狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『畑のへり/宮沢賢治』です。
文字数2000字ほどの童話。
狐人的読書時間は約6分。
七十枚の歯と六枚の緑色のマントを逆さに着ている者、あれはカマジン国の兵隊が連れた幽霊だと一匹のカエルが騒ぎ出す。あれはとうもろこしというやつなんだよ。宮沢賢治の童話的スケッチ。
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
畑のへりに一列に植えられたとうもろこしを見た一匹のカエルが騒ぎ出す。「カマジン国の兵隊が幽霊をつれてやってきた! 幽霊には七十枚の歯があって、緑色のマントを六枚重ねて逆さまに着てる!」
それを聞いたもう一匹のカエルが「あれはとうもろこしというやつだ」と教える。そこへひとがやってきて、とうもろこしをとっていく。ひとには手が十六本あるようにカエルには見える。とうもろこしは恐がっている。
ひとは歌を歌いながら去っていく。カエルは「自分のほうがうまい」と歌い出すが、ひとは気づかずに行ってしまう。二匹のカエルは別れ、とうもろこしはさやをなくしてさびしくなったが、穂を空にひらひら動かしている。
狐人的読書感想
カエル目線からのとうもろこしとひと、田園風景の童話的スケッチですね。宮沢賢治さんのこういった観察眼はいつもすごいなと感心してしまいます。
とうもろこしのつぶはたしかに歯みたいに見えます。葉っぱは逆さまに着た緑色のマントに見えます。しかし言われてみないとなかなかそういうふうには見ないんですよね。
カエルから見ればとうもろこしもひともお化けのように見えるのかもしれませんが、ひとから見てもカエルやとうもろこしはお化けのように見えないとも限りません。
他生物の視点から他生物を見つめるという発想はおもしろいです。
こういう想像力を常に持ちたいと感じますが、もはや日々の物事が当たり前になっていて、こうした子供のような想像力は随分と失われてしまったように思った、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
70枚の歯と6枚の逆さマントを持つものなんだ?
狐人的読書メモ
・カマジンとは岩手の民間信仰で、かまどの神様のことらしい。カエルの田舎者っぷりを表す表現であるらしい。
・『畑のへり/宮沢賢治』の概要
生前未発表。大正11年までに清書? 田園風景の童話的スケッチ。
以上、『畑のへり/宮沢賢治』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
(▼こちらもぜひぜひお願いします!▼)
【140字の小説クイズ!元ネタのタイトルな~んだ?】
※オリジナル小説は、【狐人小説】へ。
※日々のつれづれは、【狐人日記】へ。
※ネット小説雑学等、【狐人雑学】へ。
※おすすめの小説の、【読書感想】へ。
※4択クイズ回答は、【4択回答】へ。
コメント