狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『三人の軍医/グリム童話』です。
文字数2500字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約6分。
失敗して、ひとに迷惑をかけても、自分の身が危ないと感じたら、その原因が自分にあったとしても、やっぱり逃げ出してしまうかもしれない。逃げずに謝れたらいいな。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
三人の軍医が、ある宿の主人に外科医の腕前を披露することにした。一番目の軍医は自分の手を、二番目の軍医は自分の心臓を、三番目の軍医は自分の両目を、それぞれ切り離してつぎの朝に治すと言った。
主人は手と心臓と両目を一枚の皿に置いて、大事にするようにと女中にわたした。女中は戸棚に皿を入れたが、夜に内緒の恋人がやってきたとき、食べ物を出そうとして戸棚を閉め忘れ、手と心臓と両目を猫に盗まれてしまった。
恋人の兵士が食べ終わり、片付けをしようとした女中は、戸棚の皿が空っぽなのに気づく。兵士に説明すると、「おれがなんとかしてやる」と彼は言う。兵士は罪人の手を切り落とし、捕まえた猫の両目をえぐり出し、豚の心臓をとって戸棚の皿の上に置いた。
翌朝、三人は皿の上の手と心臓と両目をそれぞれつけて宿をあとにした。三人が道を行くと、豚の心臓をつけた軍医はすみを鼻で掘りたがり、汚いところへばかり行こうとした。二番目の軍医は「目が全然見えない」と言った。一番目の軍医は食堂で金持ちの男の金を盗もうとした。
三人の軍医は話し合い、前の宿の主人が、自分たちの手と心臓と両目を別のものに入れかえたに違いないと結論づける。つぎの朝、三人はあの宿に戻り、主人を問い詰める。主人は女中のせいに違いないと主張したが、すでに女中は逃げ出したあとだった。
三人の軍医は宿の主人に賠償金を要求し、一生暮らすのに十分な金を得たが、それでも元の自分の手や心臓や両目をつけていたかったに違いない。
狐人的読書感想
自分の腕前や優れた技術を、安易にひとに見せびらかしてはいけない、ということなんでしょうかね。「能ある鷹は爪を隠す」とも言いますしね。
一度取り外した手や心臓や両目を翌朝元に戻せるというのは、すごい技術でしたね。外科医といいつつ、軟膏で治していたのにはちょっとびっくりしてしまいましたが。
軍医たちにまったく責任がないとはいえないにせよ、一番悪いのは女中ですよね。ことをごまかし、最後まで逃げてしまったのはよくないことだと思いましたが、しかし実際、自分が女中の立場だったらどうしただろうと考えてしまいます。やっぱり逃げ出したかもしれません。
せめて逃げずに謝りたい、と思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
せめて逃げずに謝りたい。
狐人的読書メモ
・『三人の軍医/グリム童話』の概要
KHM118。原題:『Die drei Feldscherer』。
以上、『三人の軍医/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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