狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『仔牛/新美南吉』です。
文字100字ほどの詩。
狐人的読書時間は約1分。
牧場の牛やペットの犬猫を見てて、うらやましく思ったことある? でも、彼らは制限された自由を生きてて、それは人間だって同じなんだ。仔と子の違い? 牛はショートスリーパー? 牛の胃に磁石?
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
(今回は全文です)
『仔牛/新美南吉』
仔牛は日向に
たっていた
細い四足すっきり伸びて
小さいひづめは繁縷ふんで。
日永、半日
たっていた
青いお目々は牡丹をみつめ
黝いお鼻は匂いにぬれて。
すると日暮にお角が生えた。
空に小さく三日月でゝた。
狐人的読書感想
タイトルが『仔牛』ということで、「仔」と「子」は何が違うのか、さっそく気になってしまいました。
どちらも「子供の」という意味だそうですが、「仔」のほうは動物のみで人間には使われず、「子」は人間と動物どちらでも使えるんだそうです。
仔牛といえば、やはり牧場の牛を想像してしまいます。逆に自然の牛って、現代では想像しにくいような気がしてしまいますね。
本作は、ほのぼのというか、のどかというか――牛って、ただそこにいるだけで、一日が過ぎていってる印象が、たしかにあるんですよね……もちろん、エサを食べたり、一生懸命生きているというのは、わかるんですけれども。
ちなみに牛雑学なんですが、牛は寝そべっている姿をけっこう見ますが、じつはショートスリーパーで、1日に3時間程度しか寝ないんだそうです。
牧場の牛には強い磁石を飲み込ませていて、これは誤飲してしまった釘や鉄くずで胃が傷つくのを防ぐためだといいます。
牧場などでゆったり日々を送っている牛を見ていると、いつも時間を気にして生きている自分と比べて、うらやましく思ったりもしますが、しかし牧場にいるような動物は主に食用のために飼われているわけであって、それをうらやましがるのはお門違いかもしれません。
たとえば犬や猫のペットなんかも、ずいぶん気楽に見えることがあって、「ああ、犬になりたい、猫になりたい」などと思うことがありますが、「自由な生を代償にした悠々自適なくらしぶり」といったふうにも言えるわけで、それをうらやましがるのもどうなんだろう、って気はします。
とはいえ、人間だって、多くの人は決して完全に自由ではなくて、学校に行ったり、生きるためには社会に労働力を提供せねばならず、それは多くの場合、嫌な仕事のために自分の時間を切り売りしていることにほかならず――本当に自由で悠々自適な日々を送ってるひとって、どのくらいいるんでしょうね?
それを思えば、牛も犬も猫も人も、生き物はみんな制限された自由を生きるしかないわけで、食用で飼われるのも、ペットとして飼われるのも、あるいは仕事をしながら生きるのも、全部同じことだと言えるんでしょうね。
……言えないでしょうかね?
そんな感じのことを漠然と考えた、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
牛はのんびり生きられてうらやましいなって思う?
狐人的読書メモ
・牛雑学。ミノ、ハチノス、センマイ、ギアラ。牛には胃が4つある。
・『仔牛/新美南吉』の概要
1935年(昭和10年)2月、『チチノキ』にて初出。
雰囲気がすごくいい詩。
以上、『仔牛/新美南吉』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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