暑い、
なつやすみ。
「今日から集中執筆モード突入!」
「ひきこもりの真価が試される?」
とか言いながらの本日は朝寝坊。
明日こそは!
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
(「『狐人』の由来」と「初めまして」のご挨拶はこちら⇒狐人日記 その1 「皆もすなるブログといふものを…」&「『狐人』の由来」)
世界には、
本当にいろいろな小説があります。
読者が、
主人公と共に旅をして、
一緒に成長できる物語。
今回はそんな小説のひとつなのです。
そんなわけで本日は、
『十二国記』
シリーズ本編第一作、
『月の影 影の海』
について、
書いてみたいと思うのです。
みなさんも、
「この小説はもっと早く読んでおきたかった!」
と思えるような小説に、
出会ったことがあるのではないでしょうか?
僕にとって、
そんな小説のひとつが、
『月の影 影の海』
なのです。
分類としては、
ライトノベル、
ジャンルでは、
ハイ・ファンタジー。
とてもとてもとても有名な小説。
(思えばこれまで有名な小説しか紹介していないのです)
(いずれこれは!と思ってもらえるような小説を紹介したい)
(だけど有名な小説しか読んでいない……もっと精進するのです)
なのできっと、
小説家になろう・エブリスタ・カクヨム・アルファポリスなど、
ネット小説投稿サイトで小説を書く、
あるいは読む小説仲間たちにも、
多く読まれている作品だと思います。
著者は小野不由美さん。
(僕も小野主上と呼ばせてもらうべきなのでしょうか)
(旦那さんは有名推理作家の綾辻行人さん!? 知りませんでした)
1998年に発表されて、
ベストセラーにもなった、
『屍鬼』
が話題となり、
一般文芸でも著名な作家さんなのです。
(有川浩さん乙一さん桐野夏生さん桜庭一樹さん……)
(ライトノベルから一般文芸に移行されている作家さんは多い)
(ライトノベルと一般文芸の垣根は低くなっている?)
ではあらすじを簡単に。
主人公は平凡な女子高生である中嶋陽子、
ある日ケイキと名乗る謎の男が現れて、
陽子の前に跪きこう言う。
「……お捜し申し上げました」
わけもわからぬまま、
ケイキに連れられ、
海に映る月の光を潜る陽子。
たどりついた異世界。
ケイキとはぐれ、
ひとり異界を彷徨うことに。
そこで出会う人々、
騙され、
裏切られ、
異形の獣たちに襲撃される。
連続する苦難。
なぜ。
生きたい。
帰りたい。
過酷な試練を経て、
行きつく旅路の果て、
明かされる真実とは?
……うーん、
うまく伝わっているのでしょうか?
とにかく、
読んでみてほしいのです!
(逃げ)
この小説のなかには、
いろんな感動的場面が、
描かれているのですが、
僕が一番印象に残っているのは、
いよいよラストのほうで、
陽子が元の世界での自分を悔悟するシーン。
元の世界に馴染めていなかった自分。
いい子を演じていた自分。
そこは決していい場所ではなかった。
両親も友達もいい人たちではなかった。
だけど、
それはその人たちだけのせいじゃなくて、
自分にも責任があった。
自分が心の貧しい人間だったから、
貧しい人間関係しか築けなかった。
それがわかった今の自分で、
もう一度やり直してみたい。
陽子は、
辛く苦しい旅路の果てに、
そのことを悟ります。
現代の日本において、
死ぬほどの思いをすることは、
あまりないのではないでしょうか。
もちろん、
辛いひとは辛いし、
苦しいひとは苦しい。
だけど、
実際に誰もが、
陽子のようなとてつもない旅をして、
しっかりと成長し、
そのことを悟るのは難しいでしょう。
辛く苦しい今であれば、
なおさらそれは困難になる。
誰も自分をわかってくれない。
誰も助けてくれない。
周りが馬鹿ばっかりに思えるかもしれない。
寝て、
食べて、
ただ時間をやり過ごして、
ひたすらに耐えて。
たとえ陽子のように、
それを悟れる日がきたとしても、
もう取り返しようのないところまで、
いつの間にかきてしまっている。
『月の影 影の海』
をもっと早く読んでいたら……
たぶん、
何も変わらなかったでしょう。
心を閉ざした人間に、
大切な何かを伝えることは、
ひどく難しい。
けれど、
もしも、
と思わされてしまう。
もしも、
苦しくて苦しくて苦しくて苦しくて、
苦しかったあの頃に、
『月の影 影の海』
を読んでいたら。
ひょっとしたら。
もしいまがとっても苦しい、
そんなひとがいたら、
また騙されるのかと思っても、
どうか読んでみてほしい、
そんな作品なのです。
狐人的にははたして、
5歳くらいのときに、
この小説が読めただろうか、
といった純粋な疑問もあるにはあるのですが。
そんな方にはアニメもあるのです!
いいものは形を変えてもいい!
そういった意味では、
日本という国は、
幼子からお年寄りまで、
幅広い世代に物語を提供できる、
本当にすばらしい国だと思うのです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
それでは今日はこの辺で。
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