狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『ナガレボシ/新美南吉』です。
文字数800字ほどの童話。
狐人的読書時間は約2分。
謝ればすむことでも二度と謝れないことがあるかもしれない。だからなるべくケンカはしないようにしたいし、ケンカをしてもできるだけすぐ謝れるようになりたいと思いました。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
(今回は全文です)
『流れ星/新美南吉』
冬のさむいさむい夜ふけ、ヒューンヒューンと木枯らしの吹くお空の上のほうで三つのならんだ子どもの星が、ケンカをしました。いつもはなかよしだったのですけれど、あんまりまんなかの星がさむいさむいと言うのでほかの二つの星にいじめられたのでした。
ゴイサギが、下のほうのこおった田んぼで「キヨォ」と鳴きました。するととつぜんまんなかの星が、黙ってつーと、下のほうへすべっていってしまいました。
「どこへいっちゃったんだろう」
「ものもいわないで」
「あんまり冷たいから手ぶくろを買いにいったのかな」
「そうだそうだ、いまに帰ってくるよ」
あとに残った二つの星はこんなことを、口では言っていても、心の中では、あの星があまりいじめられたので、どこかへ逃げていってしまったのではないかしらと心配でたまりませんでした。
消えていった星は、いつまでも帰ってきませんでした。それは流れ星だったのです。
それから一月ほど経ちました。二つの星は、その夜も、押し黙ってあっちこっちとなくなった星を目で探していました。
「あっ、いるよ」
「え、どこに」
「ほら、あそこに」
ずーっと下のほうのある町の細い道の上にキラキラと光るものがありました。
「いってみよう」
「うん」
二つの星は高い高い空から木枯らしの吹く町の中へ下りていったのでした。けれど、二つの星はがっかりしました。道の上に光っていたものは、なくなった星ではなくって、ガラス瓶のかけらだったのです。
その夜も、田んぼではゴイサギが鳴いていました。
狐人的読書感想
なんだかもの寂しいお話でしたね……。
謝ればそれですむ話であっても、もしかしたら二度と謝れないことがあるかもしれない――だから友達をいじめてはいけませんよ、というお話なのかもしれません。
あるいはささいなことで朝ケンカしてしまった家族が、突然の交通事故かなんかで亡くなってしまい、もはや二度と仲直りできない――みたいなイメージがふと浮かんできました。
友達同士で話しているときに、不平不満ばかり言っていると、じつはそれがうざいと思われていたって経験が、僕にもありましたね。
あとでべつの友達から聞かされて反省したんですけれど、そのときに気づくべきでした。
あとで思い出してみればたしかに場の空気を盛り下げていた感があって恥ずかしくなりましたが、そのときってこっちはヒートアップしててなかなか気づけないものなんですね(……僕だけかもしれませんが)。
ひとと話をするときにはなるべく不平不満は言わないように、それから当然ひとをいじめないようにしたいと思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
ひとの前で不平を言わないようにしたいと思った。
狐人的読書メモ
・ゴイサギはペリカン目サギ科ゴイサギ属に分類される鳥類。
・『ナガレボシ/新美南吉』の概要
1950年(昭和25年)5月、『がちょうの たんじょうび』(羽田書店)にて初出。もの寂しいお話。しかし二度と仲直りできないかもしれない、という思いは常に持ってひとと接するべきなのかもしれない。
以上、『ナガレボシ/新美南吉』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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