狐人的あいさつ
コンにちは。狐人 七十四夏木です。
読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?
そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。
今回は『二つの手紙/芥川龍之介』です。
文字数13000字ほどの短編小説。
狐人的読書時間は約31分。
手紙は嘘か真か。私は正気か狂人か。妻の浮気の真相は?…藪の中的な短編小説。狐人的には、主人公は狂人なのだと思ったのですが、みなさんはどう思われますかね?
未読の方はこの機会にぜひご一読ください。
狐人的あらすじ
ある男が警察署長へ書いた二つの手紙。一つはある年の二月中旬、もう一つは三月上旬に送られた。
第一の手紙
主人公の「私」が私と妻のドッペルゲンガーを度々目撃するようになったという。世間では私の妻が浮気をしているという話が広まっている。しかしそれは私と妻のドッペルゲンガーなのだ。人々は私と妻のドッペルゲンガーを見て浮気だとカン違いしているだけなのだ。それでも妻は世間の人たちに罵られ、夫妻の平穏な生活は乱されている。警察の力でこうした人たちを取り締まってほしい旨が書かれている。
第二の手紙
妻がついに失踪した旨、私は仕事を辞めて引っ越しする旨、警察が何もしてくれなかったことを非難する旨、今後は超自然的現象の研究に従事するつもりである旨などが書かれている。
狐人的読書感想
妻は本当に浮気をしていた。夫である「私」はその事実を認めたくないがために、ドッペルゲンガーという幻を見ていた。妻はそれを聞いて夫が狂ってしまったのだと悟った。罪の意識にさいなまれ、ヒステリックになった。やがて妻は夫の下を去った。
――というふうに読んでしまうのは、きっと僕だけではないような気がします(が、どうでしょうね?)。警察署長もそう思ったからこそ何も対策を講じなかったのではないでしょうか。そもそも世間の迫害自体が「私」の被害妄想だったのかもしれません。
それはそれで狂人の戯言というか、夢野久作さんの作品に通ずる怖さがありますが、しかし手紙の内容が真実だったとしてもドッペルゲンガーという怪奇的な怖さがあるんですよね。
……なんだか二重に怖い話のような気がした、今回の狐人的読書感想でした。
読書感想まとめ
狂気と怪奇の二重の恐怖がある。
狐人的読書メモ
・リドルストーリー的なおもしろさがあった(と狐人的には感じた)。
・『二つの手紙/芥川龍之介』の概要
1917年(大正6年)『黒潮』にて初出。ドッペルゲンガーもの。狂気と怪奇の二重の怖さがあると狐人的には思ったが、どうだろう?
以上、『二つの手紙/芥川龍之介』の狐人的な読書メモと感想でした。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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