小説読書感想『重力ピエロ』シビれる冒頭!春が二階から落ちてきた。

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「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」

冒頭の一文が、
とてもすばらしい小説といえば、
川端康成さんの『雪国』をまず思い浮かべるのですが、

「春が二階から落ちてきた。」

この小説の冒頭も負けず劣らず、
すばらしい!

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。
(「『狐人』の由来」と「初めまして」のご挨拶はこちら⇒狐人日記 その1 「皆もすなるブログといふものを…」&「『狐人』の由来」

今回の小説読書感想は、
伊坂幸太郎さんの
『重力ピエロ』
について書いてみたいと思うのです。

伊坂幸太郎さんの小説は、
結構読んでいるのですが、
狐人的に一番お気に入りの作品は、
この『重力ピエロ』である、
といっても決して過言ではないのです!

小説を書く、
あるいは読む、
小説仲間のなかにも、
伊坂幸太郎さんの小説が好きな方は、
多いのではないかと思います。

どの小説が一番のお気に入りか、
よかったらぜひ教えてほしい!
と思うのです。

当ブログ記事へのコメントや、
Twitterのツイートなど、
ぜひお待ちしているのです!

それでは、
まずは簡単なあらすじから。

仙台のとある街で連続放火事件が発生する。

事件現場近くには、
放火を予兆するような、
謎のグラフィティアートが描かれていた。

主人公・泉水の勤める遺伝子関連会社のビルも、
放火の対象とされる。

事件の直前、
泉水は弟の春から
「兄貴の会社が放火に遭うかもしれない」
といった伝言を受け取る。

なぜ弟は放火を予知できたのか?

それを皮切りに、
兄弟は事件に興味を抱き、
その調査に乗り出す。

やがて明らかになる、
グラフィティアートと遺伝子の、
奇妙なリンク。

事件の謎が解けたとき、
泉水が見た真実とは――

この小説は、
ミステリーに分類されます。

しかし、
この小説は家族の物語です。

兄の泉水と弟の春は、
半分しか血がつながっていません。

それは弟の春が、
母が父以外の男に、
無理矢理犯された末、
身ごもった子であるから。

春は、
この憎むべき犯罪がなければ、
自分が存在し得なかった、
という矛盾を抱えたまま、
長く苦悩して生きてきました。

産むべきか産まないべきか、
決断を迫られたとき、
ほとんど悩むことなく、
「よし、産もう」
と決断した父。

物語の現在の時間軸では、
美しい母はすでに亡くなり、
父は癌に冒されながらも、
兄弟の支えで在り続けます。

病に冒され、
その姿は弱々しく映るも、
最期までまさに一家の大黒柱で在り続けます。

父親のさりげない一言一言に、
どれだけ兄弟が救われているか、
物語の全編をとおして伝わってきます。

この父親こそ、
兄弟にとって、
家族にとって、
物語にとって、
核となる存在。

狐人的には、
この父の在り方こそが、
この『重力ピエロ』の放つ、
力強いメッセージであるように感じました。

すべての父親に読んでほしい!
と思わされるのです。

伊坂幸太郎さんの作品といえば、
洗練されたユーモアセンス。
(好みが分かれるところかもしれませんが)

『重力ピエロ』にも、
軽快な会話の中などに、
それがちりばめられていて、
とても愉しく読み進めることができるのです。

軽快な会話といえば、
登場人物たちのさりげない一言に、
はっとさせられることが多く、
僕もこういった台詞回しを、
自然に描けるようになりたいと、
とても勉強させてもらいました。

それから、
春を追いかけるストーカー、
ゆえに「夏子さん」と呼ばれる登場人物の、
キャラクター設定に魅せられました。

狐人的には、
この「夏子さん」が、
『重力ピエロ』のなかで、
一番魅力的なキャラクターといえるかもしれません。
(一般的には、やはり春のキャラクターを一番魅力的に思われる方が多いのかもしれませんが。伊坂幸太郎さんの描く小説の登場人物たちは、本当に魅力溢れるキャラクターが多いのです!)

要所要所に導入されるトリビア的な挿話も、
読者を飽きさせない手法として、
大いに学ばされました。

伊坂幸太郎さんの小説を読んでいて、
ほとんどいつも思うのは、
卓越したミステリーとしてのバランス感覚、
なのです。

絶対に解けないような謎を求める、
コアなミステリー読者もいるかとは思うのですが、
ほとんどのひとは、
解けるか解けないか、
といった絶妙なバランスを備えたミステリーを、
求めているのではないでしょうか。

伊坂幸太郎さんは、
絶妙な、
このミステリーとしてのバランス感覚をもった作家さんだと、
狐人的には考えています。

これは、
先天的なものなのか、
それとも後天的に身につけたものなのか、
ぜひ知りたいと、
作品を読むたびに思わされるのです。

心に響く、
考えさせられる、
フレーズや引用が多いのも、
『重力ピエロ』の特徴のひとつ。

P.106,153,189,196,261,263,297,348 (文庫版)

以上は、
狐人的に心打たれるフレーズや引用のあったページ、
備忘録として記しておくのです。
(もしも、これから『重力ピエロ』を読もう!という方がいらっしゃったら、このページに着目して読んでいただけると、狐人的にはうれしいのです)

なつやすみ。

文庫本で485ページと、
ページ数はありますが、
非常に読みやすいので、
読了にさほどの時間はかからないはず。

誰でも身近な「家族」が主要テーマとなっており、
個人的な思いを喚起させられるような場面も多く、
読書感想文には最適の一冊。

なつやすみの宿題に読書感想文がある学生のみなさん。

『重力ピエロ』

いかがでしょうか。

もちろん、
小説家になろう・エブリスタ・カクヨム・アルファポリスなど、
ネット小説投稿サイトで小説を書く仲間たちにも、
大変勉強になる一冊。

小説を読む小説仲間たちもぜひ!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それでは今日はこの辺で。

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