王の子ふたり/グリム童話=たぶん、恋する乙女は強い。

狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

王の子ふたり-グリム童話-イメージ

今回は『王の子ふたり/グリム童話』です。

文字数7000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約17分。

マザコン王子のダメっぷり。万能すぎる魔法使いの王女は、恋する乙女だから強かったのでしょうか。女性はしっかりしていて強いなあ、というお話。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

王子は16歳になったとき牡鹿に命を奪われるでしょう。昔、ある王子はそんな予言を受けた。16歳になった王子は狩りの途中、ある王様にさらわれてしまう。王様は、夜通し一番上の娘の番をすること、夜中に呼びつけたときには返事をすること、そうしなければ命はないこと、などを王子に命じる。

一番上の娘は聖者の像に王子のかわりに返事をするように頼んだ。それで王子は一晩眠って過ごすことができた。王様はつぎに二番目の娘、そのつぎに末の娘の寝ず番をするよう王子に命じた。娘たちは同様に聖者の像にお願いしたので、王子は命を失わずにすんだ。

王様は課題がクリアできれば娘を嫁にやると言っていたが、その約束は反故にされ、森の木をすべて切り倒すよう王子に新たな課題を与えた。王子は王様にもらったガラスの道具で木を切ろうとしたが、ガラスの道具は壊れてしまい、木は切り倒せない。そこへ末の娘がやってきて、王子をなぐさめ、しらみをとって眠らせてやり、小人を呼び出して課題をクリアする。

つぎの日、王様は池の泥をキレイにして、鏡のようにしろ、という課題を王子に与えた。王子ができずに困っていると、末の娘がやってきて、前日同様に課題をクリアしてくれる。さらに翌日は、山の上にりっぱな城を建てろ、という課題だったが、やはり末の娘がクリアした。

その後、王様は「上の二人の娘が結婚するまで、末の娘は結婚させない」と言い出した。王子と末の王女はその夜、城から抜け出した。王様が追いかけてくることに気づいた王女は、王子をいばらに、自分をバラに変身させた。王様はバラの花を折ろうとしたが、いばらで指をケガして城に引き返した。

城に戻った王様に、お妃様は「バラさえ摘んでくれば、いばらも一緒についてきたでしょうに」と言った。王様は再び二人を追ったが、今度の王女は王子を教会に、自分を牧師に変身させて難を逃れる。お妃様は王様を見かねて自分で二人を連れ戻しに行く。

王子は池に、王女は魚に変わっていた。お妃様は池の水を飲み干して、魚を捕まえようとしたが、失敗した。お妃様は二人に城に戻るように頼むしかなく、王女に三つのクルミをわたし、困ったときに開けるように言った。

その後、二人はまた旅に出て、王子の生まれた城の近くまでたどり着く。王子は王女を村で待たせ、迎えの馬車を連れてくるため城へと戻った。城に戻ると王子の母親が王子にキスをした。すると王子は王女の記憶を失ってしまった。王女は戻らない王子を待ち続けて、粉ひき場で働くことになる。

ときが経ち、王子はべつの花嫁と結婚式を挙げることになった。王女は一つ目のクルミを開けて、中から出てきたドレスを身に着け教会へ赴く。王女のすばらしいドレスを見た花嫁は、「あのドレスでなければ結婚式を挙げない」と言い出した。

花嫁は王女にドレスを譲ってほしいと頼み、王女は条件として王子の寝室のドアの前に一晩いさせてほしいと願う。花嫁は条件を飲んだが、王子に眠り薬を飲ませていた。王女は一晩、王子に自分たちのことを語り聞かせたが、王子が目覚めることはなかった。

つぎの日、花嫁は王女のドレスを着たが、王女は二つ目のクルミからさらにすてきなドレスを取り出し、昨日と同じ経緯が繰り返されることになる。しかし今度は召使いが王子に眠り薬を飲ませなかった。王女の語りを聞いた王子はなにもかも思い出すことができた。

朝になると王子は王女のもとへ走り、これまで忘れていたことを謝り、王女は最後のクルミを開けて一番りっぱなドレスを取り出し、二人は教会で楽しい結婚式を挙げて、不実な母親と花嫁はそこを出て行かなければならなくなった。

狐人的読書感想

グリム童話では珍しくないように思いますが、王子のダメっぷりが際立っているように感じました。

無理難題とはいえ、何も自分の力ではできなかったし、母親のキスで記憶を失ってしまいましたって、マザコンか! って感じですよね。

それに引きかえ、王女はけなげだし万能すぎましたね。王女の母親であるお妃様も王女と同じ魔法を使えるようでしたし、ひょっとしたら魔法使いの家系なのかもしれませんね。

特殊能力や魔法を使える少女が活躍するという展開は、現在でも王道ストーリーだという気がします。現実でも女性のほうがしっかりしていて強い印象を持ってしまいます。

たぶん、恋する乙女は強い、と思った、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

たぶん、恋する乙女は強い。

狐人的読書メモ

・『王の子ふたり/グリム童話』の概要

KHM113。原題:『De beiden Künigeskinner』。

以上、『王の子ふたり/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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