狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『狼と人間/グリム童話』です。
文字数900字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約2分。
ビッグマウスって悪いこと? 結果を出せればカッコいいけれど、結果を出せなければボコボコに叩かれる。リターンの割にリスクが高い。だけど、だからこそ、ビッグマウスはカッコいい。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
昔、狐が狼に「人間の強さ」について話していた。狼は「もし人間に出会うチャンスがあれば、おれが襲い掛かってやるんだが……」と言った。狐は「それなら明日の朝うちにおいで。人間を見せてあげるよ」と狼を誘った。
翌朝、狐は狩人の通る道に狼を連れて行った。最初に年をとって退役した兵隊が通った。狼は「あれが人間か?」と狐に聞いた。狐は「あれは昔人間だったものだ」と答えた。
つぎに学校へ向かう途中の小さな男の子が通った。狼は「あれが人間か?」と狐に聞き、狐は「あれはこれから人間になるものだ」と答えた。
最後に猟銃と山刀を持つ狩人が通った。狐は「あれが人間だ」と言った。
狼は狩人に襲い掛かったが、二発の弾丸と二、三の切り傷を負って敗走した。狐が隠れている巣穴へ逃げ戻ると、狼は散々な目にあったことを狐に語った。
「ほらね、自分がどんなにほら吹きかわかっただろう。あまり遠く手斧を投げると、二度ととりもどせないよ」と狐は言った。
狐人的読書感想
ビッグマウスを戒める童話、なんですかね? 狼は「人間を襲う!」と大口を叩いて、結局負けてしまいましたが、しかしそのチャレンジ精神は認められてしかるべきだと感じたんですよね。
むしろ、人間に果敢に挑んで負傷して帰ってきた狼に対し、自分は隠れているだけだった狐が狼をほら吹き呼ばわりするのは、なんか違う気がしてしまいます。
しかしこれ、国や文化による狐と狼に対するイメージの違いが、関係しているのかもしれませんね。
日本では狼よりも狐のほうが悪者みたいなイメージが強いように思われます。狐はひとを化かす、みたいな。
グリム童話では『赤ずきん』とか『オオカミと七匹の子ヤギ』とか、狼はいつも悪者として登場しますね。
昔の日本では農耕が盛んで、作物を食い荒らす猪や鹿を狩ってくれる狼は益獣だったのに対し、昔の西欧では畜産が盛んで、豚や牛などの家畜を襲って食べてしまう狼は害獣として考えられていました。こうした違いが童話にも表れているのだという話があります。
ビッグマウスのひとって、テレビとか見てても最近は少ないような気がしますね。大口を叩いて結果を出せればカッコいいですけれど、逆に結果が出せなければダメージが大きく、リターンの割にはハイリスクだと感じてしまいます。
しかしだからこそ、ビッグマウスで結果を出せるひとには憧れてしまうのです。
自分はビッグマウスにはなれそうにないな、と思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
ビッグマウスとチャレンジ精神。
狐人的読書メモ
・『狼と人間/グリム童話』の概要
KHM72。原題:『Der Wolf und der Mensch』。
以上、『狼と人間/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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