あさましきもの/太宰治=人間みなあさましきもの?

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

あさましきもの-太宰治-イメージ

今回は『あさましきもの/太宰治』です。

文字数2000字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約6分。

どんなときにあさましさを感じるでしょうか。自分をとりつくろわねば、あさましさを感じずに生きられるでしょうか。あさましさを感じても生きていていいんでしょうか。……そんな話?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

ひとのあさましさを描く三つの話。

一、好きな女の子のためにした約束をあっさりと破る男の話。男はたばこ屋の娘に「君のために断酒する」と約束し、娘は「うれしい」とあっさり信じる。翌々日、男は飲酒し、娘のところに謝りに行く。が、娘は男が演技をして自分をからかっているのだと無心に信じて疑わなかった。

二、男に情欲を見透かされてしまった女の話。女は男と散歩しながら激しい情欲を感じていた。男はそれを感じ取り「ね、この道をまっすぐに歩いていって、三つ目のポストのところでキスしよう」と言った。女は、からだを固くした。

三、減刑のための嘘を見抜かれた男の話。男はいつも身だしなみがよかった。あるとき微妙な罪名で牢に入れられた。検事は「肺が悪いのだね?」と言った。病気を理由に不起訴にしてやってもいいということだ。男は病気が重く見えるように多く咳をした。「本当かね」と検事は薄笑いした。

オチ、著者は酒が飲みたいがために苦心してこれらの文を書き上げた。あきらかに文学以前の市井売文のたぐいだ。自分では大作家のつもりでも、誰もそうは見てくれない。一笑。

狐人的読書感想

誰でも感じるであろう「あさましさ」というものについて考えさせられて、おもしろかったです。一と三は『人間失格』のモチーフにもなっているみたいですね。

一の男は、娘に怒ってもらい、最終的には許してほしかったのかなと想像します。二の女は、言わずもがな男に黙って抱いてほしかったのでしょう。三の男は、普段どれだけ自分をつくろっていても、追いつめられればつい本性をさらしてしまいます。

「自分の欲望を他人に見透かされてしまう」ということは「自分のあさましさを実感させられる出来事」なのだと感じました。

自分をあさましく思うことってけっこうあるような気がして、実際にはあまりないような気がしますね。

あさましさを出さないように注意しているのか、あるいはあえてあさましさを感じないようにしているのか、あさましさを感じないように周囲が気を遣って接してくれているのか――考えさせられてしまいます。

ふと思いつくのは、たとえばクレームとかでしょうか。

必要以上に怒っている状況を想像してみると、なぜそんなに怒っているんだろうと疑問に思ったりします。

すると、相手に謝らせたかったり、何か代償を要求する気持ちがあったりして、いざ相手が謝罪や見返りを提示してくると、そういった欲望を見抜かれたような気持ちになって気まずくなる……みたいな?

普段自分をよく見せようととりつくろっていても、空腹や睡眠不足やちょっとした状況の変化ですぐに虚飾が崩れてしまう、みたいな。

思えば、人間とりつくろっているから、ちょっとしたことであさましさを感じてしまうんだろうなあ、って気がします。

とはいえ、何もとりつくろわずに生きていたらモラルとか大変なことになるんだろうなあ、と思うんですよね。

自分のあさましさはできれば感じずに生きていきたいものですが、そういうところがすでにあさましきものなんだろうなあ……と思った、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

人間みなあさましきもの?

狐人的読書メモ

・普遍的テーマとしてのあさましきもの。

・『あさましきもの/太宰治』の概要。

1937年(昭和12年)『若草』にて初出。三つのあさましきもののエピソード。短くてすぐ読める。太宰作品入門書的におすすめできる。

以上、『あさましきもの/太宰治』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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