怪談会 序/泉鏡花=夏の定番!怪談会?恐怖を楽しむ脳の不思議。

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

怪談会 序-泉鏡花-イメージ

今回は『怪談会 序/泉鏡花』です。

文字数400字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約1分。

友達同士で怖い話する?怪談って言葉自体、最近あんまり聞かない印象を持つ。とはいえホラーはエンターテインメント。人が恐怖を楽しめるのは、脳が生命維持の行動を起こしやすくするため……

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

(今回は全文です)

『怪談会 序/泉鏡花』

   序
つたふるところ怪異くわいいしよおほくは徳育とくいくのために、訓戒くんかいのために、寓意ぐういだんじて、勸懲くわんちやうとなすにぎず。けだをしへのために、鬼神きしんわづらはすものなり人意じんいいづくん鬼神きしん好惡かうをさつむや。さつせずしてこれふ、いづれも世道せだう執着しうぢやくして、眞相しんさうあやまつなり。く、こゝしるすものはみな事實じじつなりと。ひとはしるもの汽車きしやず、ぶものとりず、およぐものうをず、なるもの廂髮ひさしがみざるゆゑて、ちくらがをきとなすなかれ。

泉 鏡花

(一応、現代語訳風も……)

伝えられている怪異の書の多くは、道徳教育または訓戒のため、寓意を語って勧善懲悪を教える助けとしているに過ぎず、その教えのためだけに鬼神を煩わせているものだ。

人の心がどうして鬼神の好悪を察せられるであろう。

察せられずにいるのにもかかわらず、みんな社会道徳に執着して、その真相を誤って認識している。

ここに記すものはすべて事実である。

これを読む人は、その走るものが汽車に似ず、飛ぶものが鳥に似ず、泳ぐものが魚に似ず、美というものが庇髪ひさしがみ(前髪を庇のように膨らませた昔の女性の髪形)に似ていないからといって、ちくらが沖(物語の架空の海の名前、すなわち架空のもの)と思わないように。

狐人的読書感想

ふむ。短いし、『怪談会 「序」』って何? と思ったのですが、これは明治41年、怪談にまつわる著名人たちが、一堂に会して行われた怪談会(「化物会」の会合)を記録・編集した書物の序文として、泉鏡花さん書いたものなのだそうです。

この『怪談会』は、いまでは『文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会』(ちくま文庫)で読めるみたいですが、じつはこれが発行されるまで、初版刊行以来100年ほど再版されておらず、昔は古本市場に出ると驚くほどの高値がつけられる稀覯本だった、という話があります。

(ちょっと読んでみたくなりました)

さて、泉鏡花さんといえばおばけ好き、その作品には幽霊や怪異が出てくるものが多い印象があります。

この序文を簡単にいってしまえば、「おばけは本当にいるんだぞ!」といった感じで、いかにも泉鏡花さんらしい言い回しで書かれています。

怪談会に出席して、怪談を聞いたり語ったりするというのは、相当なお化け好きといっても過言ではなく、どんなおばけ好きになるきっかけがあったのかは、気になるところです。

じつは『霰ふる』という小説の中で、主人公が10歳くらいの頃から30歳を越えるまでに、同じ二人の若い女の幽霊をたびたび見た話が綴られているのですが、実際の泉鏡花さんの体験が描かれていたのかなあ……、そんな経験があったらたしかにおばけを信じちゃうかもなあ……、と、いまふと思いました。

おばけを見たことがあって、本気で信じてるってひとは、現代ではどのくらいいるものなんでしょうね?

怪談会といえば夏のお泊り会の夜にやっているのを、マンガか何かで見たことがあるのですが、実際にやったり聞いたりしたことはないように思うんですよね。

心霊現象や怖い話をテレビで見たりすることはたまにありますが、現実にそういった話を聞いたことは、やっぱりあまりないように思います。

(……ひょっとして僕だけ?)

怪談ブームは100年ごとに訪れる、みたいな話があったりもしますが、最近はザ・怪談って感じの話をあまり聞かないような気がします。

とはいえ、ドラマや映画やゲームなんかでは、ホラーといったジャンルに属する作品は、一定の周期で見かけられますよね。

人の脳は恐怖を感じると快楽物質を出すという話があって、それは緊張を緩和して生命維持の行動を取りやすくする働きがあるのだといいますが、そのために人は恐怖を楽しむことができるというのも、なんだか矛盾しているというか、すごいことのように感じてしまうんですよね。

現代ではおばけはエンターテインメントになっていて、でも泉鏡花さんが生きていた時代の怪談や怪談会も、ひとつのエンターテインメントだったのかもしれません。

泉鏡花さんが「おばけは本当にいるんだぞ!」といっているからには、やっぱりむかしもいまもおばけを信じているひとは少数派ということで、その数は時代を経るごとに減っているのかもしれませんが、しかしそれにもかかわらず人は娯楽のために怖いものを求め続けるというのは、なんだか不思議な感じです。

怪談(ホラー)は永久に不滅です。

――という今回の読書感想でした。

読書感想まとめ

怪談会ってやったことある?

狐人的読書メモ

・怪談会は本当にいまでも夏の定番なのか? そのイメージは定着しているように思うが、実際にやってるひとはあまりいないような気がする。ちょっと統計を取ってみたく思った。

・『怪談会 序/泉鏡花』の概要。1909年(明治42年)『怪談会』(柏舎書楼)にて初出。『怪談会』は発行以来再版されず、一時は稀覯本として高値がつくも、現在では2007年発行の『文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会』(ちくま文庫)にて読むことができる。

以上、『怪談会 序/泉鏡花』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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