狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『熊の皮をきた男/グリム童話』です。
文字数4500字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約12分。
熊の皮をきた男は怪物のような見た目をしている。女性はそんな男とは結婚したくないかもしれないけれども、そんな男こそが本当にいい男なのかもしれない。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
戦争で勇ましく働いた兵隊が、平和になるとお払い箱になった。兵隊は彼に残された家族である兄たちを頼ろうとしたが、兄たちは薄情にも彼を受け入れることはなかった。
兵隊は荒野で緑の上着を着た男と出会う。男は悪魔だった。悪魔は男の悩みを知っており、使い放題の金をやると約束する。悪魔は兵隊の度胸を試すと言い、彼の後ろから熊を走らせた。兵隊は熊の鼻面をあっという間に撃ち抜いた。
悪魔は兵隊の度胸を認め、つぎのような課題を課した。
「金を与える条件として、七年間体を洗わず、ひげや髪をとかず、爪を切らず、主の名を唱えてはならない。そしてこれから与える私の緑の上着とこの熊の皮でつくるマントを身に着けて生き延びよ。生き延びればお前の勝ち、果てれば私の勝ちだ」
兵隊は悪魔の課題に挑むことにした。悪魔が渡してきた緑の上着のポケットからはいつでも金貨が出てきた。兵隊は熊の皮と名乗ることになった。
熊の皮は一年が過ぎると怪物のような姿になった。みんな熊の皮を怖れた。しかし熊の皮は貧しい人に金をやり、自分のためにお祈りさせた。金を持っていたので寝泊まりに困ることはなかった。
四年目、熊の皮は宿屋の裏から泣き声を聞く。行ってみると老人がひどく泣いていた。老人は金がなく、娘たちと惨めな暮らしをせねばならず、宿屋の金も払えないから牢屋に入れられるのではと怯えていた。
熊の皮は老人の宿代を払い、金貨の詰まった財布を持たせる。老人は恩返しに自分の家に熊の皮を招待し、自分の娘をひとり嫁にしてもいいと言った。
一番上の娘と二番目の娘は熊の皮のひどい見た目を理由に結婚を嫌がったが、末の娘は父親を助けてくれた熊の皮に恩義を感じて結婚を受け入れる。
熊の皮はあと三年放浪しなければならず、自分の指輪を半分に割り、それぞれに互いの名前を書いて片方を娘に渡した。
「戻らなければ自分の命はないものと思ってほしい、私の無事をいつも祈っておくれ」
そう言い残して熊の皮は娘の前から去っていった。熊の皮の許嫁となった末の娘は黒い服に身を包み、姉たちからばかにされながらも熊の皮の帰りを待ち続けるのだった。
それからも熊の皮は世界を巡って善行を施し、貧しい人にはお金を与えて自分のために祈ってもらった。
そうして七年の歳月が過ぎると、腹立たし気な様子で悪魔が現れた。熊の皮は体を清めてもらえるよう悪魔に頼み、もとの勇ましい兵隊の姿に戻った。
熊の皮はビロードの上着を着ると白馬の馬車に乗って許嫁の家に向かった。家の者は彼が熊の皮だと誰もわからなかった。
熊の皮は「娘をひとり嫁にほしい」と言った。彼はどこからみても立派な将軍だったので、上の二人の姉たちは喜んだ。しかし熊の皮は末の娘と二人きりになると、ワイングラスに半分だけの指輪を入れて彼女に渡す。彼女はワインを飲み干して底にある指輪に気づく。そしてそれは彼女が首にリボンでかけている半分の指輪の片割れだったのだ。
熊の皮は娘にすべてを打ち明けて花嫁にキスをした。二人の姉が着飾って戻ると、男は妹のものになっていたので腹立たしさのあまり外へ飛び出して行った。そしてひとりは井戸に身を投げ、もうひとりは首をつって、命を捨てた。
その夜、悪魔が熊の皮のところにやってきて、言った。
「私はお前の魂ひとつの代わりにふたつの魂を手に入れたぞ」
狐人的読書感想
悪魔は熊の皮を操れば二人の姉の魂が手に入ると全部わかってて、熊の皮に課題を出したんでしょうかね?
だとすればやはり悪魔的で策士な感じがしますね。
パートナーを選ぶときは見た目ではなくてその誠実さややさしさなどの内面に目を向けるべきだという訓話でもあるのでしょうか?
実際のところかなり見た目を重視してしまいそうに思いますが、やはり中身が一番大事だということは言えるのかもしれません。
熊の皮をきた男はいい男だと思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
熊の皮をきた男はいい男だから見逃すな?
狐人的読書メモ
・『熊の皮をきた男/グリム童話』の概要
KHM101。原題:『Der Bärenhäuter』。
以上、『熊の皮をきた男/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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