狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『三人のしあわせもの/グリム童話』です。
文字数2000字ほどのグリム童話。
狐人的読書時間は約5分。
ある物が知られていない国ならその物は高く売れる、というグリム童話。たしかに知らなかった食べ物が毎年のように流行っていたりするような気がします。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
あるとき父親が三人の息子を呼んで、長男に一羽の雄鶏を、次男に一丁の草刈り鎌を、三男に一匹の猫を与えて言った。「それぞれ、それをまだ知らない国に持っていきなさい。そうすれば一財産築くことができるだろう」
父親が亡くなると、長男は雄鶏を抱えて出かけていったが、雄鶏はどこでも知られていた。が、ある島に着くと、そこの人々は雄鶏を知らず、時間の分け方さえわからなかった。そこで長男は「この動物は夜三回、決まった時間に鳴くからいつ日が昇るかがわかる。昼間に鳴けば天気が変わる合図になる」と雄鶏を紹介した。島の人々は大変喜び、長男はロバ一頭にのせられるだけの金貨をもらって家に帰った。
つぎに次男が旅に出たが、草刈り鎌はどこにでもあった。しかしある島にたどり着くと、そこの人々は鎌を持たず、大砲を使って麦を撃ち落としていた。次男が鎌を使って楽に麦を収穫すると、島の人々は喜んで、馬にのせられるだけの金貨を支払って草刈り鎌を買ったのだった。
いよいよ三男も猫を持って出かけたが、猫はどこにでも溢れていた。やがてある島にたどり着くと、その国には猫はおらず、ねずみの被害で困っていた。そこで三男の猫はねずみ捕りをして人々は大喜び、王様はラバにのせられるだけの金貨を払って三男から猫を買いとった。
猫は城でねずみ捕りをして楽しく過ごしていたが、ある日、のどが渇いて「ニャーニャー」と鳴いた。すると王様も宮廷の人たちもこの奇妙な鳴き声にびっくりした。王様たちは城から逃げ出して会議を開き、猫に城を出て行ってもらうことにした。もしも出て行かなければ力ずくで追い出すことに決めた。王様の使者が猫に城を出て行くよう伝えたが、猫は「ニャーニャー」と鳴くばかり、使者にはそれが「嫌だ、嫌だ」と言っているように聞こえた。王様は猫を無理矢理城から追い出そうと大砲を撃ったが、猫は窓から逃げ出していた。しかし砲撃をやめなかったので、城はたちまち崩れ落ちてしまった。
狐人的読書感想
ある物を知られていない国に持っていけば高く売れる、というは、なんだか経済学っぽいというか、商売のコツっぽいなと感じましたね。
タバスコを日本に広めたのはアントニオ猪木さんだった、みたいな。
とはいえ、これだけグローバル化した世界では、「ある物を知られていない国」を見つけるのもなかなかむずかしいのかな、って気がします。
しかし食べ物とかって、これまで知られていなかったものが毎年のように流行ったりしているようにも思えてきます。
「ある物を知られていない国に持っていけば高く売れる」というのは、やっぱり一つの商売のコツだと言えるのかもしれません。
ねずみ捕りのために猫が広まった、というのは、世界的に共通することがらなんでしょうね。
たしか日本でも、ねずみから荷物を守るため、中国からの船に猫が一緒に乗ってきたのだと聞いたことがあります。
猫の泣き声「ニャーニャー」が「嫌だ、嫌だ」に聞こえるというのは、なんとなく共感を覚えてしまいましたが、大砲で追い払おうとするのは、なんともかとも……、といった感じ。
知らないものほど恐いものはないと思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
知られていない国なら高く売れる!
狐人的読書メモ
・『三人のしあわせもの/グリム童話』の概要
KHM70。原題:『Die drei Glückskinder』。
以上、『三人のしあわせもの/グリム童話』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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