屋根裏の犯人/坂口安吾=エアコンはつけっぱなしのほうがいい?

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

屋根裏の犯人-坂口安吾-イメージ

今回は『屋根裏の犯人/坂口安吾』です。

坂口安吾 さんの『屋根裏の犯人』は文字数7000字ほどの短編小説。ものを大事にする精神は大事という物語……じゃなくて、ただのがめつい婆さんのお話です。エアコンはつけっぱなしのほうがいい? 「屋根裏のゴミ」と呼ばないで……といったお話です?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

大晦日、医者の妙庵先生は、伊勢屋源兵衛からの案内を受けて、例年のごとく風呂をいただきに行った。

伊勢屋では、年に一度、煤はらいの日、五月節句のチマキの皮やお盆に飾った蓮の葉などをためておいては、これを使って風呂を焚く。

妙庵先生は、自分から薬代を要求しない人で、患者のほうが見繕って礼物を差し上げる。なので伊勢屋では、一年に一度の風呂を差し上げていた。

妙庵先生が伊勢屋に行くと、店先の土間に源兵衛の母親たるご隠居が、釜焚きをしていた。

妙庵先生が挨拶をすると、ご隠居はちょうど片方しかないぽっくりを、釜に投げようとしているところ。

なんでもそのぽっくりは、ご隠居が嫁入りするときに持参したもので、五十三年も使い続けてきたが、野良犬に片方を取られてしまったから釜焚きに使うことになったのだとか。

いかにも名残惜し気な様子でぽっくりを釜に投げ捨てるご隠居。

妙庵先生がぬるい風呂に足をつけて、ふとご隠居を見ると、なぜか涙を流している。わけを聞くと、一年前の元旦に、妹からもらったかね一包みのお年玉を、嬉しさのあまり神棚に上げて拝んでいたら、その夜のうちに盗まれたのが口惜しいのだという。

ご隠居は、なんとかしてお年玉を見つけ出そうと、山伏を訪ねた。山伏の祈りが静まると、護摩壇の御幣がコトコト動き、燈明がパッと消えた。これで失せ物は七日のうちに発見されるという。ご隠居は百二十文を支払って帰ったが、一年が経とうというのにお年玉は出てこない。

妙庵先生は、山伏の祈りは、ドジョウと砂時計を使ったトリックだったと看破する。それを聞いたご隠居は、血相を変えて泣き喚いた。

その頃、屋根裏で蜘蛛の巣を払っていた小僧が、一部始終を耳にしていた。疑われては堪らない……、と屋根裏の煤を払っていると、ポトリ、上からご隠居の銀包みが落ちてきた。

小僧がそれを持ってご隠居のところへ行って、鼠が引いていったのだろう、と言うと、そんな遠歩きする鼠の話はこの年になるまで聞いたことがない、とご隠居は反論する。

風呂から上がった妙庵先生は、たしか年代記にそうした記述があったと諭すも、本にあることなぞは絵空事で、実物を見なければ信用できないと、ご隠居の怒りはますます募るばかり。

妙庵先生は仕方なく、鼠使いの藤兵衛を呼んできて、鼠が手紙を運ぶ芸、一文銭を運ぶ芸をご隠居に披露させる。

それを見たご隠居は、盗み心のある鼠を母屋に飼っていた責任は宿主にある、と言って、源兵衛に銀包みの年利を払えと喚く。源兵衛は泣く泣く年利を支払った。

ようやくご隠居は満足してグッスリとひと寝入りした。

狐人的読書感想

さて、いかがでしたでしょうか。
ここからはつらつら綴る狐人的読書感想。
お付き合いいただけましたら幸いです。

ものを大事にする精神は大事?

屋根裏の犯人-坂口安吾-狐人的読書感想-イメージ-1

これは嫁入り以来、五十三年もの間、一足のぽっくりを履き続けたお婆さんを通じて、何かと使い捨てにする現代、ものを大事にする精神を、いま一度見つめ直す、そんな教訓が含まれた素晴らしい物語、……じゃなくて!

ただのがめついお婆さんのお話なのでした。

正直、途中までは、素晴らしい物語(まあ決して素晴らしくないわけでもないのですが)なのかなあ、と思ったのですが。

冒頭で描かれる伊勢屋源兵衛のケチっぷりと、ご隠居を対比させて、ものを大事にする精神を訴えようとしているのかと思ったのですが、この親にしてこの子あり、というか、子を超える親のドケチっぷりに唖然。

ある意味期待を裏切るストーリー展開でおもしろかったです(とはいえ、これはただ単に僕が鈍かっただけ、なのですが……)。

とはいえ、本筋ではないとはいえ、小説を読んで何かを感じ取り学ぶことも重要だよね? ということで、やはりものは大事にしたいと改めて思ったわけなのですが。

エアコンはつけっぱなしのほうがいい?

屋根裏の犯人-坂口安吾-狐人的読書感想-イメージ-2

それに、ケチは節約家とも言い換えられるわけで、その行いをお金や資源の節約だと捉えるならば、それはやはり素晴らしいことのように思えてきます。

節約といえば食費を削る、と思いつく人が多いかもしれませんが、実際には固定費の見直しが最優先なのだそうです。一人暮らしの方でしたら、まずは家賃、ということのようですね。

たとえばいまより1万円安いところに住めば、年間12万円の節約になります。敷金礼金0円の物件もいまは結構多いみたいですし、通勤通学が遠くなるかもしれませんが、交通費は支給される会社が多いでしょう。引っ越し費用を考えても1年あれば元が取れそうで、それ以降はただ暮らしているだけで節約できているのだと考えてみると、とってもいいように思えてきますが、「通勤通学が遠くなる=時間がかかる」ともいえるわけで、時間を犠牲にしてお金を節約するのか、お金を使って時間を節約するのか……、と考えてみれば、どちらがいいのかは一概にはいえないところがあります。「時は金なり」というやつですね。

それに引っ越しは何かとめんどくさい……、ということで、何か簡単なのはないかなあ……、と探してみると、エアコンは立ち上がりに大きな電力を消費するため、つけっぱなしにしていおいたほうが節約になる、というのを見つけました。

たとえば、12時間だけ使用するのと、24時間つけっぱなしにするのでは、24時間つけっぱなしのほうがお得なのだとか。……これって結構有名なお話なのでしょうか? 僕はこれを知らず、結構頻繁にオンオフしてしまう派なので、ちょっとした驚きでしたが(起動時の電力消費が一番大きいというのは、パソコンとかテレビとかにも当てはまることのようですね)。

とはいえ、月々数百円くらいの差のようなので、家賃のように月々何万円単位で……、というわけにはいかないみたいです。

「塵も積もれば山となる」とはいいますが、やはりガツンと節約するには、時間や労力を犠牲にするしかなさそうだなあ……、ということで、勉強にはなりましたが、今回の調査はあまり役には立ちそうにありませんでした(おいおい……)。何かいい節約法をご存知でしたらぜひ教えていただきたいところ。

「屋根裏のゴミ」と呼ばないで?

屋根裏の犯人-坂口安吾-狐人的読書感想-イメージ-3

『屋根裏の犯人』は、一応ジャンルとしては推理小説・探偵小説に分類されていたのですが……、山伏のトリックやお年玉を盗んだ犯人、の辺りがミステリーなのでしょうか。

たしかに山伏の用いたドジョウと砂時計を使ったトリックのお話はなかなか興味深く思いました。山伏の火渡りは現代でも行われている行事ですが、これは燃えた木の熱伝導率は低く、なので普通に歩く速度で足を離せば傍目で見るよりも全然熱くないらしいです。法力とか、実際にあって使えたらカッコいいよなあ……、とは思いますが現実は(いわずもがな)。山ガールならぬ山伏ガールというのもあるみたいですね……、こちらも実際にお目にかかったことはありませんが。

あとは「屋根裏」というのは、創作のガジェットとしておもしろいかもしれない、と思いました。

江戸川乱歩 さんは『屋根裏の散歩者』という作品を書いていますし(まだ未読ですが)、西尾維新 さんはそれをモチーフにして『屋根裏の美少年』を執筆していますよね(屋根裏作品の知識浅いなあ……)。『ペルソナ5』の主人公が「屋根裏のゴミ」呼ばわりされていたのはちょっと笑えて記憶に新しいところです(全然関係ないか?)。

(西尾維新 さん『屋根裏の美少年』の読書感想はこちら)

流行のDIYで、素敵な屋根裏部屋というのもいまは多いようなのですが、屋根裏といえばどこか暗いイメージが先行するのは、はたして僕だけ?

そんなわけで、屋根裏はホラーなんかと相性がいいように思うのですが、どうでしょうねえ……、屋根裏に潜むストーカーが、そこの住人を監視していて……、みたいなお話を想像してみたのですが、実際海外でそんなような事件があったようです(貧困な想像力の証明なのか?)。併せて、そんな映画作品もぼちぼちあるようで、……バリエーションが難しいかも?

着想を得たようで得なかった、というお話でした(どんな話だよ……)。

読書感想まとめ

ものを大事にする精神を学ぶ物語、じゃなくて、がめつい婆さんのお話でしたが、やっぱり、ものを大事にする精神は大事。

「ケチ=節約家」ということで、節約について調べてみましたが、めんどくさそうで役に立たないかも(おいおい……)。とりあえず、エアコンのスイッチをこまめに切るのは考え直す必要がありそうです。

山伏のトリックと屋根裏というガジェットを興味深く思いましたが、創作に活かせるかどうか(おいおいおいおい……)。

狐人的読書メモ

屋根裏の犯人-坂口安吾-狐人的読書メモ-イメージ中身のない感想になってしまった……(そんな日もある)。

・『屋根裏の犯人/坂口安吾』の概要

1953年(昭和28年)1月15日「キング 第二九巻第二号」にて初出。

以上、『屋根裏の犯人/坂口安吾』の読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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