母/芥川龍之介=幸せや不幸を他人と比べてしまうこと。

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

母-芥川龍之介-イメージ

今回は『母/芥川龍之介』です。

文字数10000字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約23分。

敏子は子供を亡くしたばかり。隣の女は赤ちゃんを産んだばかり。お互いがお互いを比較して不幸を感じ、幸福を感じる。やがて女の赤ちゃんも亡くなると――嬉しくっては悪いんでしょうか?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

野村敏子は夫の仕事の都合で上海に渡った。上海の旅館に着いてまもなく子供を肺炎で亡くした。三階の部屋にいると亡くした子供のことを思い出してつらく、夫に頼んで二階の部屋へ移ってもらった。しかし隣室から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきて――耐えられず、再び三階の部屋へ戻った。

翌日、敏子は二階の赤ちゃんの母親と知り合いになり、子供について言葉を交わした。赤ちゃんの母親は敏子が最近子供を亡くしたことを知っていて同情していた。しかし彼女は赤ちゃんを抱きながら得意の情が湧いてくるのをどうすることもできなかった。

やがて敏子は社宅のある蕪湖の雍家花園に引っ越した。ある日、あの赤ちゃんの母親から手紙が届き、やはり子供が肺炎で亡くなったことを敏子に知らせた。敏子は彼女に同情しつつも、そのことが嬉しいのだと夫に話す。

『なくなったのが嬉しいんです。御気の毒だとは思うんですけれども、――それでも私は嬉しいんです。嬉しくっては悪いんでしょうか? 悪いんでしょうか? あなた。』

敏子の声には荒々しい力がこもっており、夫はなんとも答えることができず、何か人力に及ばないものが厳然と前へふさがったように感じていた。

狐人的読書感想

タイトルから想像していたお話と違いましたが、考えさせられるテーマでした。幸福とか不幸というものは、自分が幸せだと思えば幸せだし、不幸だと思えば不幸なわけで、本来人と比べるようなものではないんですよね。

しかし人間は比べたがる生き物です。

①自分のほうが幸福だと幸福感が増す
②他人のほうが幸福だと幸福感が減じる
③自分のほうが不幸だと不幸感が増す
④他人のほうが不幸だと不幸感が減じる

本作の場合、

・赤ちゃんの母親は①で、自分のほうが幸福だと感じて幸福感が増した
・敏子は④で、他人の不幸を感じて不幸感が減じた(あるいは幸福感を得た)

ということになりそうです。

赤ちゃんの母親は子供を亡くした敏子に対して優越感を感じており、敏子は赤ちゃんの母親が子供を亡くしたことで慰めを感じています。

このような心の動きって、正直けっこうわかるんですよね。

誰かと比べて幸せを感じたり感じられなかったり、あるいは誰かと比べて不幸を感じたり慰められたり。

幸福や不幸の感じ方は人それぞれであって比べるべきものではないのだと思いつつも、どうしても比べてしまいます。

お金持ちだって必ずしも幸福ではないのだとか、貧国に生まれた人たちに比べたらこの国に生まれた自分は幸せなのだとか。

あるいは石油産出国のようなリッチな国に生まれなかった自分は不幸だとか、お金持ちが自分は不幸だと言っていることに反発を覚えたりだとか。

(お金の話ばかりに……)

幸福と不幸については本当に他人と比べたくないと思った、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

幸せや不幸を他人と比べてしまうこと。

狐人的読書メモ

・とはいえ、人と比べることが人間の成長につながるという意見もあったりする。

・『母/芥川龍之介』の概要

1921年(大正10年)9月、『中央公論』にて初出。1923年(大正12年)『春服』に収録。当時の評価は厳しいものが多かったが、田山花袋などは高く評価していたという。幸せや不幸を他人と比べてしまうこと。

以上、『母/芥川龍之介』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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