明るいお天道様は明るみに出す/グリム童話=許しはあるのだろうか?

狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

明るいお天道様は明るみに出す-グリム童話-イメージ

今回は『明るいお天道様は明るみに出す/グリム童話』です。

文字数1200字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約3分。

かつて男は人の命と金を奪い、幸せになりました。その罪を知った妻の行動には、どんな意味があるのでしょうか。許しはどこかにあるのでしょうか?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

仕事を探して旅をしている仕立て屋がいた。あるとき仕事がどうしても見つからず、無一文になってしまった。まもなく仕立て屋は一人のユダヤ人に出会い、彼の命と金を奪った。こと切れる直前にユダヤ人は言った。

「明るいお日さまが必ずこれを明るみに出すだろう」

その後、仕立て屋は長い旅を続け、ある町で仕事を見つけ、雇い主の美しい娘と結婚し、幸せに暮らした。夫婦に子供が二人できたとき、妻の父母が亡くなった。

ある朝、仕立て屋が飲もうとしたコーヒーに日光が注いで、壁のあちこちに光の輪を作った。それを見た仕立て屋は「お日さまはあれを明るみに出したいようだが、できないんだ」と呟いた。それを聞いた妻は、いったい何のことを言っているのか、知りたがった。仕立て屋は、絶対誰にも言わないように念を押して、ユダヤ人のことを話した。絶対誰にも話さないと約束したのに、妻はそのことを親友に相談してしまった。三日経つと仕立て屋の話は町中に知られていた。仕立て屋は裁判ののち処刑された。

こうして明るいお日さまはそれを明るみに出したのだった。

狐人的読書感想

単純な感想ですが、人の命を奪うというのは、やっぱりよくないことなんだなと改めて感じてしまいましたね。

仕立て屋はユダヤ人の命を奪った後悔を、長年心の中に抱えていたからこそ、ささいなきっかけでもっとも信頼する妻に話してしまったのでしょう。

後悔して生きるのはつらいことだと思います。しかし人がいつも後悔しないように生きるのはとても難しいようにも感じます。

どうすれば後悔している自分を許せるのでしょうね。仕立て屋の場合は一番大切な妻に打ち明けることで、心の整理をつけたかったのかもしれません。

しかし妻は他人にそれを話してしまいました。その結果、仕立て屋は処刑されてしまいましたが、はたして妻に話したことを後悔していたでしょうか。

後悔しないように生きたいけれど、もしも後悔してしまったとき、心の整理をつけるには誰かに頼るしかなく、そんな誰かがいてくれればいいなとは思いつつも、結局自分のことは自分で決着をつけるしかないのだろうな、とも感じた、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

許しはあるのだろうか?

狐人的読書メモ

・『明るいお天道様は明るみに出す/グリム童話』の概要

KHM115。原題:『Die klare Sonne bringt’s an den Tag』。

以上、『明るいお天道様は明るみに出す/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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