小説読書感想『赤い蝋燭 新美南吉』親子で楽しめる童話! それが一番大事!

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コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。
(「『狐人』の由来」と「初めまして」のご挨拶はこちら⇒狐人日記 その1 「皆もすなるブログといふものを…」&「『狐人』の由来」

[まとめ買い] みなみけ(ヤングマガジンコミックス)突然ですが、

問.赤い帽子をかぶると涙を流して小さくなるもの、なーんだ?

答.連敗中のカープファン……

じゃなくて、

今回は小説読書感想『赤い蝋燭 新美南吉』です。

さて「北の賢治、南の南吉」(やっぱり狐人的にお気に入りの言い回し)の新美南吉 さんの『赤い蝋燭』です。

『赤い蝋燭』の初出は1936年(昭和11年)、『幼稚園と家庭 毎日のお話』という図書に掲載されました。『幼稚園と家庭 毎日のお話』は、さすがに古い読み物だけあって、全国的に所蔵している図書館も少ないみたいですねえ――594ページって……。

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『幼稚園と家庭 毎日のお話』ということは、幼稚園児のような幼い子供向けに書かれた童話と思われるかもしれませんが、童話って意外と大人が楽しめる読み物ですよね、ということに気づき始めた今日この頃なのです(遅しでしょうか)? このところ童話の感想が続いているからかもしれませんが(前回ブログ記事はこちら⇒小説読書感想『ルンペルシュティルツヒェン グリム童話』映画化予定あり!

 

別段大人向けでなくとも、絵本が大好き!、といった大人の方は結構いるように思います。お子さんをお持ちの親御さんなんかは、お子さんに読み聞かせをするうちに、自分がはまってしまったなんて方もいらっしゃるのでしょうか。

赤いろうそく (新美南吉童話傑作選)親子が一緒になって童話を楽しんでいる姿というものは、想像してみると、なんだかほのぼのさせられてしまう光景です。

 

 

これまでにもいくつかブログ記事を書いていますが、新美南吉 さんの童話にはそうした作品がとても多いように思います。

小説読書感想『あし 新美南吉』ブログで読もう!馬の感性に「しびれる」
小説読書感想『飴だま 新美南吉』物語作りの構成力が学べる、心温まる童話

よろしければこちらもぜひご一読ください。

――ともあれ、今回は『赤い蝋燭』ということで、お付き合いいただけましたら幸いです。

新美南吉 さんの『赤い蝋燭』は、無料の電子書籍Amazon Kindle版で4ページ、文字数1200字ほどの童話です。未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

「全文はちょっと……」、「昔読んだことあるけどどんな話だっけ……」、といった方々のために、以下簡単なあらすじです。ここからは、中学生・高校生から大人まで楽しめる内容にできるよう頑張りたいと思います!

(ここからネタバレ含みます)

この蠟燭に火をつけた者は……。

誰かが落とした「赤い蝋燭」を拾ったのは、山から里の方へ遊びにいった猿だった。蝋燭を花火だと勘違いした猿は、それを山へと持ち帰り――山は騒然となる。

あかいろうそく (フレーベル館復刊絵本セレクション)鹿も、ししも、兎も、亀も、いたちも、狸も、狐も……誰も花火を見たことがない。

 

 

あぶない危い。そんなに近よってはいけない。爆発するから」

唯一花火を知っている猿が説明する。

皆、驚きつつも、夜空に咲く、色とりどりの花火を想像する。

「それなら、今晩山の頂上てっぺんに行ってあそこで打上げて見よう」

提案する猿。賛成する一同。

夜。

爆発するかもしれない危険な花火に誰が火をつけるのか。

くじ引きで決める動物たち。

くじ運の悪いトップバッター亀は失敗。

続く鼬もやりそこない、ついに勇敢なる獣・猪が、痺れを切らして猪突猛進する!

そしてとうとう火がついた赤い蝋燭。

草むらに飛び込み、耳をふさぎ、目もふさぐ(?)動物たち……。

しかし蝋燭はぽんともいわずに静かに燃えているばかりでした。

…………。

その後――、猿の運命は? 火をつけた猪は? そして「赤い蝋燭」を落とした人物とは? その目的は? はたして……。

――続きは本編にて!

――明かされません!

新美南吉 さんの『赤い蝋燭』はこれにて終了です(続きが気になってしまった方には申し訳ないのですが)。

[まとめ買い] DEATH NOTE カラー版(ジャンプコミックスDIGITAL)もしも、あらすじの冒頭部分に、小畑健 さんの漫画『DEATH NOTE(デスノート)』の雰囲気を感じてくださった方がいらしたら、とても仲良くなれそうです(無茶言い過ぎ?)。

 

とはいえ、何も考えなしに、ただただ『DEATH NOTE(デスノート)』が好きだから(ただただ『DEATH NOTE(デスノート)』が好きなのですが)、今回のブログ記事に取り上げてみたわけではありません。

新美南吉 さんの『赤い蝋燭』は、小畑健 さんの漫画『DEATH NOTE(デスノート)』に通じる部分があることに、もうお気づきでしょうか。

そう、夜神月が「デスノート」を拾ったように、猿が「赤い蝋燭」を拾っている点が共通しているのです(無理矢理過ぎ?)。

「ハイ・ファンタジー」、「ロー・ファンタジー」といった言葉を聞いたことがあるでしょうか。

近年流行った「異世界転生もの」を中心としたWeb小説などのジャンルとして、浸透しつつある言葉かもしれません。

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『Re:ゼロから始める異世界生活』、『オーバーロード』、『この素晴らしい世界に祝福を!(2017年1月11日よりTVアニメ第2期が放送開始!)』『ソードアート・オンライン(2017年2月18日に劇場版アニメ映画が公開予定!))』などが有名でしょうか。

Web小説? 異世界転生もの? といった方はこちらのブログ記事をどうぞ。
小説サイトでWeb小説を書こう!小説雑学①Web小説
小説サイトでWeb小説を書こう!小説雑学⑦異世界転生もの

明確な定義があるわけではないのですが、

「ハイ・ファンタジー」は、異世界で展開する物語。
「ロー・ファンタジー」は、現実世界に異世界の存在(代表的なものとしてやはり魔法)がかかわってくる物語。

といった感じ。

こうして見ると、現実世界に死神界の「デスノート」が絡んでくる『DEATH NOTE(デスノート)』は、明らかにロー・ファンタジーです。

では『赤い蝋燭』は?

いろいろな動物たちがおしゃべりしている「山」は異世界といえそうです。では、ハイ・ファンタジーか(童話自体ハイ・ファンタジーみたいなものですが)。ところが、猿が遊びに行った「里」は、猿からしたら異世界で、そこで拾った「赤い蝋燭」は、異世界の存在ですよね。では、ロー・ファンタジーなのか……。

こうして考えてみると、新美南吉 さんの『赤い蝋燭』は、ハイ・ファンタジーとロー・ファンタジーが混在した、稀有な物語のように感じてしまうのは、はたして僕だけなのでしょうか?

とか思ってみたり。

鬼が島から財宝を持ち帰ってきた『桃太郎』や竜宮城から玉手箱を持ち帰ってきた『浦島太郎』があるか。

とか翻してみたり。

結果、やっぱり『DEATH NOTE(デスノート)』の話題を出したかっただけ、みたいになってしまいましたが、ともかく。

『赤い蝋燭』は、登場人物であるところの動物たちの無知と、僕ら読者が持っている知との間にある落差によって笑いが生まれます。

一応、笑いどころは次のとおり。

・「赤い蝋燭」を「赤い花火の筒」と勘違いする猿(蝋燭と花火は普通間違えないよ!)
・亀と鼬が着火に失敗した理由(詳しくは本編参照)
・火のついた蠟燭(動物たちからしたら花火)を前に取った動物たちのおかしな行動(目もふさいだら花火見れないよ?)
・ところで動物たちはいつ蠟燭だと気がつくのでしょう?

しかしながら、笑いだけではなくて、童話というものには、寓意としての教訓が含まれていることも多いですよね。『赤い蝋燭』にも何か学ばされる教訓といったようなものがあるのでしょうか? 考えてみました。

リーダー性というものについて。

物語中で、猿は動物たちのリーダーとして描かれています。なぜ猿がリーダーなのかを考えてみると、

・人間に類似した猿は知能が高い
・猿だけが花火についての知識を持ち合わせている
・人の世界「里」(動物たちの「山」から見た異世界)から「赤い蝋燭」(異世界の存在)を持ち帰ってきた特異性。

「ついていきたい」と思われるリーダーになる51の考え方すなわち、高い知能、豊富な知識、他人と違う特異性(カリスマ)、蝋燭を拾うような運――といったようなものが、リーダーとなる人には備わっているのだ、といったようなリーダー論として読み取ることができるでしょうか。

 

あるいは。

「生兵法は大怪我のもと」……少しばかり知っているだけの知識に頼って何かをすると、かえって悪い結果が生じることのたとえ。

その後、みんなをさんざんお騒がせした猿が、他の動物たちから、どういった扱いを受けるのか(総スカン?)、ということを考えてみると、上のことわざのような教訓が含まれているのかもしれません。

とはいえ、闇の中にポツンと灯る小さな蝋燭の火、というものも、それはそれで趣があって美しいもの。

その後、やさしい山の動物たちが、猿を責めることなく、蝋燭の火を囲んで、猿の浅知恵(猿知恵?)を笑い話にして、照れ笑いを浮かべる猿の様子を笑ったりなんかして、夜を楽しんだのだと想像してみれば、なんだかほっこりするお話です。

デスノートとか、ハイ・ファンタジーであるとかロー・ファンタジーであるとか、リーダー論とか、寓意であるとか、教訓だとか……ごちゃごちゃ理屈(僕の浅知恵)をこねるよりも(自分で言い出したくせに)、頭をからっぽにして親子で楽しめる童話であること。

それが一番大事なのかもしれないと、思わされたのでした。

もちろん、物語から読み取れる教訓を、お父さんお母さんが子供に教え諭してもいいですし、いろいろと思ったり考えたりしてみたことを、読書感想文にしてもいいわけで、このブログ記事もそうした読み方をしていただけたなら望外の喜び――とかなんとか言ってみたり。

以上、『赤い蝋燭 新美南吉』の小説読書感想でした。

「北の賢治、南の南吉」。北の賢治が登場しているということは――、南の南吉もそろそろ……。そんなわけで(?)、文豪好き、美少年好きの女子は要チェック! 『文豪ストレイドッグス』

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それでは今日はこの辺で。

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