狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『尾生の信/芥川龍之介』です。
文字1600字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約7分。
「尾生の信」は中国故事にもとづく慣用句で、意味は「愚直」「融通が利かない」。橋の下で恋人を待っていたら、増水して…。遅刻する人にはタイムサブミッシブ。待つより行動!
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
夕暮れ時、尾生は橋の下で女を待っていた。夜中、尾生は満潮の水に溺れて命を落とした。尾生の魂は輪廻転生を繰り返して、現代の「私」に生まれ変わった。だから、「私」は現代に生まれても何一つ意味のある仕事ができず、ただ来たるべき不可思議なものばかりを待っている。
狐人的読書感想
「尾生の信」は中国の故事にもとづく慣用句なんだそうです。意味は「愚直」「融通が利かない」。待ち合わせの約束をした恋人を愚直に待ち続けるって、たしかにバカな話に聞こえますが、ひょっとして美談にもなりえそうな気がします。
待ち合わせで待てる時間って、みんなどのくらいなんでしょうね?
ネットで調べてみると2、30分くらいが一番多いみたいです。最近はケータイですぐ連絡が取れますし、何かトラブルで連絡がなかったとしても、解決すればまた連絡してくるでしょう、って感じで、さっさと見切りをつけてしまうのが賢い選択だという気がします。
まあ、喫緊の用事がなくて、本だったりゲームだったり、暇をつぶすものがあったりすれば、1時間くらい待たされても、それほど腹は立たないかもしれません。
とはいえ、人を待ったり待たせたりするのはよくないこと。しかし、10分15分くらいの遅刻は当たり前って価値観の人もいたりします。
いつも遅刻する人には、たとえば12時待ち合わせの約束のとき、「11時57分に待ち合わせね」など、中途半端な時間を設定すると、ちゃんと時間通りにきてくれることがあるそうです。
これは「タイムサブミッシブ」といわれています。
遅刻する人というのは、時間の捉え方がアバウトなので、「12時」と聞くと「12時頃」と大まかな認識をしてしまうらしく、10分15分の遅れは遅れだと考えられないから遅れてしまうのだとか。
中途半端な時間設定は、無意識に細かい時間間隔を意識させることができ、普段よりも時間を気にするので、これで結構遅刻は減るんだそう。
芥川龍之介さんは、この故事を自分の仕事に当てはめて考えたみたいですね。
現代人からしてみると、芥川さんの仕事が「何一つ意味のある仕事ができず……」とは絶対に言えないと思うのですが、当時はそう思ってしまっても仕方ないくらいの評価だったんですかね……。
仕事以外でも、人はついつい何かを期待して待ってしまう傾向があるように、僕も感じています。
試験の結果とか面接の結果とか公募の結果とか……。
すごく気になってしまって、他の物事に手がつかなくなってしまうときもあったりしますが、思えばそれって不毛な時間ですよね。
恋も結果も、期待して長時間待ってはいけないって、話?
そんなふうに思った今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
タイムサブミッシブ、待つより行動!
狐人的読書メモ
・とはいえ、どうしても待ってしまう。
・要、意識改革
・来たるべき不可思議なものとは……?
・『尾生の信/芥川龍之介』の概要
1920年(大正9年)『中央文学』(春陽堂)にて初出。同年、短編集『影燈籠』(春陽堂)に、「黄梁夢」「英雄の器」「女体」に続く「小品四種」の「四」として収録。中国古典から発想された、緩やかな連作短編とされる。
以上、『尾生の信/芥川龍之介』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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