狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『暗号音盤事件/海野十三』です。
文字数13000字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約27分。
時は第二次世界大戦中。諜報員である私と白木は、イギリス政府が隠した宝の暗号を求め、ゼルシー島のメントール侯城砦へ向かう。レコードと音叉によって導かれる暗号の正体とは?
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
枢軸国陣営(日独伊など)と連合国陣営(英露米中など)が激しく戦っていた第二次世界大戦中の話。
諜報員である私と白木は、中立国ポルトガルの首都リスボンに滞在していた。白木のもたらした情報により、私たちはゼルシー島のメントール侯城砦に赴くことになる。
メントール侯の城砦には宝の暗号が隠されている。宝とは、イギリス政府がいざ本土を失ったときのため、方々の島や海底に隠したとされる金貨や重要書類などのことだ。そのカギとなる暗号が、なんらかのかたちでメントール侯の城砦にあるのだという。
私と白木はメントール侯の居間にうまく侵入した。そこにはあからさまに怪しげな蓄音機があった。近くには十枚のレコードがあり、私はそれらを順番にかけてみたが何も手がかりは得られない。
そのとき銃声が響いた。常日頃からスパイを密告しているというネッソン牧師が、二人の動きに感づき、七、八人の手下と外から銃撃してきたのだった。
白木が窓から軽機銃で応戦する中、私は引き続き暗号となる何かを探した。
メントール侯は普段から音叉を持ち歩き、人々の歌声とその音を共鳴させて、第三の声が聞こえてこないかどうか確認するのを習慣にしているという話だった。
私は部屋の中に音叉を見つけ、蓄音機でレコードをかけながら音叉を鳴らしてみる――と、たしかに第三の音が聞こえてきた。
私たちは宝物のレコードと音叉を抱えて、白木があらかじめ調べておいた隠し扉からの危地突破に成功するのだった。
狐人的読書感想
探偵小説っぽいスパイ小説っぽSF小説なんですかね。
情景描写など簡潔で、文章も平易で、かなりすらすら読めました。そこが物足りないという人もいそうですが、僕としては読みやすくてよかったです。
キャラクターの役割みたいなのがはっきりしていて、それでけっこう端役もキャラが立ってる感じがして、そういったところ勉強になる感じがしました。
伏線や謎解きアイテムなどはけっこうこれ見よがしに出てくるので、謎解きの要素やラストの驚きみたいなものはほぼありませんでしたが、シンプルなストーリラインとか、レコードと音叉の共鳴によって表れる第三の音の暗号とか、アイデアがすごくおもしろかったです。
とても楽しめました。
第二次世界大戦のこととかはあまり詳しく知らないのですが、知らなくても全然読める小説ですね。むしろポルトガルがその時代に中立国だったというのは勉強になりました。
蓄音機やレコードはもはや古い装置ですが、小説のガジェットとしては雰囲気が出てよさそうです。
海野十三さんはこの度初めて読んだのですが、これからも読んでいこうと思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
謎解き銃撃ありのSF探偵スパイアクション?
狐人的読書メモ
・小説の舞台となる「ゼルシー島」を調べてみたが、わからなかった。名前が違うのか実在しないのか気になるところだった。
・『暗号音盤事件/海野十三』の概要
1942年(昭和17年)1月、『講談雑誌』にて初出。探偵、スパイ、SFなどいろいろな要素が入っている。
以上、『暗号音盤事件/海野十三』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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