狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『月から/新美南吉』です。
文字数100字ほどの詩。
狐人的読書時間は約1分。
月からきた猫、屋根にいる。月からきた鳥、洞にいる。月からきた人、柵にいる。柵からナイフを抜いている!? 月からきた人がナイフを抜いて何をするのか、気になる詩。月に何を見る詩。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
(今回は全文です)
『月から/新美南吉』
月からきたねこ、
屋根にゐる。
屋根からしつぽをおつたてる。
月からきたとり、
うろにゐる。
うろからそちこちどなつてる。
月から来た人、
柵にゐる。
柵からナイフをぬいてゐる。
狐人的読書感想
月からきた猫、月からきた鳥、月からきた人――日本では「月にいるのは兎」というのが定番ですが、海外でも月の模様はいろいろに見えるというのはけっこう知られた話ですよね。
・日本:餅をつくウサギ
・韓国:ウサギ
・中国:ウサギ、ヒキガエル、カニ
・カナダ:バケツを運ぶ少女
・北ヨーロッパ:本を読むおばあさん
・南ヨーロッパ:大きなハサミのカニ
・東ヨーロッパ:横向きの女性の顔
・北ヨーロッパ:水をかつぐ男女
・中東、アラビア:吠えているライオン
・ドイツ:薪をかつぐ男
・モンゴル:犬
・ベトナム:大きな木の下で休む男
・中南米:ロバ
・インドネシア:編み物をする女性
・インド:ワニ
・オーストリア:灯をつけ消しする男
・アメリカ:女性の横顔、ワニ、トカゲ
・ギリシャ:銀の馬に乗るセレーネ
・ロシア:月に住む少女
――といった感じです。
本詩にあるように、月の模様が人に見える地域はあるみたいですが、猫や鳥といったものは見当たらなかったので、なかなか珍しい発想力ですね、これは。
ジャイアント・インパクトや巨大隕石の衝突などにより、月の表面を構成する物質は場所によって異なるため、月には模様があるように見えるそうです。
月にはいろいろなものがいるように見える、という詩? なのかなと思った今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
猫、鳥、ナイフの人…月には何がいると思う?
狐人的読書メモ
・うさぎが月で餅をつく昔ばなしには、インドのジャータカ神話がベースになったものがある(手塚治虫の漫画『ブッダ』の冒頭にもあるお話)。
・むかし、猿、狐、兎の三匹が、山の中で力尽きかけた老人に出会う。三匹は老人を助けようと、猿は木の実を集め、狐は川から魚をとったが、兎は何も用意することができなかった。そこで猿と狐に火をおこしてもらい、「私を食べてください」と言って火の中に飛び込んだ。老人の正体は帝釈天であり、兎の捨て身の慈悲行を後世まで伝えるため、兎を月へと昇らせたという。
・『月から/新美南吉』の概要
1931年(昭和6年)9月、『赤い鳥』にて初出。月の模様はいろいろなものに見えるという詩(?)
以上、『月から/新美南吉』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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