながら、考え続けるのだった。――恋愛って難しい(?)
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