コンにちは。狐人 七十四夏木です。
(「『狐人』の由来」と「初めまして」のご挨拶はこちら⇒狐人日記 その1 「皆もすなるブログといふものを…」&「『狐人』の由来」)
Twitterで、
タイムラインを眺めていると、
小説を書く上でとても考えさせられるツイートが、
流れていきます。
先日も、
ふと目に留まったTwitterのツイートに対して、
ついつい質問をしてしまいました。
不躾な質問にもかかわらず、
丁寧に回答してくださったおふたり、
ありがとうございました。
そんなわけで、
小説仲間に、
(僕のごとき未熟者からしたら先輩とか師匠とか呼ばせてもらうべき方々かもしれないのですが、ここではこう呼ばせてください)
教えてもらった事柄を、
備忘録としてまとめておきたいと思います。
アルファポリス・小説家になろう・エブリスタ・カクヨムなど、
ネット小説投稿サイトで小説を書く小説仲間たちにも、
もし参考にしていただけたら、
幸いなのです。
まずはじめに、
僕の目に留まったTwitterのツイートは、
だいたい以下のような内容でした。
・台詞が多い方が読みやすい。
・今は「筆力の高さ」よりも「読みやすさ」が求められている時代なのかもしれない。
慧眼だと思ったのです。
それで、
僕がどのように思ったのかというと、
「これからは『台本形式』の小説がくる!」
ということでした。
『台本形式』の小説とは、
台詞を表す「」(かぎかっこ)の前に、
作品の登場人物の名前を記し、
地の文の描写を省略する形式のことを指します。
A:「おはよう。今日のテスト最悪だね。ところで昨日のあの番組おもしろかったよね」
B:「うんうん。テストなんてなくなればいいのに。しかし、まさかあんなふうに落とし穴に落ちるとはね。超ウケる」
C:「……おまえら勉強しろよな」
こんな感じ。
(どんな感じだよ、かもですが、ともかく)
純粋な『台本形式』の小説で、
成功を収めている作家さんは、
まだほとんどいないでしょう。
しかし、
何が受け入れられるかは、
時代によって全然変わってくるのです。
しかししかし、
現在ではこの『台本形式』は、
小説として認められないケースも多い。
「これからは『台本形式』の小説がくる!」
といった考え方は、
短絡的思考の帰結なのでしょうか?
このような疑問を、
Twitterでツイートされていた方に、
ぶつけてみたのです。
(いきなりぶつけてしまってごめんなさい)
すると、
以下のような回答をいただきました。
・現在は一見すると台本っぽいラノベの時代の様に思えるが、それだと他の作品との差別化が、シナリオと設定でしか図れない。
・シナリオにはパターンがあり、王道といったものはすでに固定化している。
・では、他との差別化を図る手段というのが設定しかないということになるが、それだけではさすがに底が浅くなり過ぎる。
・すなわち、今はどちらかといえば、読みやすい台本形式に近いような台詞回し重視の作品が目立っているが、近い将来また筆力が重視される時代に戻るのではないか。
とてもわかりやすく、
説得力のある説明をしてくださいました。
(今度ルパン三世見るのです!)
それで、
気になったのが、
他のひとはどう思っているのでしょうか?
Twitterで、
普段のツイートが興味深い、
もうお一方に、
訊いてみました。
こちらの方も、
お忙しいのに、
丁寧に回答してくださいました。
以下にまとめるのです。
・まず、筆力というものが何かということは、結構曖昧。『ページをめくらせる力(飽きない文章)』であったり、『細部まで書き込まれた文章』のことを言ったりする。個人的には、前者を筆力と認識している。
・そう考えると細部まで粗くならず考えられた物語は、文章の体裁に関わらず筆力があると見なされるかもしれない。であれば、シナリオ形式(台本形式)でも面白ければアリ。
・ただし、それを読者が小説として受け取ってくれるような工夫が必要になってくる。そうしたとき、惹き込まれる物語を全て描くのは難しいかもしれないと、個人的には考えている。
・また、これについては、長文よりも短文の方が難しい。なので、言葉や細部はむしろシナリオの方にこそ拘りが必要となる。
・さらに、読みやすさ(リーダビリティ)は筆力の一要因。10人いれば10通りの文章があり、文章体裁は読者に著者が伝えたいことを全て伝えるための表現方法である。
・以上のことから、考えるべきところは、如何にして読者にわかりやすく、著者の伝えたいことの全てを伝えていくか、そして伝えた設定や世界観で如何に読者を惹き込めるか。重視すべき点はこれに尽きる。
「小説は読者がいて初めて小説になります! 読者対象を明確にして、その方たちを楽しませる物語を描ければきっと良い結果が得られると思いますよ! ザックリとしていますが、回答になっていますでしょうか?」
なっておりますとも。
とても勉強になりました。
さらに、
貴重なアドバイスを、
追加でいただきました。
以下のとおりなのです。
・今「転生もの」などが流行っているが、その根幹にあるのは読者を共感、感情移入させるということ。あくまで転生やトリップはギミックである。ゆえに、共感性というものはいつの時代も変わらない必須要素なのではないだろうか。
これについては、
以前に僕が書いたブログ記事と通じる部分があるのです。
(⇒小説サイトでWeb小説を書こう!小説雑学⑦異世界転生もの)
とある書籍で読んだことの受け売りではありましたが、
見識のある方々はやはり同様の考えをもっているのだと、
感心させられてしまいました。
(僕などが感心とは、失礼になっていたら申し訳ないのです)
また、
このブログ記事の公開にあたり、
ご意見をいただいたお一方から、
「小説に関わる一個人の一意見と捉えていただければ幸甚です」
とのお言葉をいただきました。
決して、
ここに書かれていることだけが、
正しいわけではなくて、
他のあらゆる意見を広い視野で捉え、
参考にしてほしい、
ということだと愚考する次第なのです。
今後も、
よりよい小説書きになれるよう、
精進したいと思います。
(それ以前の問題が山積かもしれませんが)
最後にもう一度、
お忙しいところ、
お時間をとらせてしまい、
申し訳ありませんでした。
お二方とも、
ご回答くださって、
本当にありがとうございました。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは今日はこの辺で。
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コメント
興味深い記事です。ちなみに、拙作は脚本に寄せてはじめから書いてます。
小説家になろうで執筆をはじめる前に、しらみ潰しに30作品ほどを読んだのですが、ドラマ以外のどーでも良い部分の精筆な描写に自己陶酔して書いてる作者さんが、多すぎることです。
正直、私は他人の文章なんか読みたくない!
見たいのは気持ちを見たい!
作中の人物が何を感じて考えているかを知りたいだけです。
だから私は、脚本へ寄せて、地の文は風情と動きを、あとはセリフで気持ちを描くよう心掛けました。
狐人さんの小説も拝読いたしましたら、私と狙いが通じる所があったので、不躾ですがコメントいたしました。
あと、注文なんですが、ブログのせいかもしれませんが、連載の並びが6、1、2・・・なったりしていたので、分かりませんでした。
それと、コメントもどこへすれば良いかも分かりませんです。
脚本風の小説は読みやすくて、ありだと思います執筆がんばって下さいね。
コメントありがとうございます!
僕も、登場人物たちが遭遇する出来事、冒険であったり、降りかかる運命、謎解き、苦難や強大な敵に立ち向かう姿……物語の中で展開されるドラマ部分に一番ワクワクさせられるのです!
それをもっとも良く読み手に伝えられるのが、該当記事にもあるとおり、台詞回しの部分だと思ったのです。
ゆえに台本形式の小説がこれからくるか!?
と思ったのですが……
見識高い小説仲間の意見を伺ってみて、ことはそう単純な話ではないのだと、勉強させられたのです。
会話のみでは伝達や表現にやはり限界がある。
しかし読み手に伝えたいことが充分に伝わり、物語の世界に引きこむことができれば、かたちにこだわる必要はまったくない。
僭越ながら、星川(タイラー少佐)さんの試みは、たしかに僕にも共感できる部分があり(偉そうに言ってすみません!)、他と少しでも違った作風をとチャレンジしている、そんな小説仲間の存在をとても嬉しく思ったのです!
切磋琢磨! 今後もよろしくお願いするのです!
ご注文の点について、分かりにくい箇所が多く、誠に申し訳ありませんでした。
ご指摘のとおり、まだまだ未熟者ゆえ、ブログについてもっともっと勉強して、改善できるよう努めます。
『狐人小説』は、自作発表のみの場にしたいとの思いがあり、あえてコメント欄を設けておらず、コメントは、小説を読むあるいは書く小説仲間たちとの双方向のコミュニケーションの場(にしていきたい!)、『狐人日記』の関連記事にとんでいただき、その記事下のコメント欄にお願いしているのですが、これはたしかにわかりにくく、読者の方にお手数をおかけしてしまうことも、ユーザビリティの点で良くないと思いました。
この点についても今後改善に努めていきたいと思います。
最後にもう一度。
僕の記事および小説を読んでくださり、コメントまで寄せていただき、本当に本当にありがとうございました。
脚本や舞台台本の流れを汲む作家には、既に御大がいます。
たとえば、時代小説の池波正太郎さん「鬼平犯課帳」「剣客商売」「必殺技仕事人」
池波正太郎さんは、「瞼の母」の長谷川伸大先生の弟子で、小説の傍ら、新国劇で脚本も書かれていました。
私は脚本畑出身ですが、まだまだ、その域には達していませんが、既に御大がいらっしゃるんですよ。
別段新しい作法ではないんです。
しかも池波正太郎さんも長谷川伸さんも大衆小説の大文豪です。
追記コメント、ご教示いただきありがとうございます!
ご指摘の点、勉強不足でした。
脚本や台本の形式を主軸に置き、登場人物のドラマを中心に、読み手に伝えたい重要な設定や世界観はできるだけ簡素化した地の文で魅せる。
エンターテインメントとしての小説のひとつの在り方だと思いました。