狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『青いランプ/グリム童話』です。
文字数4000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約10分。
兵士は長年忠実に王様に仕えてきたが、戦争が終わると見捨てられてしまう。森で魔女に利用され、だまされたとき、黒い小人が現れて助けてくれる。黒い小人がいたらいいな。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
昔、ある兵士がいた。長年忠実に王様に仕えてきたが、戦争が終わると、受けたたくさんの傷のために仕えることができなくなり、王様に見捨てられた。兵士は今後の暮らしに困り、一日中歩き回って、夕方森に入った。
森には魔女の家があった。兵士は魔女に食べ物を願ったが、魔女は「食べ物が欲しければ仕事をするように」と兵士に言った。つぎの日、兵士は魔女の庭の周りを掘り、またつぎの日には魔女のためにたきぎを作った。
さらにつぎの日は、魔女が井戸に落とした青いランプを取りにいくことになった。兵士がランプを持って井戸をのぼると、地に足をつける前にランプをわたせと魔女が言った。兵士はそれが魔女の悪巧みだと気づいて拒否した。魔女は怒って兵士を井戸の底に落とした。
井戸の底で、兵士は最後の楽しみにしようと、持っていたパイプに青いランプで火をつけた。すると黒い小人が現れ、兵士の命令をなんでもしなければならないのだと言った。兵士は小人に命じて地下通路を案内してもらい、途中で魔女の隠した宝物を持てるだけ持って井戸を脱出した。
井戸を脱した兵士は小人に魔女を縛らせて、裁判官の前に連れていかせた。町へ戻ると、一番よい宿屋へ泊り、立派な服や家具を注文した。兵士は王様に見捨てられた復讐をしたかった。小人に命じて夜中に王女をさらわせて、女中のようにこきつかった。
王女はそのできごとを夢だと思い、王様に話した。王様は夢か現実か確かめるために、王女のポケットに穴をあけさせて、エンドウ豆を入れた。小人は姿を消して王様の話を聞いていたので、エンドウ豆を目印にした探索を妨害できた。
つぎに王様は、王女が行った場所に脱いだ靴を片方隠しておくように助言した。小人はそれも聞いていたが、妨害する方法を知らなかったので、兵士にそのことを伝えた。しかし兵士は「命じたことをやれ」とだけ言い、翌朝、兵士のベッドの下から王女の靴が見つかった。
兵士は捕まって牢屋に入れられてしまった。青いランプと金を宿屋に置いたまま、一枚の金貨しか持っていなかった。兵士は金貨を窓の下を通りかかったかつての兵士仲間にわたして、宿屋から青いランプの入った包みを持ってくるように頼んだ。
兵士の処刑が決まった。処刑場に連れてこられた兵士は、最後の一服を王様に頼み、王様はそれを許可した。兵士が青いランプでパイプに火をつけると、小人が現れて、その場の者たちをこん棒で殴り倒した。王様は怖れおののいて、国と娘を兵士に与えた。
狐人的読書感想
主人公の兵士は、長年忠実に働いても、働けなくなれば用済みだ、と見捨てられてしまいます。なんだか現代のブラック企業やブラックバイト、派遣社員や非正規労働者を思わされる話で、世知辛い気分になってしまいました。
小人が兵士を助けてくれたところに救いがあるのかもしれない、と一縷の希望を見出したように思いましたが、しかしなぜ小人は兵士の命令をなんでも聞かなければならなかったのかが少し気になりました。
王様への復讐のために王女を女中のように働かせた件については、効果的なようでいて、どうなのかなって気もします。自分が苦しむよりも自分の大切な人が苦しむほうが、よりつらい復讐になる場合もあるでしょうし、復讐のために当人以外の人間を巻きこむのがはたして正しいことなのか、迷ってしまうところでした。
困っているとき助けてくれる小人がいればいいな、と思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
黒い小人がいたらいいな。
狐人的読書メモ
・『青いランプ/グリム童話』の概要
KHM116。原題:『Das blaue Licht』。
以上、『青いランプ/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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