狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『土の中の小人/グリム童話』です。
文字数4000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約9分。
甘い考えから悪いことをしてはいけません。暴力はよくありません。兄弟を裏切ってはいけません。そんな教訓がきっと学べるグリム童話(だと思います)。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
宮殿の庭園にりんごの木があった。王はこの木を大事にしていたので、この木からりんごをもぎとった者は地下に落ちるという呪いをかけていた。王の三人の娘はそのりんごを食べたいと思っていて、ある日末娘がりんごをもいで姉たちのところへ行き、三人でそれを食べた。父は自分たちをとても愛しているのだから大丈夫だと考えたのだが、三人は地下深く沈んでしまった。
悲しんだ王は、娘たちを連れ戻した者にはその一人を妻として与える、とおふれを出した。娘たちはやさしく美しく、みんなが彼女たちを愛していたので、国中の若者たちが捜索に乗り出した。三人の若い猟師の兄弟も王女を探しに出かけていった。
八日目、兄弟は大きな城にたどり着いた。城には美しい部屋がたくさんあり、一つの部屋の食卓にはいつも温かいごちそうが並んでいた。兄弟はここを本拠地として、くじ引きで留守番の順番を決め、王の娘の捜索を続けることにした。
最初の留守番は一番上の兄だった。二人の弟が捜索に出かけると、一人の小人がやってきて、「パンを一切れください」と言った。兄は小人にパンを渡そうとしたが、小人はパンを落とし、もう一度渡してくれと兄に頼んだ。兄がパンを拾おうとすると、小人は棒で兄をなぐりつけた。翌日は二番目の兄が留守番をする番だったが、やはり同じ出来事が起こった。二人の兄はその災難を末の弟には言わなかった。二人の兄は弟をまぬけと嫌っていたからだ。
三日目に弟が留守番をしていると、小人がやってきて「パンを一切れください」と言った。やはり小人がパンを落とし、もう一度渡してくれと頼むと、弟は自分で拾うように注意した。小人は怒ったが、弟も腹を立てて小人をつかまえてさんざん殴った。小人は悲鳴をあげて許しを乞い、王の娘の居場所を弟に教えた。その際小人は、二人の兄は弟を疎んじている、娘たちは一人で助けたほうがいいとの助言を与えた。
しかし弟は兄たちに一部始終を話した。翌日、三人は連れ立って井戸に行き、一番上の兄から順番にかごで地下におりることになったが、兄は合図の鈴を鳴らしてすぐ上に引き上げてもらった。二番目の兄も同様にし、結局末の弟だけが地下へとおり、竜の頭を切り落として娘たちを救い出した。弟は娘たちを先にかごへ乗せて地上へと送ったが、兄たちは手柄を横取りするためにかごの紐を切り、弟を地下へ閉じ込めた。兄たちは娘たちを脅して事実を隠ぺいし、王に手柄を報告した。
地下に閉じ込められた弟はそこで笛を見つけた。その笛を吹くとたくさんの小人たちが現れて、弟を地上へと戻してくれた。弟は王の元へ赴いたが、弟を目にした娘たちが驚きのあまり気絶したため、王は弟を牢屋へ送った。しかし目を覚ました娘たちは弟の解放を訴えた。脅されて理由を話せない娘たちに、王はストーブに話しかけるよう助言して、戸口ですべての話を聞いた。王は二人の兄を縛り首にし、弟と末娘を結婚させた。
狐人的読書感想
いまさらですが、三人兄弟で二人の兄が悪者っていうのは、グリム童話のセオリーみたいですね。
小人、弟にボコられて言うこと聞いてしまいましたって……やっぱり暴力には逆らえないってことなんですかね? 小人の態度も悪かったとは思うのですけれども……。
王の娘たちが「自分たちは父親に愛されているから、りんごをとっても特別扱いしてもらえる」とりんごを食べましたが、結局呪いで地下に落とされてしまったところが印象に残りました。
親がどんなにえらくても、それに甘えて悪いことをしちゃダメだ、ってやっぱり思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
甘えて悪いことをしちゃダメ。
狐人的読書メモ
・『土の中の小人/グリム童話』の概要
KHM91。原題:『Dat Erdmänneken』。
以上、『土の中の小人/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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