狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『ハンスぼっちゃんはりねずみ/グリム童話』です。
文字数4500字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約10分。
どんな子でもいいから、生まれてほしいと思う親。しかし実際に生まれた子供を疎ましく思ってしまう親の気持ち。子供を生むってむずかしいですね。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
裕福な百姓夫婦がいたが、子供には恵まれなかった。「はりねずみでもいいから子供がほしい」と父親は言った。すると、上半身がはりねずみ、下半身が人間という姿の子供が生まれてきた。子供はハンスと名づけられた。ハンスは針で人を傷つけてしまうので、だんだん父親は彼を疎ましく思うようになった。
ある日、ハンスは父親から市のおみやげにバグパイプをもらい、足に金具をつけたおんどりをくれれば、もうここには戻らないと言った。父親は厄介払いができると思い、喜んでハンスの望みを聞いてやった。
ハンスはおんどりに乗り、豚とロバを数頭連れて森に行った。おんどりに乗ったまま木の上にとまり、豚とロバの番をしながらバグパイプを奏でて暮らした。
あるとき、道に迷った王様が「道案内をしてほしい」とハンスに頼んだ。「王様がお城に帰って最初に目にしたものをくれるなら、案内するよ」とハンスは言った。王様は証文を書いて約束するが、どうせ文盲だろうとバカにして、「約束は守らない」と証文につけ加えておいた。さらに別の王様が森で道に迷い、同様の約束をするが、証文にはきちんと約束を守る旨を書いた。
二人の王様が城に帰って最初に見たものは、出迎えに出ていた愛娘だった。最初の王様は娘をハンスに渡す気はなかった。ハンスが来たら討ち取るようにおふれを出した。もうひとりの王様にも葛藤はあったが、ハンスがきたら手厚くもてなすようにおふれを出した。
豚がとても増えたので、ハンスは村に戻って豚を村人たちに与え、旅に出ることにした。最初の王様の城で手荒い歓迎を受けたハンスは、王様と娘を脅して無理矢理娘を手に入れたが、馬車の中で娘の服を脱がせ、針で傷だらけにして放り出した。
もうひとりの王様のところでは、ハンスは手厚いもてなしを受け、娘と結婚することになった。娘はハンスと寝ることを怖がったが、ハンスは部屋の外に兵士を四人見張りにつけて、自分がはりねずみの皮を脱いだら、それを火の中に投げ込んで燃やすように頼んでおいた。
兵士たちが言われたとおりにはりねずみの皮を燃やしてしまうと、ハンスの魔法はすっかり解けた。しかし体はやけどしたように真っ黒になった。医者が軟膏や聖油を塗り込むと、ハンスは肌の白さを取り戻してハンサムな若者になった。ハンスは王国を受け継ぎ、後年、妻と一緒に父親のところへ帰り、一緒に王国へ連れて帰った。
狐人的読書感想
上半身がはりねずみ、下半身が人間の生き物、というのは、はじめて聞きましたね。上半身が人間で、下半身が馬のケンタウロスとか、頭が牛のミノタウロスとか思い浮かべてしまいます。
この童話では、ハンスのお父さんであるところの百姓の気持ちが印象に残りました。
子供が生まれないから、どんな子供でもほしいと思うのは、親として当然の願いだとは思いました。そして、生まれてきた子供がはりねずみ人間だった、それで今度は子供を疎ましく思ってしまった気持ちも、わからなくはないように思います。
子供が病気だったり欠損児だったりした親の気持ちって、こんな感じなんでしょうかね? どんな姿でも我が子として愛してほしいと願いますが、言うほど簡単なことではないのかもしれません。
望んで生んだはずの子供を愛せない親の気持ちを思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
望んだ子供を疎んじる親の気持ち。
狐人的読書メモ
・『ハンスぼっちゃんはりねずみ/グリム童話』の概要
KHM108。原題:『Hans mein Igel』。
以上、『ハンスぼっちゃんはりねずみ/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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