シグナルとシグナレス/宮沢賢治=amazarashiのラブソングにあるよね。

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

シグナルとシグナレス-宮沢賢治-イメージ

今回は『シグナルとシグナレス/宮沢賢治』です。

文字数13000字ほどの童話。
狐人的読書時間は約30分。

宿命的に結ばれることのないシグナルとシグナレスの恋。amazarashiのラブソングにシグナルとシグナレスのフレーズがあります。人間は動ける。恋したんなら迷わず動けよ!

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

若さま、いけません、あんなものとお話になっては。シグナルの従者が言った。シグナルはきまり悪そうに黙ってしまった。気の弱いシグナレスは消えてしまいたいと思った。

さっきはすみません。お気になさらないで。よかった、あなたに怒られたら、生きている意味がありませんから。そんなことありませんわ。いいえ、シグナレスさん、僕はあなたほど大事なものは世界中探したってありません、どうか僕を愛してください。……。

シグナレスさん、なぜお返事をくださらないのですか? ああ、もうおしまいだ。まるでくらやみだ。雷が落ちてきて、僕のからだを砕け! 噴火が起こって、僕を空の遠くへふきとばしてしまえ!

ああ、シグナルさん、あんまりだわ、私が何も言えないでいるからって、あんなに怒らなくったって、神様、シグナルさんに雷を落とすときは、一緒に私にも落としてください。

シグナレスさん、あなたは何を祈っておられたのですか、さあ、おっしゃってください。私、もうずっと前から、あなたのことばかり考えていましたわ。結婚してくれますか? でも私はこんなにつまらない……。わかっていますよ、僕にはそのつまらないところが尊いのです。私、あなたと結婚します。

しかし、シグナルとシグナレスは互いの場所から離れられなかった。周囲の者たちもみな二人の結婚に反対した。

とうとう、僕たち二人きりですね。ああ。地球は遠いですね。ええ。

シグナルとシグナレスは二人一緒の夢を見るしかなかった。

二人はまたほっと小さな息をした。

狐人的読書感想

そんなわけで、宮沢賢治さんの『シグナルとシグナレス』は、シェイクスピアさんの『ロミオとジュリエット』を彷彿とさせるような悲恋のお話でした。

とはいえ、シグナルとシグナレスは人間ではなくて、擬人化された鉄道信号機なのですが、あらすじではあえてその辺をぼかすという書き方をしてみました。

シグナルは新型の本線鉄道の信号機で、シグナレスは旧式の軽便鉄道の信号機、というあたりに身分の違いが表れていて、さらに信号機はその場から動けず、宿命的に二人が結ばれることはない、という設定はとても秀逸だと感じました。

しかも当時最新式の信号機であったシグナルはアメリカ製だそうで、もしも旧式のシグナレスが日本製ならばこれは国際恋愛か? などという、どうでもいいことまで考えてしまいました。

身分違いな恋、そしてプラトニックな愛――ただの鉄道信号機からここまで想像できた宮沢賢治の想像力(妄想力?)はすごいなあ、と単純に感心してしまいました。

意外に思ったのは宮沢賢治さんが童話の中で恋愛を扱った作品は『シグナルとシグナレス』が唯一であるということ。

……『土神と狐』は? と思ったのですが、僕はあの話からあまり恋愛要素は感じなかったので、まあ除外してもいいような気がしています(意義のある方が当然いらっしゃるかもしれませんが)。

この先、作品中に恋愛要素があるのか否か、という観点から宮沢賢治作品を読み進めていくのも、一つおもしろそうに感じています。

さて、今回のブログタイトルにさせてもらったamazarashiさんの『ラブソング』という曲に「シグナルとシグナレス」という一節があります。

宮沢賢治さんの童話の世界観や造語には独特のものがありますが、amazarashiさんの曲にも独特のものがありますね。

『ラブソング』は「多すぎるラブソングへの皮肉」が歌われているのだそうですが、ともあれサビのワードセンスいいなあ、と感じました。

他の曲もちょっと聞いてみたく思いました。

話を戻しまして、作品の感想については、共感できるかどうか、けっこうわかれるような気がしました。

シグナルのセリフがキザすぎるきらいがあるんですよねえ。ちょっと高慢なところもある気がします(身分が高い設定だから仕方がないのでしょうか?)。

「あなたのつまらないところが尊い」って……、「ありのままの君が好き」とか「俺は今のハイジが好きだ」(?)みたいな意味なんですかね?

シグナレスの控えめなところには好感が持てましたが、ロマンチックを前面に押し出し過ぎていて、二人の世界に読者はついていけるだろうか、みたいな。

とはいえ、応援したくなってしまう二人ではあります。

でも、信号機である二人は地面に固定されて動くことはできず、現実に二人で遠くへ逃げることはままならず、結局夢の中でしか幸せになれないところに哀しみやさびしさを感じます。

人間は信号機とは違って動けるのだから、「恋したんなら迷わず動けよ!」的な、ありもしないだろう教訓を見出したような気になっているのですが、どうなんでしょうね?

読書感想まとめ

鉄道信号機は動けない。
だけど人間は動ける。
恋したんなら迷わず動けよ!

狐人的読書メモ

・そういえば、カミナリは金属に落ちるのではなくて高いところへ落ちる、という雑学を思い出した。金属を身につけていて落雷に遭い、逆に助かった事例もあるらしい。

・「もっともほかの女の人僕よく知らないんですけれどね」ってセリフにイヤな予感を覚える。ほかの女の人をよく知ったらひょっとして……。

・『シグナルとシグナレス/宮沢賢治』の概要。1923年(大正12年)、『岩手毎日新聞』にて初出。賢治童話の中で唯一恋愛を扱った作品であるらしい。作中に出てくる「愛する」という表現は、当時の日本近代文学では前例のない愛情表現の用法である、との指摘がある。

以上、『シグナルとシグナレス/宮沢賢治』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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