蜃気楼/芥川龍之介=蜃気楼はEver Oasis、精霊とタネビトの蜃気楼。

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

蜃気楼-芥川龍之介-イメージ

今回は『蜃気楼/芥川龍之介』です。

芥川龍之介さんの『蜃気楼』は文字数5000字ほど。
狐人的読書時間は約14分。

蜃気楼的日常を描く短編小説。
芥川龍之介さんも自信ありげな作品。

シャドバ、パズドラ、DQMSL、スパロボ、Ever Oasis。
ハリポタ、コードギアス、アーサー王物語。
蜃気楼はファンタジーとの相性良。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

ある秋の昼ごろ。「僕」は、東京から遊びに来た大学生のK君と、近所に住むO君と一緒に鵠沼くげぬまの海岸へ出かけた。蜃気楼を見るためだ。

砂浜に牛車のわだちが二すじ、圧迫感がある。砂止めの笹垣ささがきをバックに一組のカップル、女性のほうが「新時代」の装い。

腹這いになって、陽炎かげろう立つ砂浜を見れば、青いリボンが一すじ、からすが一羽舞う。

立ち上がると「新時代」の二人がこちらへ向いて歩いているので驚く。振り返ると笹垣のところに相変わらず彼らがいる。様子の似た別のカップルだった。

O君が砂の上の何かを拾った。横文字の並んだ木札だった。水葬された混血児の青年を想像した。

帰り道、家の多い本通り。家の多い? 人通りはほとんど見えない。

午後七時ごろ。K君が東京に帰ったのち、「僕」はまたO君や妻と一緒に出かけた。

波打ち際にしゃがんだO君がマッチに火を灯す。半分砂に埋まった、遊泳靴の片っぽが、土左衛門の足に見えた。

鈴の音が聞こえてくる。妻が木履ぽっくりの鈴だという。妻は草履を履いているはず。O君も、奥さんのたもとの中で鳴っているんだから、と妻に同調する。三人でその冗談を笑う。

昨夜の夢の話をする。トラックの運転手と話をしているのだが、どこかで会っているような気がするのだ。それは三、四年前に一度だけ談話筆記に来た婦人記者だった。男の身体に女性の顔。

帰り道、背の低い男がこちらへやってくる。ポプラの枝にかかった紙がヘルメット帽に見えた錯覚を思い出す。しかし男は錯覚ではない。男のネクタイピンに見えたものは巻煙草の火だった。妻が忍び笑いする。

そのうちに僕等は門の前へ――半開きになった門の前へ来ていた。

狐人的読書感想

蜃気楼-芥川龍之介-狐人的読書感想-イメージ

著作者: ** RCB **

ふむ。前々回、江戸川乱歩さんの『日記帳』について読書感想を書きましたが、『蜃気楼』はまさに日記のような、私小説チックな作品でした。

(▼江戸川乱歩さんの『日記帳』の狐人的読書感想はこちら)

O君は、芥川龍之介さんの親友で、洋画家・随筆家・俳人としても名前の知られている小穴おあな隆一ちゅういちさんという方だそうです。芥川龍之介さんは『小穴隆一を父と思へ。従つて小穴の教訓に従ふべし』といった遺書を子供たちに残したそうで、その親密ぶりがうかがえるエピソードです(こういった親友がいるというのは幸せなことのように思いました)。

K君には諸説あるそうなのですが、神崎清という評論家の方が有力なのだとか。作中の妻は現実の妻とすれば、やはり芥川龍之介さんのさりげない日常を、写生的に描いた小説といってよいのではないでしょうか(当時蜃気楼ブームなるものもあったらしいので)。

晩年の芥川龍之介さんが『話のない話』というものに小説の芸術性や純粋性を見出していたのは有名みたいです(『文芸的な、余りに文芸的な』)。

(▼芥川龍之介さんの『話のない話』に触れた話)

『蜃気楼』は、そんな芸術的純粋性(あるいは純粋的芸術性)といったものを追求した芥川龍之介さんの、集大成ともいえる作品なのかもしれません。というのも、この『蜃気楼』という短編小説は、芥川龍之介さんが、晩年作のうち最も自信を示していた作品であり、実際に多くの評論がなされていて、高い評価を得ているものだからです。

狐人的にも不思議な魅力のある小説だと思いました。

「蜃気楼」というのは、光の屈折によってあるもの(実像)の虚像が見える現象ですが、この蜃気楼を思わせる描写が『蜃気楼』という作品の随所に見られ、それは取りも直さず他愛ない日常の風景や主人公の幻想と結びついていて、秀逸さを感じます。

蜃気楼的なものをひっぱってきてまとめてみると以下のような感じになります。

  • 牛車の轍(実像)と想像される牛車(虚像)
  • 砂浜のカップル(実像)と笹垣のカップル(錯覚を認識するまでの虚像)
  • 横文字の並んだ木札(実像)と混血児の青年(虚像)
  • 家の多い本通り(見えること)と人通りがない(見えないこと)
  • 遊泳靴(実像)と土左衛門の足(虚像)
  • 鈴の音(虚像)と木履の鈴(虚像からのさらなる虚像)
  • 夢の話(虚像と実像が合成された虚像)
  • 背の低い男(実像)とヘルメット帽の錯覚(虚像)
  • 巻煙草の火(実像)とネクタイピン(虚像)

――漏れがあるかもしれませんが、だいたいこんな感じです。

ゆらめく蜃気楼のような、主人公の精神不調が感じられるところもあって、晩年の著者を彷彿とさせる不吉な予感があるのですが、妻や友人と笑い合う姿にどこか明るさも感じられて、不思議な印象を受けます。

しかしながら、やはりあらすじで引用したラストの一行からは、不吉な余韻を感じます。

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門といえば「冥府の門(シャドバ、パズドラ)」「冥界の門(DQMSL)」などあの世への門を連想してしまいます。それが半開きになっている――というところに、どこか意味深なものを感じてしまうのは、はたして僕だけ?

(ここからほぼほぼ余談です)

門からの連想つながりということで(?)、作中のワードから連想したものを挙げてみたいと、ふと思いつきました。

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『ハリー・ポッター』で、ロンが使っていた杖がトネリコの杖でしたよね。USJで4500円で買えるという情報が狐人的に熱かったです(ひきこもりがちな僕が買いに行く機会はないでしょうが……)。

 

 

ROBOT魂[SIDE KMF] 蜃気楼

・蜃気楼:

アニメ『コードギアス』――てか『スパロボ」に出てましたね、蜃気楼という名のロボット(ナイトメアフレーム)。

ちなみにナイトメアフレームの意味は悪夢の「Nightmare」じゃなくて騎士の馬を意味する「KnightMare」と「Frame」(機体)を合成した造語のようです。

「騎士の馬」ということで、ランスロット、ガウェイン、モルドレッドなど、アーサー王物語の円卓の騎士の名を冠する機体が多数登場していましたが、じつは蜃気楼もアーサー王物語と無縁の単語ではありません。

というのも、ヨーロッパの蜃気楼の俗称に「ファタ・モルガーナ」というのがあるのですが、これは「モーガン・ル・フェイ」のイタリア読みでもあります。

モーガンもアーサー王物語の登場人物の一人で、人によっては「モルガナ」「モルガン」としたほうが聞き覚えがあるかもしれませんね。ナイトメアフレーム『蜃気楼』の呼び名もあるいはアーサー王物語から取られたのかも、というちょっとした発見をしたつもりになったお話でした。

(▼最近『アーサー王物語』とも縁がある読書感想はこちら)

蜃気楼で検索すると『Ever Oasis 精霊とタネビトの蜃気楼』というこれから発売予定のゲームが引っかかってきました。小説『蜃気楼』作中の「僕」が見た夢の中で感じたデジャヴ、ではありませんが、「以前どこかで……」と思ったら、以前のブログ記事でも取り上げていました。

(▼『Ever Oasis』を取り上げた以前の読書感想はこちら)

あのころはまだ仮称の状態でしたが、いよいよ発売日(2017年7月13日)も決定したのですねえ(感慨深げ)。そんな事情もあって、なんとなく縁のあるゲームです。

・ゆうべの夢:

また僕の見た夢の話ですが。人物の印象と情景の印象を結び付けて語られていた以下の小説をなんとなく思い出しました。

(▼本当に凄い小説です)

「いや、勿論男なんだよ。顔だけはただその人になっているんだ。やっぱり一度見たものは頭のどこかに残っているのかな。」

「そうだろうなあ。顔でも印象の強いやつは、………」

「けれども僕はその人の顔に興味も何もなかったんだがね。それだけにかえって気味が悪いんだ。何だか意識のしきいの外にもいろんなものがあるような気がして、………」

「つまりマッチへ火をつけて見ると、いろんなものが見えるようなものだな。」

どこかイメージを想起させられる会話なんですよねえ……、これ(マッチ売りの少女? 狐人的にじっくり探求してみたいところ)。

読書感想まとめ

芸術的純粋性(あるいは純粋的芸術性)を追求した芥川龍之介さんも自信を持っていた「話のない話」。

狐人的読書メモ

蜃気楼-芥川龍之介-狐人的読書メモ-イメージ

著作者:Turkusekx3

「話のない話」と聞けば、現代ではどこか敬遠される傾向があるように思うが、芥川龍之介さん同様僕もいいものだと思った。

シャドバ、パズドラ、DQMSL、スパロボ、Ever Oasis。ゲームに関係したワードを結構使った印象。ハリポタ、コードギアス、アーサー王物語。やはり蜃気楼はファンタジーとの相性がよいのかもしれない。

・『蜃気楼/芥川龍之介』の概要

1927年(昭和2年)3月1日発行の『婦人公論 第十二年第三号」にて初出。芥川龍之介さん晩年の「話のない話」。高評価を得ており、不思議と好む人が多い作品。著者も自信を持っていた。

以上、『蜃気楼/芥川龍之介』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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