怪青年モセイ/夢野久作=人は他人のイメージを一面的に捉えがち。

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

怪青年モセイ-夢野久作-イメージ

今回は『怪青年モセイ/夢野久作』です。

文字数1500字ほどのエッセイ。
狐人的読書時間は約6分。

『ドグラマグラ』の作風から抱く著者のイメージとは
違った人柄が感じられます。
ところで、友達とその日異様に盛り上がった話を、
別の日にするとそうでもないのって、なんでだろ?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

日本三大奇書のひとつに数えられる『ドグラマグラ』など、著者の代表作から感じるイメージとは、ちょっと違った人柄が感じられる、夢野久作のエッセイ。

自分の作品を辛辣に批評する辣文家、いろいろなペンネームを持っているが、すべて違う人間だと思っていた文壇の大家――河東茂生(怪青年モセイ君)が、ヒョッコリ著者の家を訪ねてくる。

イメージとは違い、実際のモセイ君は大学生くらいにしか見えない青年で、著者はその姿にはじめ幻滅を感じるが、十分ばかり話をしているうち、お互い大笑いするほど意気投合してしまう。

夕方になると遠慮して帰ろうとするモセイ君を、著者が引き止めて話を続けるが、まだまだ話は尽きない。ようやく話題が途切れ、著者はちょっとそこまでモセイ君を見送り、一人、山の中の家へ帰っていく。

不思議な、なつかしさを感じさせる青年だった――著者は帰り道に寂しさを覚える。

狐人的読書感想

『怪青年モセイ』――タイトルからして、猟奇小説かと思ったのですが、夢野久作さんのエッセイでした。

怪青年モセイ(河東茂生さん)は実在の人物だそうです。『猟奇』の責任編集者とのこと。『猟奇』はこの作品が掲載された雑誌です。

自分の作品をいつも酷評する文壇の大家がきたと思ったら、現れたのは怪青年(快青年)、歳は、モセイ君23歳、夢野さん40歳と倍くらい離れていて――夢野さんはそれに最初幻滅を感じたと書かれていますが、十分ばかり話しているうちに大笑いするくらい親しくなります。

人間、一面的な印象でひとを見がちになるよなあ、ということを思わされます。

たとえば、小説を読んでその作風から想像した著者の人物像が、実際とはかなりかけ離れていたり、厳しい仕事の上司が職場を離れると案外気さくなひとだったとか、それが学校の先生であったり先輩であったり――みたいな感じでしょうか?

人の一面だけを捉えて、その人柄を決めつけてはいけないなあ、などと思うことがあります。

とはいえ、一度定着したそのひとの印象って、なかなか払しょくしがたいようにも感じるんですよね。

第一印象の重要性みたいなものを、同時に思わされるところですが、モセイ君と夢野さんはちょっと話しただけで旧知の友人だったかのように意気投合してしまったようで、ここにもちょっと興味を覚えてしまいます。

夢野さん、じつは人懐っこい性格だったのか(少し調べてみると、実際交友関係は広く、社交的な方だったようです)、僕が抱いていた作風のイメージとは違っていました。

それとも、二人はすごく気の合う者同士だったんですかねえ……友達とかでもそうですが、本当にくだらない話で大笑いできる友達と、そういう感じではない友達とが、たしかにいるような気がします。

前者のほうがより親しい友達だと感じることもありますが、本当にそうなのかと考えると違うような気もして――本当の友達ってなんなんだろう? とか考えはじめると、エンドレスな思考ループに陥るのですが……。

ともあれ、こうした出会いというのは貴重なものだと思わされて、大切にしたいなと感じるのですが、現実は言葉ばかりになってしまっている自分がいるように思います。

何が悪いんだろう? 独占欲や執着心が強すぎるのか……あるいはそういったものがまったくないゆえなのか……あきっぽいということなのか……なんだか、自分が冷たい人間に思えてきて……てか、事実そうなのではなかろうか……と、このあたりにしておきます(汗)

『ドグラマグラ』などの作風から、変人というか、ちょっと近寄りがたい感じの人だとばかりイメージしていた著者の意外な人柄が感じられて、とても興味深いエッセイでした。

読書感想まとめ

著者は怪青年モセイ君のイメージと実物に差異を感じ、読者は著者のイメージと実物に差異を感じる――そんなエッセイ(かもしれない)。

狐人的読書メモ

意外な親しみを覚えて、旧知の友達のように話した客人が帰り、一人になったときに感じた著者の寂しさに共感を覚える。友人と異様に話が盛り上がり、また日を改めてその話題を持ち出してみたりすると、なぜかいまいちあのときほど盛り上がらないことがあるのだが、あれってなんなの?(僕だけか?)

・『怪青年モセイ/夢野久作』の概要

1931年(昭和6年)5月、『猟奇』にて初出。夢野久作のエッセイ。代表作の作風から抱くイメージとは違った人柄が感じられて、興味深い作品だった。

以上、『怪青年モセイ/夢野久作』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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