木枯の酒倉から/坂口安吾=なんで酔っていても家に帰れるの?

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狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

木枯の酒倉から-坂口安吾-イメージ

今回は『木枯の酒倉から/坂口安吾』です。

文字数11000字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約40分。

坂口安吾デビュー作。ファルス。
安吾の葛藤、インド哲学・仏教、音楽――
とはいえ、よくわかりませんでした。
なので、酔っても家に帰れる理由を調べてみるという
笑劇的読書感想。

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

木枯の荒れ狂う一日、僕は武蔵野に引っ越ししようと、村から村を歩いていた。そして夕暮れ時にとても気に入った一つの村を見つけた。喜んでいると、村はずれの一軒に、突然物の破れる音がして、一人の男が僕のほうへ駆けてくる。驚いたことに、男は僕にそっくりだった。

僕が呼び止めるのも聞かず、横を通り過ぎていく男を、後ろから追いかけてつかまえた。順を追って説明し、この村に貸家がないかを尋ねると、男は意外と親切な様子で、僕を先ほど飛び出してきた自分の宿へ案内し、笑うべき物語を語って聞かせた。

その話は狂人の語る戯言のようで、まるで要領を得ないのだが、だいたい次のようなものだ。

男は禁酒をしようと決意している。造り酒屋で働いているらしい。そこの亭主はヨーギン(ヨガ行者)で幻術を使う。男は酒倉へ行ったり、そこから逃げ出したり、また酒倉に行ったり――ということを繰り返している。

ヨーギンは魁偉なる尻を天高く差しあげ、太い頸を股にさし込むようなヨガポーズをとる。そのそばに銅色の綺麗な娘が現れる。男は跳ね上がるとヨーギンの首を絞めつける。

「酒をやめた!」と叫んで酒倉の扉を蹴倒し、荒れ狂う木枯の闇へ舞うように踊りこむが、下宿へ戻ると「酒をくれ!」と反吐を吐いてしまう。そしてまた酒倉へ戻る。繰り返す、繰り返す、繰り返す――

著者の付記によれば、この小説には筋がなく、人物も場所も曖昧であり、ただ永遠に続くべきものの一節なのだという。

狐人的読書感想

『木枯の酒倉から 聖なる酔っ払いは神々の魔手に誘惑された話』というのが正式なタイトルで、坂口安吾さんのデビュー作です。

正直内容がまったくわかりませんでした。

つまりアルコール中毒の酔っ払いが見た幻覚のお話?

まあ、著者自身が付記で「筋がない話」だと言っているので、それでいいのかもしれませんが。

坂口安吾さんの書くこのような小説を「ファルス」とかいうそうですね。

ファルスは笑劇という喜劇の一形態なのだそうですが、いわれてみればたしかに滑稽味のようなものを感じられるかもしれません(ヨーギンの尻の件とかでいいのかなあ? なんだか幼稚な見解という気もしますが……)。

坂口安吾さん自身は『FARCEに就て』の中で「ファルス」について以下のように語っています。

『ファルスとは、人間の全てを、全的に、一つ残さず肯定しようとするものである。』

『ファルスとは、否定をも肯定し、肯定をも肯定し、さらにまた肯定し、結局人間に関する限りの全てを永遠に永劫に肯定肯定肯定して止むまいとするものである。』

『木枯の酒倉から』ではエンドレス構成になっているあたりに通じるところを感じますが、僕にはあまりたしかなことを語れそうにありません。

相当難しく考えてしまいます。

これがデビュー作というのは、なんとなく凄みが感じられる気はしたのですが、どうですかね?

そんなわけで、感想らしい感想を持ち得なかったのですが、ひとつだけ思ったのは、酔っ払った男が酒倉と下宿を無事に行き来しているところなんですよね。

「酔っていても家に帰れるのはなんで?」という素朴な(感想に関係ない素朴すぎる)疑問なのですが。

調べてみると、脳にはお酒に弱い部分(海馬)と強い部分(頭頂葉)とがあり、家までの道のりといった情報はお酒に強い部分が記憶しているそうで、ナビゲーション・ニューロンが勝手に体を家まで案内してくれるのだといいます。

よく、お酒を飲み過ぎて記憶をなくすといいますが、これは記憶をなくしているわけではなくて、新しく記憶を作る部分(海馬)がお酒に弱く、マヒして新しい記憶を作れなくなることで生じる現象なのだとか。

人間の不可解な行動と脳機能については調べてみるとけっこうおもしろい話が見つかるんですよね、という、感想が思い浮かばなかったから雑学を語ってみました、という、ファルス(苦笑劇)。

読書感想まとめ

ファルス。

狐人的読書メモ

インド哲学・仏教、あるいは音楽などとも関連して読めるらしいが、その素養がない自分にその読み方はとても難しい。要勉強のこと。

・『木枯の酒倉から/坂口安吾』の概要

1931年(昭和6年)『言葉』(第二号)にて初出。坂口安吾のデビュー作。ファルス。仏教対文学という安吾の内面での葛藤。インド哲学・仏教、あるいは音楽などと関連して読める。

以上、『木枯の酒倉から/坂口安吾』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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