コンにちは。狐人 七十四夏木です。
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【140字の小説クイズ!元ネタのタイトルな~んだ?】
のまとめ。
その5。
文学作品の印象的な部分をピックアップ。
これで元ネタがわかれば凄い、という趣。
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元ネタの読書感想に飛びます!
81
大好きなお姉ちゃんの青春を、いやその命を奪った卒業証書。見る度に胸が痛んだけれど、お国の役に立つために、姉が命と引き換えに貰ってくれたものだったんだ。南方へ日本語を教えに行こう!若さ、青春、命。私のために全てを捨ててくれた姉に報いるには、私も全てを捨て去るほかに、道はない!
元ネタのタイトルな~んだ?
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82
「部屋がぐるぐる回ったのは、遊園地にあるマジックハウスの仕掛けで、床はゆらゆら動いていただけ、実際にひっくり返ったりはしなかったのさ。周りの壁や天井が、箱のようにできていて、それがくるくる回るので、天井に上がったように感じたんだ」
「さすが小林団長だ」と魔法博士は言った。
83
天には恋人たちがいた。二人は夜ごと地上に降りては夜の散歩を楽しんだ。その晩は特に寒くて、天の川にも霜が降りるほどだった。恋人たちは詩人の庭に煙を見つけて、たき火の炎で暖を取り、明け方まで語らっては、天へと帰っていった。
84-A
彼女は友達がいい男と付き合いそうになると「絶対にやめたほうがいいよ!」と言った。彼女はいつ男に声をかけられてもいいように「自分よりもかわいくない友達」としか遊ばなかった。彼女は元カレの悪口をまわりのひとたちに言いふらした。彼女は『他人の苦痛を享楽する病的な興味』を持っていた。
84-B
老人は絶望していた。
首をくくる悲壮な決意を固めていた。
たまたまそれを見た子供が、
「ははは、じいさんがあんなことしてら」
と笑いながら元気よく走っていった。
85
弓使いの男は霍山の頂に住む老師を訪ねた。早速弓の腕前を披露した。老師は「射之射を知るも不射之射を知らぬ」と言った。ムッとする男。しかし次の瞬間、老師は弓矢も持たず、矢を放つしぐさを見せた。すると悠々と舞う鳥が落ちた。
「まずは精孔を開くことからじゃ」
男の修行が始まる!
86
「早く宿題やりなさい!」
『トカ○○○○』
――あの音が聞こえる。
「いまやろうと思ってたのに……」
87-A
むかし心の素直な、やさしい小さな女の子がいた。お父さんとお母さんはいない。貧乏で住む家もない。あるのは身に着けた衣服とひとかけのパンばかり。女の子は森に行くまで、出会った人たちに乞われると、その僅かな持ち物さえすべて与えてしまう。すると夜空からたくさんの銀貨が降ってきた。
87-B
私は知ってる。女の子が森に行くまで、出会った人たちに乞われて、その僅かな持ち物さえすべてあげてしまうと、夜空からたくさんの銀貨が降ってきたことを。私にもお父さんとお母さんがいない。貧乏で住む家もない。身に着けた衣服とひとかけのパンしか持ってない。やってやる。生き延びるために!
87-C
私は知ってる。女の子が森に行くまで、出会った人たちに乞われて、その僅かな持ち物さえすべてあげてしまうと、夜空からたくさんの銀貨が降ってきたことを。私も身に着けた衣服とひとかけのパンしか持っていない。だけど私は誰にも何もあげたりしない。人間は自分の力と責任で生きていくべきなんだ!
88
「気の合う友達だと思った。だから自分の好きな漫画、アニメ、ゲーム、小説をおすすめした。強くおすすめした。それは『自分の愛するものは他人も愛するにちがいない』という純粋な好意であるはずだった。しかしそれは一方的な行為で、自分の楽しみのために相手を利用していただけなのかもしれない」
89
いつぞやの12月31日の真夜中のこと。
ゆく犬とくる猪がヒョッコリ出会った。
「犬さん、それどうしたんだい?」
「この戌の年に『良い事悪い事した人データ』さ」
「それをどうするんだい?」
「良い事をした人には良い事を、悪い事をした人には悪い事を、つぎの戌の年に返してやるのさ」
90
全戸数わずか十一戸の村がある。彼はそこの天皇である。「ここは小さな村にすぎない。しかしそれもまた宇宙の全てなのだ」。ひとは彼を「井の中の蛙」と笑うだろうか? 「一は全、全は一」、全に通じる一なる世界を蔑ろにしてはいけない? はたまた「地球の重力に魂を引かれた者」の戯言にすぎない?
91
「なぜ井戸の底に家が?」
「よく来たな!」
「なぜ井戸の底に人が?」
「わしは世界中のメダルを集めているおじさんじゃ」
「なぜこんなところでメダルを集めてるんだ?」
「蓋をしても井戸の底に埃は溜まるもんじゃ」
「何を言って…」
「NPCは決まったことしか言えんのじゃ!」
「……」
92
「なんでもそうだと思うのだけれど、古いものは新しいものに生まれ変わって、はじめて活動するんだよ。それは古いものは新しいものに生まれ変わって、はじめて役立つということなんだ。ぼくは異世界に転生して、はじめて本当に生きているという気がするよ」
――半分ぐらいはわかるような気がした。
93
せんだっても私の友人で送籍という男が『○○』という短編を書きましたが、誰が読んでも朦朧としてとりとめがつかないので、当人に会ってとくと主意のあるところをただしてみたのですが、当人もそんな事は知らないよと言って取り合わないのです。
(答は二つありますが『○○』の方をお答え下さい)
94-A
「まずは鍋に水を入れてグツグツ沸騰させま~す。はい、お湯が沸騰しましたら、そこに蛇を大量に投入しま~す。そしたら目の細かいざるでふたをしましょう。苦悶にのたうつ蛇が逃げようとしてざるの目から頭を出したところを、ぐいっ、と握って引っぱると……ほら、きれいに背骨だけがとれましたね!」
95-B
「チョット、ヌーハラ、ヤメテクダサイ」
「ふはははははは、やめてほしければ金を出せ! ほれ、ずるずるずるずる――」
――法律は個人の食については干渉できず、警察にもこれをどうすることもできなかった。
95
「では私の質問に答えてください」
「うむ」
「100+100は?」
「180ぢゃ」
「それでは200+200は?」
「さよう、360ぢゃろう」
「ではもうひとつだけ、10の2倍は?」
「もちろん18ぢゃ」
「なるほど、わかりました。つまり10%ですね。それがあなたの病気です」
96
人身事故の影響で電車が運転見合わせとなった。「運転再開のめどは立っていません、振替輸送をご利用下さい」というが、そうなると目的地までだいぶ遠回りをしなくてはならない。人々は次々と振替輸送の列に並んでいく……。
――遠回りの電車の中で、運転再開のニュースを聞いて後悔した。
97
これは消滅都市の物語です。世界の終わりに際し、ひとがどのようにふるまうのかが描かれています。それは享楽と退廃と暴力と滅びです。非常時こそひとはひとにやさしくするのが難しくなります。自分が飢えているときひとに食べ物を分けられますか? イライラしているときひとに冷たくしていませんか?
98
空気獣がねばりついていた。
空気獣は、
大きな、
平べったい、
ふらふらした、
白いものだ。
どこが頭でどこが口だかまるでわからない。
こっちから棒で突くとあっちが膨らみ、
あっちを棒で突くと今度はこっちが膨らむ。
おぞましい。
空気獣とは、
いったいどんな生物なのか?
99-A
彼は最初の拷問のことを思った。
彼は喰ってもいない泥を吐いた。
それは血ににじんだ臓腑だった。
彼はこう思った。
(僕を喰おうとしたんだ、僕に喰われても仕方ないよね?)
――違いました。
(どうせ、そうなる運命なら、それに相当した事をしなけりゃ損だ! 俺も打ん殴ってやれ!)
99-B
「この荷物は兄さんのかい?」
「……ああ」
たしかに、これは俺のものじゃない。
「兄さんスパイか?」
「え?」
「警察かってきいてんだよ」
「俺は商人だよ」
「そうかい?この列車にゃスパイが20人乗ってるぜ」
棍棒強盗をして逃亡中の男には、
その少年はいわば怪物であった。
元ネタのタイトルな~んだ?
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100-A
「ミュージシャンに!!! おれはなるっ!!!」、――と言って飛び出してはみたものの……、いつになったら有名になれるんだろう……、人間霞ばかり食って生きるわけにもいかないし……、彼女も不安そうにしてるし……、それにここは居心地がいいし……、店長も正社員にと言ってくれてるし……
100-B
長年、根気よく働いてきた。重たい袋を背中に載せて、一生懸命粉ひき所まで通った。ご主人のために、汗水たらして働いてきたんだ。歳をとって、だんだんと体がいうことをきかなくなってきた。もうお役には立てないかもしれない。だけど、こんなの酷過ぎる。
「あのロバもう使えねえな。処分するか」
100-C
よし、わしも賛成ぢゃ。そこへ行けば骨の一本か二本、あるいは肉の香りぐらいは嗅げるかもしれんしな。卑屈だと、わしを蔑みなさるか、お若いの。ぢゃがな、老犬の戯言だと思って聞いてくだされよ。期待していたときにもたらされる失望は、期待していなかったときのそれより大きいものなのぢゃよ。
100-D
明日おいらの世界が終わってしまうのだとしても、いや明日世界が終わるからこそ、おいらはこの歌を歌い続ける。たとえのどがやぶれたっていい。誰も聴かないこの歌を――
「こけこっこー、キケリッキー!」
「やかましいわね、あの鶏。
そろそろしめようかしら?」
――彼は歌を諦めない!
100-E
あたしも歳をとったから、景気のいい顔ばかりしていられなくてね。なにしろ身体は弱くなるし、歯はばくばくして、ねずみを追い回すよりも、ろばたで香箱座りして、ごろにゃんしていたくなるさ。するとご主人のおかみさんが、いっそ水にしずめておしまい、なんて言う。はてさてどうしたものやら……。
100-F
彼らはそこを逃げ出した。出会った仲間たちは森の中に泥棒どもの住む家を見つけた。泥棒どもを驚かせて追い出してしまうと、四人組はその家で仲良く暮らした。ほら、耳をすましてごらん。あなたにも彼らの音楽が聴こえるでしょう? ――『ひひん、わんわん、ごろにゃん、キケリッキー!』
100-G
「お、親分! ヤバいですよ! あの家にはすごい魔物が入り込んでます! 暗闇の中で長い指が俺の顔をひっかきやがったんですよ! 小刀で脛を刺されたんですよ! こん棒でなぐられて、それから裁判官の声もしました!」――家の中にいたのはロバと犬と猫と鶏だった。人の恐怖心がすごい魔物を生む。
100-H
「聴け! 愚民ども!
これが俺たちの音楽だ!」
――無礼メンの音楽隊。
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