狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『森のなかのばあさん/グリム童話』です。
文字数2000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約5分。
親切にしてくれた鳩を信じられるか。娘はその鳩に言われたとおりに、おばあさんから指輪を盗まなければならないんだけど、鳩を信じて盗みを働いてもいいんだろうか。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
昔、女中が主人の一家と大きな森を旅していたが、野盗に襲われ、女中ひとりを残して、一家全員の命が奪われてしまった。
この娘だけがひとり助かり、森をさまよっていると、小さな金の鍵をくわえた鳩が飛んできて、「この鍵であそこの木の錠前を開けなさい。食べ物がありますよ」と言った。
娘は鳩に言われたとおりにして、ミルクとパンを食べることができた。鳩は同じ方法で、白いベッドやすばらしいドレスを娘に与えた。ある日、また鳩がやってきて、「私のためにしてもらいたいことがあります」と言った。
「小さな家から無地の指輪をとってきてください。家の中にはおばあさんがいて、『こんにちは』と言うでしょうが、決して返事をせず、話をしないでください」
娘は鳩の言う家に行き、おばあさんを無視して、たくさんの指輪が並んだテーブルから、無地の指輪を探したが見つからなかった。探しているうちに、おばあさんが鳥かごを持って家から出て行こうとしていた。鳥かごの鳥が無地の指輪をくわえていたので、娘はそれをとって木のところへ帰った。
鳩が来るのを待っていると、木の枝が二本の腕になって、娘を抱きしめた。木は美しい男の姿に変わり、「あなたが魔法から解き放ってくれました。あのおばあさんは悪い魔女で、私を木に変えてしまいました。私は毎日2時間だけ鳩になれましたが、魔女が指輪を持っている限り人間には戻れませんでした」と言った。
気がつくと、周囲の木も人間に戻り、彼らは男の家来や馬だった。男はある国の王子だった。王子は娘を連れて国へ帰り、二人は結婚して幸せに暮らした。
狐人的読書感想
絵に描いたような玉の輿ストーリーでしたね。グリム童話って玉の輿ストーリーがけっこう多いなと、いまさらながらにふと思いました。
親切にしてくれた鳩の言うことを信じて娘は行動し、結果としてそれはよい行いとなって、よい報いをもたらしたわけですが、ひとの言うことを信じるのってむずかしいことのように感じます。
親切にしてくれたからこそ何か裏があるんじゃないか、とか疑ってしまいそうですし、鳩と人間のおばあさんとでは人間のおばあさんを信じてしまいそうですしね。
最初はひとの言うなりになっていて幸せになれるのだろうか……、とか懐疑的な見方をしていたのですが、ひとの言うなりになるのも案外むずかしいのかもしれない、と思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
信じるのはむずかしい。
狐人的読書メモ
・『森のなかのばあさん/グリム童話』の概要
KHM123。原題:『Die Alte im Wald』。
以上、『森のなかのばあさん/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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