狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『なでしこ/グリム童話』です。
文字数3800字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約10分。
なんでも願いが叶う、願いの力があったらどうする? 王子の願いで現れるなでしこの美少女は、なんだか現代のアニメやゲームやラノベにも通じているような気がしました。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
子供のいないお妃が「子どもが授かりますように……」、毎朝お祈りしていると、天使が現れて「なんでも願いが叶う男の子が授かりますよ」と言った。しばらくするとお妃はお告げのとおり、男の子を産んだ。
あるとき、お妃が庭で王子を抱いて眠っていると、年老いた料理番がやってきて王子を盗んでいった。料理番はお妃のエプロンに鶏の血をつけて「お妃は獣に王子をとられてしまった」と王様に報告した。王様は怒り、お妃を責め、高い塔に7年間幽閉することにした。その間、お妃は食べ物も飲み物も与えられなかったが、神様が天使を白い鳩の姿で遣わして、食べ物を運んでくれたのだった。
王子がしゃべれるくらい成長すると、料理番は王子に宮殿を願わせた。それから王子の遊び相手として、美しい少女を願わせた。王子と少女はすぐに仲良くなったが、それでも料理番は王子が本当の両親のところへ帰りたがるのではないかと恐れた。そこで「王子の命を奪え、その心臓と舌を持ってこい、さもないとお前の命はない」と少女を脅した。
少女は鹿の心臓と舌を皿にのせて、王子をベッドに隠した。料理番が皿に手を伸ばしたとき、王子はベッドから飛び出して「罪人は黒いプードルになれ、黄金の首輪をつけ、まっ赤に燃える炭を食べ、咽喉から炎を吐け」と言った。料理番は王子の言うとおりにその姿を変えられてしまった。
王子は母親を思い、両親のいる城へ帰る決心をした。少女は見知らぬ土地へ行くことを怖がったが、王子と離れるのはいやだった。王子は少女をなでしこの花に変えてポケットに入れ、黒いプードルを連れて旅に出るのだった。
城にたどり着いた王子は、お妃の幽閉されている塔へ赴いた。自分は生きている息子だと明かし、必ず助け出すことを約束した。つぎに父王のところへ向かい、猟師として雇ってもらえるよう願い出た。王様は猟師に「鹿がいないこの国で鹿を狩ってこい」という命令を出した。王子は願いの力で鹿を狩ってきた。王様は大変喜んでパーティーを開いた。
パーティーの場で王子は王様の隣に座るよう命じられた。王子は長官がお妃の話題を出してくれるように願いの力を使った。
「塔にいるお妃様はまだ生きていらっしゃるでしょうか?」
「妃は愛する息子を獣に引き裂かせた。妃の話は聞きたくない」
そのとき、王子は立ち上がって真実を告げた。
「私はお妃の息子です。本当に悪いのはこの年老いた料理番なのです」
王子は黒い犬を元の料理番に戻した。料理番は地下牢に放り込まれ、のちに処刑された。王子は少女をなでしこから元の姿に戻した。お妃は塔から出されることになったが、三日後に亡くなった。王様は悲しみのためにあとを追うように亡くなった。その後、王子はなでしこの少女と結婚して、幸せに暮らした。
狐人的読書感想
「なんでも願いが叶う力」、願いの力があったらいいな、と思ってしまいますね。言うまでもなくいけないことですが、王子をさらってしまった料理番の気持ちもわからなくはありませんでした。
美少女を願う王子は、なんとなく現代のアニメやゲームやラノベなんかを思い浮かべてしまいます。いつの世も、男子は美少女を、女子は美男子を、求めてしまうものなのかもしれません。
「なでしこ」といえば「なでしこジャパン」みたいな、日本の女性の代名詞的な花ですが、グリム童話のお話でもあったんですね。
「なでしこ」(撫子)の名前の由来は「撫でたくなるほどかわいらしい花姿」ということなのだそうです。
「なでしこ」の花言葉は「純愛・無邪気・純粋な愛・いつも愛して・思慕・貞節・お見舞・女性の美」などなど、やはり女性的なものが多いみたい。
王様とお妃はちょっと悲しかったけれども、王子となでしこの少女が幸せになれてよかった、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
日本の女性の代名詞的ななでしこのグリム童話。
狐人的読書メモ
・『なでしこ/グリム童話』の概要
KHM76。原題:『Die Nelke』。二話があるが、第七版までに削除される。初版のみ二話が収録。あらすじは一話、二話ともに共通している。
以上、『なでしこ/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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