朝/太宰治=一線は越えていません。

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

朝-太宰治-イメージ

今回は『朝/太宰治』です。

文字数3000字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約7分。

私の秘密の仕事部屋は、若い女の人の部屋だった。酒を飲み、知り合いの娘と迎える朝。本当に一線は越えてないの? ところで、一線を越えるにはいろんな定義があります。男女によって違いがあります。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

私は家族に秘密の仕事部屋を持っていて、それは若い女の人の部屋だった。彼女が朝早く銀行に出勤し帰るまでの間に、私は四、五時間そこで仕事をして引き上げる。私は彼女の母親と知り合いで、離れ離れに暮らす娘のことを頼まれている。先日はその母親から手紙で意見を求められ、彼女の結婚候補者の青年とも会った。まさに父親代わりのようだった。

ある夜、大酒を飲んだ私は、秘密の仕事部屋に泊ってしまう。夜中に目を覚ますと、当然彼女は在宅で、同じコタツに足を入れて直角に寝ている。部屋を明るくする必要があるが、どうやら停電であるらしい。私は彼女に蝋燭を点けてくれるよう頼む。

蝋燭の短さが気になる。

『私は黙した。天に祈りたい気持であった。あの蝋燭が尽きないうちに私が眠るか、またはコップ一ぱいの酔いが覚めてしまうか、どちらかでないと、キクちゃんが、あぶない。』

いよいよ蝋燭が消えると、しらじらと夜が明けていたのだった。

狐人的読書感想

一時期ワイドショーや週刊誌などでよく見かけた「一線は越えていません」ということみたいですね、太宰さん(笑)

なかなかおもしろいお話でした(どっちが?)。

しかし「一線を越える」の定義って、それなりの個人差がありそうですよね。

ネットで調べてみると「恋愛感情が入った時点で一線を越えている」と感じる人もいれば、「男女関係を持ってはじめて一線を越えた」と考える人もいてピンキリのようですね。

あるアンケートによれば、女性は「手をつなぐ」が一番多く、男性は「男女関係を持つ」が一番多く、当然ながら男女によっても「一線を越える」の定義は違うみたいです。

さらに往々にして、男性と女性とでは「一線を越えたくなるシチュエーション」も変わってくるのだといいます。

「二人でお酒を飲む」「夜遊びに行く」「同じ部屋で過ごす」「車でドライブ」など、男性は二人きりになれれば「ほぼいけるシチュエーション」と考える傾向がある一方で、女性のほうは「ただ一緒に遊びたかっただけ……」という場合がけっこうあるそうです。

おおむね女性の意見に納得できるのですが、とはいえ「同じ部屋で過ごす」だけはどうなんでしょうね? 同じ部屋に二人きりになって、何かあれば自己責任って感じです(……また別の週刊誌ネタを彷彿とさせます)。

本作の場合もこのパターンに当てはまっていますね。「私」もキクちゃんもなんとなくお互いにそんな気があったように見受けられるので、まあ何かあっても自己責任って感じだったかもしれません。

「私」は、娘のような女性を異性として意識していますが、男性は若い女性が好きっていうのは、当たり前になっていますよね。

おそらくは子孫を残すための本能的なところが影響しているんだと思います。

しかし娘のような女性といっても、本当に幼いころから知っている女性を女性として見るのは、なかなか難しいそうです。

これも本能的な意識が働いているそうで「一緒に育ってきた現実の妹を好きにはならないお兄ちゃん」と同じ理屈みたいです。

インセスト・タブーで遺伝子の多様性が損なわれると、生まれてくる子供が病気に弱くなったり、身体の一部が欠損したりするので、本能的に忌避感が働くんだそうです。

複雑な男女関係を思った、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

一線は越えていません。

狐人的読書メモ

・お酒を飲んでさわやかな朝、というのは聞いたことがない気がした。

・『朝/太宰治』の概要

1947年(昭和22年)『新思潮』にて初出。一線を越えていない男女の朝。

以上、『朝/太宰治』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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