雀の歌/新美南吉=お母さんに読み聞かせしてほしいな。

狐人的あいさつ

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。

読書していて、
「ちょっと気になったこと」
ありませんか?

そんな感じの狐人的な読書メモと感想を綴ります。

雀の歌-新美南吉-イメージ

今回は『雀の歌/新美南吉』です。

文字200字ほどの詩。
狐人的読書時間は約1分。

みんなのお母さんは、みんなが生まれてくるのを楽しみに待っていたということ。生まれてきてくれてありがとうという気持ち。面と向かって言うのは照れくさいかもしれないけれど、読み聞かせなら?

未読の方はこの機会にぜひご一読ください。

狐人的あらすじ

(今回は全文です)

『雀の歌/新美南吉』

小さい卵のなかにゐる
かあいゝ坊やよでゝおいで、
みんなはおまえを待つてゐる。

お空は青くはれてゐる、
坊やのお歌を待つてゐる。

梢の空気は澄んでゐる。
小麦は軒端にこぼれてる。

お花畑は呼んでゐる、
遊びにおいでと呼んでゐる。

光はいつぱいみちてゐる。
神様までが待つてゐる。

坊やよ坊やでゝおいで、
黄色いくちからでゝおいで、
母さん「ばあつ」とでゝおいで。

狐人的読書感想

とてもいい詩だと思いました。お母さんが子供に読み聞かせしてあげたら、なんだか素敵な感じです。

とはいえ、すべての生命が世界に祝福されて生まれてくる、というのは、さすがに感情論に過ぎるという気がしないでもないです。

世界が祝福で満ちている、世界が幸せで溢れている――なんてのは一面的な見方であって、世界には災いもあれば不幸もあります。

しかしながら、一人ひとりがこのように祝福されて生まれてくるのだと教えてもらえたならば、人間の成長に何かしら善い影響があるんじゃないかと感じられるんですよね。

自分は愛されている、大切にされている、必要とされている、生きてるだけでも価値があるんだ――みたいな、子供の自己肯定感が大事、みたいな?

お母さんお父さん――家族が、自分が生まれたことを喜んでくれたという事実を知っておくだけで、何か辛いことや苦しいことがあったときの励みになるという気がします。

でも、「生まれてきてくれてありがとう」みたいな気持ちって、言うのも聞くのもなんだか照れくさい感じはありますよね。

言わなくても聞かなくとも、一緒に暮らす中で自然と教えられる気持ちだという気もしますし、いやいやちゃんと言ってもらわないと伝わらないよって気もします。

だから、この詩を読み聞かせしたりしてもらったりすることで伝わる気持ちは、とても大切でありがたいものだと感じるんですよね。

生まれてくることを祝福できる人間は幸せで、また生まれてくることを祝福してもらえる人間も幸せで、逆に言えば、幸せな世界でなければこういった気持ちは、なかなか生まれ得ないものなのかもしれません。

みんなが幸せな世界なんて、それこそ感情論に過ぎるというか、ただの理想論だという話なのかもしれませんが、生まれてくる子供がみんな祝福される世界であってほしいと願います。

……みたいな。

そんな感じの今回の狐人的読書感想でした。

読書感想まとめ

お母さんに読み聞かせしてほしいな。

狐人的読書メモ

・子供の自己肯定感を育むために、親が幼児期にかけるべき言葉は、たったの二つだという。すなわち、「あなたならできる!」「できたじゃない!」。適切に信じることと褒めることが大事なようだ。

・『雀の歌/新美南吉』の概要

1935年(昭和10年)2月、『チチノキ』にて初出。新美南吉の詩。子供の自己肯定感を養うためにも、ぜひお母さんに読み聞かせしてほしい詩である。

以上、『雀の歌/新美南吉』の狐人的な読書メモと感想でした。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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