デンデンムシ/新美南吉=雌雄同体で-120℃でも生きられる!?

狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

デンデンムシ-新美南吉-イメージ

今回は『デンデンムシ/新美南吉』です。

文字数1000字ほどの童話。
狐人的読書時間は約2分。

デンデンムシ最強説。デンデンムシは雌雄同体なので単独での子孫繁栄が可能である。デンデンムシは-120℃でも生きられるので氷河期が訪れても大丈夫。ただし……

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

(今回は全文です)

『デンデンムシ/新美南吉』

オホキナ デンデンムシノ セナカニ ウマレタバカリノ チヒサナ デンデンムシガ ノツテ ヰマシタ。チヒサナ 小サナ スキトホルヤウナ デンデンムシデシタ。

「ボウヤ ボウヤ。モウ、アサダカラ、メヲ ダシナサイ。」ト、オホキナ デンデンムシガ ヨビマシタ。

「アメハ フツテ ヰナイノ?」

「フツテ ヰナイヨ。」

「カゼハ フイテ ヰナイノ?」

「フイテ ヰナイヨ。」

「ホントウ?」

「ホントウヨ。」

「ソンナラ。」ト、ホソイ メヲ、アタマノ ウエニ ソーツト ダシマシタ。

「ボウヤノ アタマノ トコロニ オホキナ モノガ アルデセウ?」ト オカアサンガ キヽマシタ。

「ウン、コノ メニ シミル モノ コレ ナアニ」

「ミドリノ ハツパヨ。」

「ハツパ? イキテンノ」

「サウ、デモ ドウモ シヤ シナイカラ ダイヂヨウブ。」

「ア、カアチヤン、ハツパノ サキニ タマガ ヒカツテル」

「ソレハ アサツユツテ モノ。キレイデセウ」

「キレイダナア、キレイダナア、マンマルダナア。」

スルト、アサツユハ、ハノ サキカラ ピヨイト ハナレテ プツント ヂベタヘ オチテ シマヒマシタ。

「カアチヤン、アサツユガ ニゲテツチヤツタ。」

「オツコツタノヨ。」

「マタ ハツパノ トコヘ カヘツテ クルノ」

「モウ、キマセン。アサツユハ オツコチルト コハレテ シマフノヨ。」

「フーン、ツマンナイネ、ア、シロイ ハツパガ トンデ ユク」

「アレハ ハツパヂヤ ナイコト、テフテフヨ。」

テフテフハ、キノハノ アヒダヲ クグツテ ソラ タカク トンデ イキマシタ。テフテフガ ミエナク ナルト、コドモノ デンデン蟲ハ、

「アレ、ナアニ。ハツパト ハツパノ アヒダニ、トホク ミエル モノ。」ト キヽマシタ。

「ソラヨ」ト カアサンノ デンデンムシハ コタヘマシタ。

「ダレカ、ソラノ ナカニ ヰルノ?」

「サア、ソレハ カアサンモ シリマセン。」

「ソラノ ムカフニ ナニガ アルノ?」

「サア、ソレモ シリマセン。」

「フーン」チヒサイ デンデンムシハ、オカアサマデモ ワカラナイ フシギナ トホイ ソラヲ、ホソイ メヲ 一パイ ノバシテ イツマデモ ミテ ヰマシタ。

狐人的読書感想

かわいらしいお話でした。好奇心いっぱいの子デンデンムシの質問に、母デンデンムシが答えている会話からは、リアルな母子の情景を思い浮かべることができます。

母デンデンムシが「わからないこと」を「わからない」とちゃんと言っているところが印象的なんですよね。

親はついつい子供に見栄を張ってしまいそうですが、正直にわからないと伝えることも大切だという気がします。

子デンデンムシの「空の向こうに何があるの?」という質問は、なんか深い哲学的な意味が見いだせそうで心に残りました。

ところで、デンデンムシってけっこう漫画とかで見かける機会が多い気がするんですよね。

『ONE PIECE』の電伝虫とか、『ストーンオーシャン』のヘビー・ウェザーとか、『化物語』のまよいマイマイとか。

創作のモチーフとしておもしろいです。

そんなわけでちょっと調べてみました。

デンデンムシは雌雄同体なんだそうです。つまり雄と雌の機能を一匹が有しているわけで、二匹の個体がいれば必ず子孫繁栄できるのですが、じつは単体でもそれが可能なのだとか(ただし産卵数・孵化率は著しく低下する)。

エサは植物や枯葉だそうですが、殻をつくるためにカルシウムが必要で、都会のデンデンムシはコンクリートを食べるって、すごいですね。あんな硬いものをどうやって食べてるんでしょうね?

デンデンムシにはおろし金に似た小さな歯がなんと一万二千本も生えているらしく、それでかみ砕いているのかと思いきや、雨に濡れてコンクリートからしみ出した炭酸カルシウムを摂取しています。

デンデンムシの殻は、からだを乾燥から守るためにあるそうですが、それを維持するためには前述の通りカルシウムが必要なので、カルシウムがない地域でも生きられるように進化したのがナメクジだといいます。

粘液を多量に分泌することでからだを乾燥から守るわけです(なんとなくナメクジ→デンデンムシのイメージがあったので驚きました)。

デンデンムシは-120℃でカチンコチンに凍っても生きていられるんだそうです。まだ理由は解明されていないそうですが、解凍するとまた動き出すんだそうです。

すごいですね、デンデンムシ!

デンデンムシに興味を持った、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

雌雄同体で-120℃でも生きられる!?

狐人的読書メモ

・-120℃で生き延びることができたとしても、他の動植物が滅んでいることによってエサがなくなり、結局は滅びてしまうという話もある。

・……共食いでなんとか……とちょっとグロいことを思った。

・『デンデンムシ/新美南吉』の概要

1950年5月、『ひろった らっぱ』にて初出。好奇心いっぱいの子供に、正直に教える母親。かわいらしい母子の童話。親子の読み聞かせにおすすめできそう。

以上、『デンデンムシ/新美南吉』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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