狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『誠実なフェレナントと不誠実なフェレナント/グリム童話』です。
文字数4500字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約11分。
お妃様は好きな男と結婚するため、夫である王様の首を切った。グリム童話って、信賞必罰にならない展開がままありますよね。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
昔、貧しい夫婦の間に子供が生まれた。父親が子供の名付け親を探していると、貧しい男に行き合った。男は「子供の名付け親になりましょう」と申し出た。
子供は「誠実なフェレナント」と名づけられた。男は父親に鍵をあずけ、「子供が14歳になったら、この鍵を使って荒野の城の扉を開けさせなさい、中のものは子供のものになるでしょう」と言った。
14歳になったフェレナントが、荒野の城の中に入ると、そこには一頭の白馬がいた。フェレナントはその白馬に乗って旅に出ることにした。途中、落ちていた羽根ペンを拾い、川岸にあがって苦しそうな魚を水の中に戻してやった。魚はお礼に笛をくれた。
旅を続けていると、誠実なフェレナントは「不誠実なフェレナント」と出会い、意気投合して同じ宿に泊まった。宿屋の娘が誠実なフェレナントを気に入り、王様の家来になるように勧めた。娘は王様に二人を紹介し、二人は王様の家来になった。
不誠実なフェレナントは誠実なフェレナントに密かな敵意を持っていた。不誠実なフェレナントの陰謀により、誠実なフェレナントは、王様のお妃様を連れてこなければならなくなった。できなければ首をはねられてしまう、と誠実なフェレナントが困っていると白馬がしゃべりだした。白馬は誠実なフェレナントに知恵を授けた。
「王様にお願いして、肉をたくさん積んだ船と、パンをたくさん積んだ船を用意してもらってください。それを途中にいる巨人たちと大きな鳥たちにあげれば、無傷でそこを通してくれるでしょう。巨人に手伝ってもらい、眠ったお妃様をベッドごと運べば、お役目を果たすことができます」
誠実なフェレナントは白馬の教えに従い、役割を果たした。その後、お妃様は書くものを城に忘れたと言い出し、またしても誠実なフェレナントが同じ方法でそれを取りに行った。帰りにお妃様の羽根ペンを水に落としてしまったが、笛で魚を呼び出して拾ってもらうことができた。
お妃様は王様よりも誠実なフェレナントを好きになった。
「わたしは首を切ってもとに戻すことができます」
お妃様はそう言って、誠実なフェレナントでそれが試して、成功させる。つぎに王様で試されることになったとき、お妃様はわざと失敗して、王様を亡き者にした。その後、お妃様は誠実なフェレナントと結婚した。
あるとき、白馬がフェレナントに「荒野へ行って、周辺を三回回ってください」と頼んだ。フェレナントが言われたとおりにすると、白馬は王子の姿に変わった。
狐人的読書感想
なんか、すごいお話でしたね、お妃様。別の男を好きになったから、王様を亡き者にして、その男と結婚するとは……悪女ですね。
とはいえ、王様も無理矢理お妃様をフェレナントに連れてこさせたのだと解釈すれば、一概にお妃様だけが悪いとは言えないんでしょうか……。
不誠実なフェレナントは言うまでもなく悪党でしたし、このお話には悪党ばかり登場している印象を持ってしまいます。
しかも、お妃様と不誠実なフェレナントは、とくに悪事の罰を受けるでもなく、必ずしも信賞必罰にならないというのは、たまにグリム童話に見られる傾向のように感じました。
しかし白馬とか魚とか、人間以外はいいひとだったな、とか思ってしまった、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
悪党ばかり?
狐人的読書メモ
・『誠実なフェレナントと不誠実なフェレナント/グリム童話』の概要
KHM126。原題:『Ferenand getrü und Ferenand ungetrü』。『実意ありフェレナンドと実意なしフェレナンド』あるいは『正直フェレナンドと性悪フェレナンド』とも。
以上、『誠実なフェレナントと不誠実なフェレナント/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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