小説読書感想『村上海賊の娘』2014年本屋大賞!祝文庫化!

2014年本屋大賞受賞!

第35回吉川英治文学新人賞!

2013年10月22日、
単行本上下巻が発売され、
空前の大ヒット!

この度いよいよ待望の文庫化!

2016年6月26日に、
4分冊のうち、
単行本上巻分2冊(一・二)が発売されるや、
amazonランキングの歴史・時代小説部門で、
1位と2位を獲得!

先日、
2016年7月28日に、
単行本下巻分2冊(三・四)が発売されて、
いま現在4冊揃って、
amazonランキングの新潮文庫部門、
1位~4位を独占!
(2016年7月31日現在)

今回は、
タイトルにもあるとおり、
祝文庫化!ということで、
いまだその人気衰えぬ、
和田竜さんの
『村上海賊の娘』
について書いてみたいと思うのです!

コンにちは。狐人コジン 七十四夏木ナナトシナツキです。
(「『狐人』の由来」と「初めまして」のご挨拶はこちら⇒狐人日記 その1 「皆もすなるブログといふものを…」&「『狐人』の由来」

単行本に比べて、
文庫本だとだいたい3分の1程の値段で購入できる。

持ち運びもしやすいし、
作家さんのことを思うなら、
こんな発言はすべきではないのかもしれないのですが、
やはり文庫化は待ち遠しいと思ってしまうのです。

小説を読む、
あるいは書く小説仲間のみなさんは、
この点いかがでしょうか。

少し調べてみたのですが、
文庫化のタイミングは、
これまでだいたい3年といわれていたようなのです。

文庫化の目的は、
経済学でいうところの
「価格差別」
にあります。

これはミクロ経済学で用いられる用語のひとつ。

簡単にいうと、
顧客層に応じて、
販売価格を変えることを指します。

文庫化の例でいえば、
その作家さんのファンのかたなどが、
単行本で充分に楽しんだあと、
より広い読者に作品を楽しんでもらうため、
低価格の文庫本を発売する、
ということ。

最近では、
文庫化のタイミングは早くなっているようで、
2年や1年ということもあるようなのです。

文庫オリジナルといった作品も増えていて、
ライトノベルではこれが当たり前といった感はありますが。

『村上海賊の娘』は、
だいたい2年8か月。

これまでのスタンダードな文庫化タイミング、
といえそうなのです。

では、
そろそろ簡単なあらすじを。

戦国時代、
乱世にあって、
瀬戸内海の島々を根城に、
最強の海賊衆との呼び声高い村上海賊。

知恵と剛勇を兼ね備えた、
当代頭領の村上武吉には、
2人の息子がいたが、
その荒々しい剛勇を引き継いでいたのは、
彼の娘・景だった。

悍婦にして醜女、
イケメンが大好き!

地元では、
嫁の貰い手がないとまでいわれる景は、
海賊働きに明け暮れる悠々自適な毎日。

そのころ織田信長は、
天下統一に向けて動き出していた。

天正四年、
大阪本願寺を攻めに攻める織田方の軍勢。

籠城する一向宗の門徒たち。

本願寺方より、
海路からの支援要請を受けた毛利家は、
村上海賊を頼ろうとするも……

そんなある日、
景は乗っ取りをかけた廻船で、
わずかな兵糧を持参し、
兵士となって本願寺方に加勢しようとするも、
出航直後に騙されてしまい、
そのまま捕縛されてしまった、
安芸門徒と呼ばれる一向宗信者たちに出会い、
ひょんなことから、
(この理由がじつにおもしろい!)
彼らを大阪本願寺まで送っていくことに。

そこで景が見たものは……

その後の景の、
苦悩、決断、戦い。

景が窮地に陥ったとき、
発動する禁じ手、
「鬼手」の正体とは!?

まずは、
魅力的な主人公、
女海賊・景のキャラクター。

悍婦で醜女で面食い、
このキャラクター性を中心にして、
物語が展開していく。

それがとてもおもしろく、
学ばされる手法だと思ったのです。

ただ、
正直に言うと、
僕は景のキャラクター自体は、
あまり好きにはなれませんでした。

海賊らしい大胆不敵な性格で、
否応なく周りを惹きつける魅力に溢れ、
常に人々の中心にいるのですが、
思慮には欠ける部分があり、
行き当たりばったり、
甘さも散見され、
結果を顧みずに行動を起こす姿には、
最後まであまり好感がもてませんでした。

ただし、
当然これはひとによって、
捉え方の分かれるところだと思うのです。

とくに女性の読者は、
景の生き方に深く共感させられる方も多いのでは、
と思わされました。

かくいう僕も、
全体を通じて、
苦難や挫折に、
まっすぐに向かい合っていく、
景のひたむきな姿には心打たれたのです。

それから、
村上海賊の当主のみに言い伝えられている禁じ手「鬼手」。

ひょっとして、
これはファンタジーの魔法のような、
超現実的な異能力なのかと当初思っていたのですが、
とても現実に即した現象となっており、
その設定に感心させられると同時に、
現実的能力で魅せることの限界のようなものをも感じさせられたり。

思えば、
最近の小説では、
超常的な力や設定が出てこない作品のほうが、
少ないのではないかとふと考えさせられました。

そういった意味では、
現実に起こりうる範囲内において、
設定されたこの「鬼手」という禁じ手、
学ぶべき部分の多い設定だと思ったのです。

小説家になろう・エブリスタ・カクヨム・アルファポリスなど、
ネット小説投稿サイトで小説を書く仲間たちの意見も、
ぜひ聞いてみたところなのです!

もちろん小説を読む小説仲間たちのご意見も!

ブログのコメントやTwitterのツイートで!

よかったらぜひ!

ぜひぜひぜひ!

……コンコホン。

低価格で持ち運びにも便利!

文庫化されたこの機会に、
未読の方はぜひご一読あれ!

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それでは今日はこの辺で。

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