蚤と蚊/夢野久作=1日20時間寝て8g食べて一生懸命生きてる。

狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

蚤と蚊-夢野久作-イメージ

今回は『蚤と蚊/夢野久作』です。

文字200字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約1分。

「働きなさい!」って言われる。たしかに1日15~20時間寝てる。でも1日8gしか食べないし。速く動くだけで命の危機だし。敵に見つかったらすぐあきらめる。けど一生懸命生きてる。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

(今回は全文です)

『蚤と蚊/夢野久作』

夏の暑い日になまけものがひるねをしておりますと、蚤と蚊が代る代るやって来て刺したり食いついたりしました。なまけ者は怒りだして、

「折角ひとが寝ているのに何だっていたずらをするのだ」

と叱りつけました。

蚤と蚊とは声をそろえて答えました。

「私たちはあなたのように寝ころんでいるなまけものがすきなのです。私たちに好かれないようになりたいならば、起き上ってセッセとお働きなさい」

狐人的読書感想

「働きましょう!」というシンプルな教訓話のようですね。

タイトルは『蚤と蚊』となっていますが、「なまけもの」という生き物のほうに興味を惹かれてしまいます。

調べてみるとすごくおもしろいです。

なまけものは木の枝にぶらさがって過ごし、1日に15~20時間眠っているんだそうです。

食事は1日8gの植物で生きていけるという超エコっぷり。

できる限り代謝を低くして少ない食料で生きるという、なまけものの「なまけ」を生存戦略ととらえるならば、学ぶところがあるようなないような感じがします。

7~10日に1回ほど、排泄のために木を降りるそうですが、この排泄にエコなサイクルが隠されています。

それは、

なまけもの、排便する

なまけものの排泄物に蛾が卵を産む

羽化した蛾がなまけものの毛に棲みつく

蛾はなまけものの毛に排便、窒素量増加

それを肥料になまけものの毛に藻が生える

その藻をなまけものが食べる

なまけもの、排便する

と、こんな感じになります。

なまけものは食事の消化に1ヵ月ほどかかるため、代謝に吸収が追いつかず飢えてしまうこともあるんだとか。

あと、動きが遅すぎて逃げられないため、猛禽類に見つかったらまず命はありません。

動き過ぎてもエネルギー不足で命を落としてしまうそうです。

なんかいつも笑ってるようなかわいい顔してるなぁ、と思いきや、なまけものは全身筋肉がほとんどなくて、だから表情筋もなくて皮膚がだるんだるんにたるんでいるから、あんな顔に見えるだけなのだとか。

でもペットにしたらよさそうですよね。

エサ代とかかからなそうだし。

しかしなまけものはかなり高額で、60~100万円くらいするらしいです。

しかも高温多湿の飼育環境を保つのがけっこう大変らしく、電気代とかそっちに費用がかかってしまい、手間もかかるので飼うのは難しいみたいですね。

働いていないように見えて、なまけものは一生懸命生きてるんだなぁ……と思った、今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

1日20時間寝て8g食べて一生懸命生きてる。

狐人的読書メモ

・蚤と蚊も働いているとは言いがたい気がしたけれども……。

・なまけものは敵に捕食される瞬間、すぐあきらめて全身の力を抜いてしまう。緊張状態をなくし、少しでも苦痛を和らげるためといわれている。

・『蚤と蚊/夢野久作』の概要

1923年(大正12年)11月4日、『九州日報』にて初出。九州日報シリーズ。初出時の署名は「土原耕作」。「働きましょう!」という教訓話だが、ツッコミどころはある気がする。

以上、『蚤と蚊/夢野久作』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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